じゅうりょく‐くっせい〔ヂユウリヨク‐〕【重力屈性】
読み方:じゅうりょくくっせい
⇒屈地性
重力屈性
重力屈性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 07:16 UTC 版)
重力屈性とは、根が下に伸びて茎が上に伸びる、というように植物が重力に反応してその伸長方向を変化させることである。イネとシロイヌナズナを地上で発育させた場合と宇宙で発育させた場合を比較した場合、地球上では明らかに地上部は上に、根は下に伸長している姿が見られるが、宇宙空間での無重力状態では伸長方向が制御されず、中には根が地上部の茎と同じ方向に飛び出して伸びているものも見られた。 根の重力屈性の場合、重力は根の先端の根冠細胞で感受されると考えられる。根冠の一部のコルメラ細胞では、デンプン粒を含んだアミロプラストが重力によって沈み、これによってオーキシンの流れが変化する。オーキシンには、地上部の芽や若い葉から根の方に流れ、根の中心部を通って先端へ向かい、Uターンするように根の周辺を通って戻る性質がある。根を傾けて重力刺激を与えると、オーキシンは上側には行かず下側だけに行こうとするので、傾いた根の下側でオーキシンの濃度が高くなり、下側の成長が上側に比べて相対的に遅くなるために地球上の植物の根は下方向に伸びる。 一方、無重力(微小重力)下では、コルメラ細胞の中でアミロプラストが沈降しないのでオーキシンが局在せず伸長方向の制御が不能になると考えられる。
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