身体的反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 07:52 UTC 版)
泣くことの最も一般的な副作用として、泣きを伴わない場合には咽喉頭異常感症として知られる、のどの腫れるような感覚がある。咽喉頭異常感は多くの要因から起こりうるが、泣いている際に感じるものは、交感神経系のストレスに対する反応である。動物がある種の危機にさらされたとき、交感神経系が動物に戦うか逃げるかを可能にするプロセスを始動させる。消化などの不要な身体機能を停止し、必要な筋肉への血流と酸素量を増加させるなどである。人が悲しみなどの感情を経験したときも、交感神経系はこのような形で働く。交感神経系によって高められる機能の1つに呼吸があり、空気の流れを増やすために声門が拡張される。この交感神経の反応が起こると、副交感神経系は、高ストレスの活動を抑制し消化器を動かすなどの回復プロセスを促進してただちにこの反応を止めようとする。消化には嚥下も関わっており、食物が喉頭に入るのを防ぐために完全に拡張した声門を閉じる必要がある。一方で声門は、人が泣いている間ずっと開こうとする。この声門の開閉をめぐるせめぎ合いが、喉が腫れるような感覚を作り出している。 泣いているときの他の副作用としては一般に、唇の震えや鼻水、不安定で激しい声などが挙げられる。
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