試験の過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 05:50 UTC 版)
タイフォンでは、SPG-59の試作機をいきなり洋上試験に投入していたのに対し、イージスではまず地上で試験することが構想された。このためにニュージャージー州のムーアス・タウン(英語版)に設置されたのが多目的陸上開発サイト(CSEDS)で、ランコカス地区にあった空軍のレーダー試験施設を譲り受けて、平たいビルディングの屋上に水上戦闘艦の上部構造物を再現した。 地上テストサイトに最初に設置されたのが本機の試作品(技術開発モデル)で、アンテナは1面のみの構成であった。これは1973年より稼働を開始し、後には戦術情報処理装置などその他のシステムと統合されて、システム全体の試作機にあたる技術開発モデル1号機(Engineering Development Model 1, EDM-1)としての試験に入った。地上での航空機追尾試験などを経て、1974年にはEDM-1を実験艦「ノートン・サウンド」に移設しての洋上試験が開始された。同艦では、地上テストサイトではシミュレータで代用されていたミサイル発射機(艦隊現用のMk.26発射機およびSM-1ミサイル)なども搭載され、ほぼ実艦への搭載に近い状況下で、太平洋上で総合的な試験がくりかえされた。このとき、ミサイル発射試験の初弾で早くもインターセプトに成功したほか、高速目標に対する迎撃能力、レーダーの対妨害能力の高さが注目されたと伝えられている。 これらの試験を経て、初の実用機であるAN/SPY-1Aを搭載したタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦のネームシップ(タイコンデロガ)は1983年に就役した。 地上テストサイト 「ノートン・サウンド」
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