航続力
航続力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/12/24 16:44 UTC 版)
「メッサーシュミットBf109」の記事における「航続力」の解説
同機の大きな欠点の一つと言われているのが航続距離の短さである。これは開発時期の1930年代に台頭していたドゥーエの空中艦隊論や当時流行した高速爆撃機の思想から、欧州の戦闘機全般が迎撃性能を重視した結果とされる。この点が問題になったのは、バトル・オブ・ブリテンと呼ばれたイギリス上空での戦いでである。爆撃機を護衛する侵攻戦闘機として開発された双発多座戦闘機が単座戦闘機に対抗しえず、英国上空での滞空可能時間が15分程度しかなかったことは大きな戦術的制約となった。 本機の翼構造は翼内タンクなどを設置する余地がなかった。また、増槽を装備させるには機内の配管を改めなければならなかったため、にわかじこみで増槽を付けるわけにはいかなかった。その燃料配管を改めたBf 109 E-7が1940年9月に部隊配備されたものの、パッキンの不整合による燃料漏れなどが祟り長距離型の運用は遅れた。加えて、同時期にイギリスでは、ハリケーンやスピットファイアなどがエンジンのバージョンアップを果たし、速度性能、上昇性能を大きく向上させたMk. II(マーク・ツー)が空軍に引き渡され始めていた。これらに対抗するBf 109Fの生産と機種転換に備えるためにもE-7が主力機になることはなかった。 航続距離の短さは、迎撃が主流となったドイツ上空での防空戦闘では致命的な欠陥とはならなかった。パイロットの声でもこの点を指摘するものは意外と少なく、ベテランにとってはむしろ、多量の積載燃料によりバランスを崩した米国製戦闘機に対してより優位を占めることができたと言われている。Bf 109を操縦するベテランパイロットは「全備重量ならどんな敵戦闘機にも負けない」と賞賛したとされるが、その理由はこの点にあった。
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「航続力」の例文・使い方・用例・文例
- 航続力という,船の能力
航続力と同じ種類の言葉
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