絵馬とは? わかりやすく解説

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え‐ま〔ヱ‐〕【絵馬】

読み方:えま

祈願報謝のために、社寺奉納する絵の額。生きた馬の代わりに絵に描いて奉納したのが始まりといわれる屋根形の小絵馬や大形の額絵馬などがある。

[補説] 曲名別項。→絵馬

絵馬の画像
絵馬の画像
多くの絵馬が奉納されている東京湯島神社

えま〔ヱま〕【絵馬】

読み方:えま

謡曲脇能物金春(こんぱる)以外の各流。節分の夜、伊勢斎宮白馬・黒馬の絵馬を掛けて農作を占う風習に、天の岩戸故事添えて脚色したもの。えんま。


えんま〔ヱんま〕【絵馬】

読み方:えんま

⇒えま(絵馬)


絵馬

読み方:エマema

寺社奉納する板絵


えま 【絵馬】

祈願報謝の意味寺社奉納する馬の絵の額。のち馬以外の絵も出てきた。古代生馬木馬などを神仏献じた風習から出ている。これをかける堂を絵馬堂・絵馬殿という(寺社の絵馬を見て歩くようなひまな医者絵馬医者といった)。→ 神馬

絵馬

作者矢作俊彦

収載図書仕事が俺を呼んでいる
出版社新潮社
刊行年月1993.5


絵馬

作者横溝正史

収載図書喘ぎ泣く美人
出版社角川書店
刊行年月2006.12
シリーズ名角川文庫


絵馬

作者城島明彦

収載図書恐怖がたり42夜―携帯サイトの怖い話
出版社扶桑社
刊行年月2007.7
シリーズ名扶桑社文庫


絵馬

作者瀬高

収載図書ふたり心地
出版社東京図書出版会
刊行年月2008.2


絵馬

読み方:エマema), エンマenma

分野 謡曲

年代 室町時代

作者 作者未詳


絵馬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 15:00 UTC 版)

絵馬(厳島神社)

絵馬(えま)は、神社寺院に祈願するとき、あるいは祈願した願いが叶ってその謝礼をするときに社寺に奉納する、絵が描かれた木製の板である。

概要

小型の絵馬を掛ける絵馬掛(奈良県岡寺

個人で奉納するための絵馬として、小型でなどの絵が描かれて余白や裏面に祈願の内容や氏名などを書くものが、社寺で販売されている。大人数で奉納する絵馬は大型で、画家に描かせるなどして奉納者が用意することもある。小型の物については東日本五角形(家型)の物が多いが、これはかつて、板の上に屋根をつけていた名残である。近畿地方では四角型が主流だが、京都府では横長の板に額縁のように枠を付けたものが多く、奈良県では縁を黒く塗って枠に見せたものが多く見られる[1]

絵馬の奉納は個人的な動機による神仏への願掛けであり、かつては人に見られない時間帯を選んで行われた。また、今日のように絵馬に実名を記すことはなく、「寅歳女」のように生まれた干支と性別のみを記した[1]

歴史

長岡京出土 土馬
京都市考古資料館展示。
現在も奉納される神馬(山梨県富士吉田市 冨士山下宮小室浅間神社

かつて、神々は騎乗した姿で現れるとされ、神輿の登場以前は神座の移動には馬が必須と考えられた。常陸国風土記によれば、崇神天皇の代より神事の際に馬を献上する風習が始まったとされる。奈良時代の『続日本紀』には、神の乗り物としての馬、神馬(しんめ、じんめ)を奉納したと記される。一方、馬を奉納できない者は次第に木や紙、土で作った馬の像で代用するようになり、奈良時代からは板に描いた馬の絵が見られるようになった[1]。一例として、奈良市の日笠フシンダ遺跡から天平10年(738年)と記された木簡と共に絵馬が出土している[2]

平安時代

平安時代には神仏習合思想が普及し、観世音菩薩も騎乗して示現するという説が広まることで神社だけでなく寺院にも絵馬を納める風習が及んだ[1]。平安末期の絵馬は共同体が合同で小型の絵馬を納めることが主流だった。

室町時代

室町時代になると扁額式の大絵馬が現れ始める。モチーフも馬だけでなく様々な絵が描かれるようになった。初期の例として、例えばを使いとする稲荷神社では狐の絵が描かれることもある。また他にも、三十六歌仙肖像武者絵、祈願の対象である文殊菩薩を描いた例などがある。この時代の小型絵馬は、今日同様に現世利益を求めて個人が納めることが主流となっている[1]

安土桃山時代

安土桃山時代になると、狩野派長谷川派海北派など著名な絵師による本格的な絵馬が人気となり、それらを展示する絵馬堂も建てられた。絵馬堂は今日の美術館のような役割を果たし、絵師たちが技を競うとともに、展示される絵のイメージが人々に共有されるなど、新たな作品を生む原動力をもたらす場であった。

江戸時代

江戸時代ごろから、家内安全や商売繁盛といった実利的な願いをする風習が庶民にも広まり、奉納の動機や絵馬のデザインも多様になった[1]

曾我蕭白[3]などの絵師による絵馬、葛飾北斎[4]などの浮世絵師による絵馬(肉筆浮世絵)の他、眼病予防に「め」および左右逆の「め」を書いた絵馬や、夫の浮気防止に「心」の字に鍵をかけた絵を描いた絵馬もある。和算家は、自分が解いた問題の解法を書いた算額という絵馬を奉納し、日本武術では剣術柔術棒術などで薙刀木刀を門人の一覧に付した絵馬を奉納した。

現在の福島県福島城下周辺の社寺には、福島藩主による絵馬を奉納する伝統が残っており、堀田氏により1枚、板倉氏により27枚が奉納されている。[5]

また17世紀前期より海運の発達とともに、船主や船乗りなどのあいだで住吉信仰や金毘羅信仰が高まり、航海の無事を祈願するため、自分の船を描いた船絵馬を奉納する風習が見られるようになった。初期の朱印船の絵や江戸後期の写実的な絵など、日本の船舶史を研究する上で重要な図像資料となっている[6]

近代

明治時代以降、多人数で奉納する大型の絵馬について、「伊勢神宮参拝記念」「戦勝祈念」(明治時代~敗戦まで)「厄除け祈願」「子供(特に男子)の誕生を記念して」「干支」など様々なバリエーションが生まれた。長田神社ではアカエイの絵馬が明治25年(1892年)以降に始まっている[7]

昭和以降は、学問の神として菅原道真を祀った天満宮(福岡県太宰府市など)に受験生が合格祈願の絵馬を奉納する風習が盛んになった。白蛇など縁起物の動物や、祭りの風景など馬とは関係ない絵馬も多く作られ、社寺の縁起物として、また、お守りとしても人気を博している。

2000年代中頃から個人情報保護のため、願い事や住所および氏名の部分にステッカーを貼ることができるようになった絵馬も登場する。

様々な絵馬

巨大絵馬

和気神社の日本最大とされる絵馬

正月に「巨大絵馬」「ジャンボ絵馬」「大絵馬」と呼ばれる大型の絵馬を飾る神社もある。

痛絵馬

アニメ漫画ゲームソフトの舞台として登場した神社や寺院では、聖地巡礼の一環として、作品に登場するキャラクターを描いた痛絵馬が多く奉納される傾向がある。町おこしのきっかけになった例もある。また萌えキャラファンの男性だけではなく、戦国武将など歴史好きの女性(歴女)にも痛絵馬は広がっている[11][12][13]

画像一覧

絵馬市

脚注

  1. ^ a b c d e f 岩井宏實 2007, pp. 4–7.
  2. ^ 読売新聞2001年11月15日(木曜)付。
  3. ^ 宝物紹介”. 曽根天満宮. 2016年2月14日閲覧。
  4. ^ 板絵著色富士の巻狩図絵馬”. 千葉県教育委員会. 2016年2月14日閲覧。
  5. ^ 絵馬展~黒沼神社 福島藩主歴代奉納絵馬~(福島市公式ページ)
  6. ^ 石井謙治 1995, pp. 373–391.
  7. ^ 長田神社公式ホームページ・「痔の御利益(赤エイ絵馬)の信仰」。
  8. ^ “岡山)和気神社「日本一ジャンボ絵馬」奉納”. 朝日新聞. (2018年12月16日). https://www.asahi.com/articles/ASLDG3S2XLDGPPZB00G.html 2021年12月18日閲覧。 
  9. ^ “静岡浅間神社に大絵馬「飛翔」 常葉大生制作”. 静岡新聞. (2013年12月14日). http://www.at-s.com/news/detail/872136550.html 2013年12月15日閲覧。 
  10. ^ “迎春準備、着々/白鳥神社にジャンボ絵馬”. 四国新聞. (2013年12月15日). https://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/locality/20131215000208 2013年12月15日閲覧。 
  11. ^ 北角裕樹 (2009年12月28日). “萌え系絵馬夢かなう? アニメキャラ 寺社に増殖中”. 日経流通新聞(日経MJ) (日本経済新聞社): p. 16 
  12. ^ 由谷裕哉 (2013年6月15日). “アニメ聖地への絵馬奉納は新しい祈りの形か” (PDF). 小松短期大学. 2013年8月18日閲覧。[リンク切れ]
  13. ^ 吉浜織恵 (2015年2月20日). “痛絵馬・美少女お守り…遷座400年、ほほえむ神田明神”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). オリジナルの2015年2月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150219235119/http://www.asahi.com/articles/ASH2M4D4ZH2MUTIL00Z.html 2015年2月20日閲覧。 

参考文献

関連項目


絵馬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 16:03 UTC 版)

部田神社」の記事における「絵馬」の解説

戸田村により、社殿内の絵馬(絵画2点1983年昭和58年4月21日文化財指定された。1819年文政2年奉納の「花鳥之図」と、1889年明治13年)に描かれた「戸田消防団い組出初式」の2点である。

※この「絵馬」の解説は、「部田神社」の解説の一部です。
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