生活史の中で
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/14 16:27 UTC 版)
スギゴケなどの蘚類マゴケ亜綱のコケはもっとも種数が多く、標準的なコケである。この群での生活史では、まず胞子嚢内で胞子が形成され、それが散布される。この胞子は減数分裂によって形成されるので単相(n)である。胞子が発芽すると、分裂を繰り返して細長い糸状の構造を作る。これが原糸体である。これは細胞が1列に並んだ構造なので、ごく細くて肉眼で見えない程度のものである。しかし次第に枝分かれして伸び、基盤の上を薄く覆うようになる。また葉緑体を持ち、光合成をする。そのため広がった部分は肉眼でも緑色に見える。やがて広がった原糸体のあちこちに芽が出来て、これが生長するとスギゴケなどのコケ本体が出来る。この間、細胞分裂はすべて体細胞分裂なので、原糸体もコケ本体も核相は単相(n)であり、いわゆる配偶体である。やがてコケ本体の上に造精器、造卵器が形成され、造精器から泳ぎだした精子が造卵器中の卵細胞と受精し、複相(2n)の細胞体を生じ、これが胞子嚢となる。
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