生殖管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 08:43 UTC 版)
性腺形成と平行して、中腎管(ウォルフ管)に沿った形で中腎傍管(ミュラー管)が形成される。妊娠第7週以降、性腺の分泌する物質に依存してこれらの管が生殖管に分化していく。 典型例は次の2つである。 性腺が完全に男性型(精巣)である場合 テストステロンによってウォルフ管は維持を促され、精巣上体・輸精管・精嚢に分化する。また、ミュラー管抑制因子によってミュラー管は退化・消失する。ただし、一部は精巣輸出管となり、ウォルフ管に開口する。 性腺が男性型でない場合 テストステロンが十分でないことによりウォルフ管は維持できずに、退化・消失する。また、ミュラー管抑制因子が存在しないので、ミュラー管は発達し子宮・輸卵管に分化する。このことから、女性の内性器分化に卵巣は直接的には必要でない。 非典型例としては次のような場合もある。 遺伝子変異により、上記のような両性の生殖管発達が混在したり、不完全になる場合もある。 精巣を有するがミュラー管抑制因子が十分でなかったり、あるいは抑制因子の受容体が不全である場合には、ウォルフ管・ミュラー管の両方が発達し、両性の内性器を併せ持つ場合もある。 外部からの化学物質の影響により、生殖管が性腺とは異なった形に分化する場合もある。流産防止のための母親へのホルモン投与などが影響するという説もある。
※この「生殖管」の解説は、「性別」の解説の一部です。
「生殖管」を含む「性別」の記事については、「性別」の概要を参照ください。
- 生殖管のページへのリンク