物体表面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 18:16 UTC 版)
標準光源の1つ CIE FL4 の CIE xyY における MacAdam limits 20世紀初めごろ、色を制御可能な形で記述する方法が産業界で必要とされるようになり、光のスペクトルの測定が可能となったことで色を数学的に表現する研究が行われるようになった。 ドイツの化学者ヴィルヘルム・オストヴァルトは最適色 (optimal colors) の考え方を提唱した。エルヴィン・シュレーディンガーは1919年の論文 Theorie der Pigmente von größter Leuchtkraft(高輝度顔料について)で、最も飽和した色は可視スペクトル上のゼロまたは完全な反射がもたらす刺激によって生成されるとした(つまり、反射スペクトルはゼロと100%の間で高々2回遷移する必要がある)。 したがって、2種類の最適色スペクトルが考えられ、右の図にあるようにスペクトルの両端はゼロで途中に1になる部分がある場合と、一方の端では1でもう一方の端でゼロとなる場合がある。前者はスペクトル色のような色となり、CIE xy 色度ダイアグラムにおける馬蹄形部分に大まかに対応する。後者は同じダイアグラムの直線部分に近い色となり(ただし、一般的に彩度が低い)、だいたいマゼンタ系の色になる。 シュレーディンガーの業績は David MacAdam と Siegfried Rösch が受け継ぎ、さらに発展させた。MacAdamは、世界で初めて CIE 1931 色空間に明るさを Y = 10 から 95 まで10単位で設定し、最適色の立体の正確な位置を計算した。これにより、実用的な精度で最適色の立体を描けるようになった。この業績により、最適色立体の境界線を MacAdam limit と呼ぶようになった。 今日では、効率的アルゴリズムで実用的な時間内(最近のコンピュータでは1時間程度)に高精度に境界を計算できる(明るさのレベル毎に数百ポイント。MacAdamは明るさレベル毎に12ポイントを計算)。MacAdam limit は最も飽和した(最適な)色が対応する境界線であり、黄色以外の単色に近い色は輝度が低いところにあることを示しており、黄色の輝度が高いのは、スペクトルの赤から緑までの長い部分を1とすることで単色の黄色に非常に近い色になるためである。
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