概念実在論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:56 UTC 版)
20世紀中期以降、以上のような論理学説(または詭弁説・パラドックス説)を踏襲しつつ拡張または改訂して、いくつかの新説が提唱されるようになった。 そのような新説の筆頭として、1930年代の馮友蘭による「概念実在論」説がある。ここでいう「概念実在論」は、「実念論」「普遍論争における実在論」「普遍者実在論」「プラトンのイデア論」などとも言い換えられる。この説によれば、「白馬非馬」というときの「馬」という字は、日常的な意味での horse を指すのではなく、horseness や universal of horseness(馬概念・馬性・馬の普遍者・馬のイデア)などと翻訳されるべき抽象的な概念を指す字であり、諸子はそのような概念の有り方や有無について論じているのだとされる。 馮友蘭の概念実在論説に近い説として、成中英(中国語版)・馮耀明らの説がある。日本においても、加地伸行・浅野裕一らの説がある。ただし、左に挙げた学者間でも細部の解釈は異なる。例えば、馮友蘭や浅野裕一は公孫龍を実念論者だとしているが、加地伸行は公孫龍を実念論に反対した唯名論者だとしている。 とりわけ加地伸行は、上記の経学(名物訓詁の学)などの通史的伝統との接続を試みて、東アジアには普遍論争に似た「名実論争」の伝統があった、とする精神史的な仮説を提唱している。この加地の説は後述の「意味」説の要素も持つ。
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