栽培方法の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/07 05:29 UTC 版)
育苗温床で育てたスイカの苗を畑に移植する定植は4月下旬である。しかし、波田町辺りでは5月の連休明けまで降霜被害を受けることがある。そのため、定植後は夜間の冷込みを防ぐ必要がある。1960年代初めまでは、油紙を袋状にしたもので高さ15cmほどの小さなテントを、一株ごとに張って降霜被害を防いだ。しかし、1961〜62年ころから、長いビニールトンネルを使って夜間の冷込みを防ぐようになった。ビニールトンネルによる保温は、降霜被害防止だけではなく、生長促進にも効果がある。現在では、スイカの蔓がビニールトンネルをはみ出し、スイカが着果しても使用している。スイカの玉伸び(果実が肥大化すること)にも役立つからである。 苗を育てるためのポットは1960年ころまで、経木と言われる薄く削いだ木で作っていた。幅10センチ強、長さ25センチ弱の「経木」を巻いて円筒形にし、ホチキスで留め、底をあてがい土を入れる。この経木のポットは6190年代前半にビニール製ポットに取って代わられる。 育苗温床自体の変化もあった。1960年代初頭までは温床に熱を与えるため、温床の下部に稲藁を厚く積んで、その発酵熱を利用した(稲藁は用済み後に追熟させれば堆肥になる)。60年代初頭に電気による与熱が導入されると、電熱方式が一気に普及した。 温床の周りも、1960年代前半までは稲藁を地面から10センチから15センチくらい立てて、これを横に渡した竹で締め固めていたものが、ビニールハウスが作られるようになると、育苗温床としてのビニールトンネルは、コンクリート板を埋設してその周囲を作るようになり、長期間そのまま埋設しておくようになった。
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