有肺類とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 生物 > 生物学 > 亜綱 > 有肺類の意味・解説 

ゆうはい‐るい〔イウハイ‐〕【有肺類】

読み方:ゆうはいるい

腹足綱有肺亜綱軟体動物総称。カタツムリ・ナメクジ・モノアラガイなど、陸生巻き貝が主。えらをもたず、外套膜(がいとうまく)の変化した肺で呼吸をする。雌雄同体


有肺類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 05:57 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
有肺類
さまざまな有肺類(曲輸尿管類)
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
階級なし : 貝殻亜門 Conchifera
: 腹足綱 Gastropoda
階級なし : 後生腹足類 Apogastropoda
階級なし : 新生腹足類 Caenogastropoda
階級なし : 異鰓類 Heterobranchia
階級なし : 有肺類 Pulmonata
クレード

有肺類(ゆうはいるい)は、軟体動物腹足綱の1グループである。有肺上目または有肺目とされることもある。

ほとんどが陸生で、陸生軟体動物グループのうち最も種数が多い。貝殻を持つカタツムリと貝殻を失ったナメクジが含まれる。

特徴

種数ではほとんどが陸生である。ただし、原始的なグループには生(主に干潟潮間帯など)・淡水生・あるいは汽水生のものが多く、完全に陸生化した系統は限られている。

伸縮する触角があり、はその基部または先端にある(先端に目がある触角は眼柄とも呼ばれる)。

外套腔が呼吸のための肺嚢となっている。有肺類の学名はラテン語で「」を意味する pulmo に由来する。

神経系が発達し、前脳がある。

他の陸生貝類と違い、殻口に蓋がない(ウミマイマイ科を除く)。水分を失うのを防ぐため、休眠時にはエピフラム epiphragm という粘膜で殻口を閉じる。

分類

Bouchet & Rocroi (2005) を基本とし(ただし Informal Group は除く)、他の情報を補足する。

有肺類は古くは腹足類の3グループの1つ(他の2つは前鰓類後鰓類)だったが、腹足類の分類体系の再編により、腹足類の中の異鰓類の3グループの1つ(他の2つは異旋類と後鰓類)になった。しかしそれらも新たな再編を迎えており、現在の分類は安定していない。

有肺類には4つの単系統が確認されている。

しかしこの4系統間の類縁関係は、これらを合わせた有肺類が単系統かどうかも含め不明である[1][2]。真正有肺類以外の3系統は基眼類 Basommatophora にまとめられるが、今では便宜的な措置にすぎない。基眼類は海生か淡水生が多く、古くは海生の原始有肺目 Archaeopulmonata と淡水生の肺鰓目 Branchiopulmonata に分けられていた。フタマイマイ上科とカラマツガイ上科を Thalassophila とすることもある。

真正有肺類はこれらのうち最大の系統で、さらに5つの系統に分かれる。ただしそのうちオカミミガイ上科は単系統性でない可能性がある[1][2]。互いの類縁関係はほとんどわかっていないが、柄眼類が最初に分岐した可能性が高い[2]。オティナ上科とオカミミガイ上科を合わせて海棲類 Actophila とする説もある。

収眼類はほとんどの種が殻を失い、ナメクジ状になっている。

柄眼類は有肺類の約95%を含む大きな単系統である。全てが陸生で、水の少ない環境に比較的適応している。大触角・小触角の2対の触角があり(柄眼類以外は1対)、大触角の先に目がある。伝統的には輸尿管の配置により板顎類・直輸尿管類・曲輸尿管類 Sigmurethra の3つに分けられてきたが、曲輸尿管類はおそらく単系統ではない(図には示していない)。

分類階級を割り当てる場合は、基眼目・収眼目・柄眼目を置くか、基眼目・真正有肺目を置くか、古い分類では有肺目のみを置く。分類によっては目に属さない上科が残る。

出典

  1. ^ a b Mordan, P.; Wade, C. (2008), “15 Heterobranchia II The Pulmonata”, in Ponder, W.F.; Lindberg, D.R., Phylogeny and evolution of the Mollusca, University of California Press, p. 409– 
  2. ^ a b c Klussmann-Kolb, A.; Dinapoli; Kuhn, K.; Streit, B.; Albrecht, C. (2008), “From sea to land and beyond – New insights into the evolution of euthyneuran Gastropoda (Mollusca)”, BMC Evolutionary Biology 8: 57–, doi:10.1186/1471-2148-8-57, http://www.biomedcentral.com/1471-2148/8/57 

「有肺類」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



有肺類と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「有肺類」の関連用語


2
78% |||||

3
巻貝 デジタル大辞泉
72% |||||

4
腹足類 デジタル大辞泉
72% |||||

5
58% |||||






有肺類のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



有肺類のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの有肺類 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS