昆虫館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/18 21:59 UTC 版)
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2013年1月) |
昆虫館(こんちゅうかん、英: insectarium)とは、生きている昆虫を展示する博物館である。昆虫園、昆虫生態館ともいう[1]。昆虫館はクモ、カブトムシ、ゴキブリ、アリ、ハチ、ヤスデ、ムカデ、コオロギ、バッタ、ナナフシ、サソリ、カマキリなど様々な種類の昆虫や節足動物を常設展示している。展示物は陸生の節足動物や類似の動物を研究する昆虫学者、クモ学者や他の科学者にとっては仕事として重要であり、昆虫の種類、生息地といった昆虫について学べることに集中できる。
蝶園はチョウとガを展示している特殊な昆虫館である。さらに、これらは多くの動物園、植物園、ネイチャーセンター、自然史博物館、科学館のように季節に応じたチョウを展示している。
世界の昆虫館
アメリカ
- en:Long Island Aquarium and Exhibition Center - ニューヨーク州リバーヘッド (Riverhead (town), New York)
- Philadelphia Insectarium and Butterfly Pavilion(en:Insectarium (Philadelphia)) - ペンシルバニア州フィラデルフィア
- デトロイト動物園 - ミシガン州ロイヤルオーク
- en:Cincinnati Zoo and Botanical Garden - オハイオ州シンシナティ
- バイエル昆虫館(セントルイス動物園内) - ミズーリ州セントルイス
- ヘンリー・ドーリー動物園&水族館 - ネブラスカ州オマハ
- 国立自然史博物館 - ワシントンD.C.
- オーデュボン昆虫館 - ルイジアナ州ニューオーリンズ
- ヒューストン自然科学博物館 - テキサス州ヒューストン
- en:Bohart Museum of Entomology(カリフォルニア大学デービス校内) - カリフォルニア州デイビス
- ロサンゼルス郡自然史博物館 - カリフォルニア州ロサンゼルス
- サンフランシスコ動物園 - カリフォルニア州サンフランシスコ
カナダ
- モントリオール昆虫館 - ケベック州モントリオール
- ニューファンドランド昆虫館 - ニューファンドランド・ラブラドール州
- en:Victoria Bug Zoo - ブリティッシュコロンビア州ビクトリア
- en:Victoria Butterfly Gardens - ブリティッシュコロンビア州ブレントウッドベイ
イギリス
フランス
- ブザンソンの城塞 - ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏ブザンソン
イタリア
タイ
- Bangkok Butterfly Garden and Insectarium - バンコク
マレーシア
台湾
中国
- 上海大自然野生昆虫館
日本の昆虫館
ヨーロッパにおける昆虫館が「生きた昆虫」を紹介するテラリウム形式なのに対し、日本における昆虫館は名和昆虫博物館(1919年開館[5])、平山昆虫博物館(1930年開館)、宝塚昆虫館(1939年開館[注釈 1])など、いずれも最初は「標本展示」から始まった[7]。1954年に宝塚昆虫館が生きた虫を見せるテラリウム形式の「生態展示」を始め、その後、豊島園昆虫館、国立科学博物館付属自然教育園、多摩動物公園なども生態展示を開始した[8]。
1990年には矢島稔が中心となり全国昆虫施設連絡協議会が設立された[9]。2021年6月時点で22の施設が加盟している[10]。
日本の昆虫館一覧
日本に所在する昆虫館を県別に記載する。便宜を考え、昆虫標本を多く所蔵する博物館や、蝶やカブトムシなどが観察できる施設等も一覧に含めた。
北海道
- 丸瀬布昆虫生態館(丸瀬布森林公園いこいの森)[11][12][13]
- ひがし大雪自然館[14]
- 釧路市立博物館
- 昆虫館パピヨンシャトー[15][12][13][16]
- 栗山町ファーブルの森 観察飼育舎
- 栗山自然情報館「オオムラサキ館」[16]
- ところ昆虫の家[17]
- 北海道大学総合博物館[18]
青森
岩手
秋田
宮城
山形
福島
茨城
- かすみがうら市水族館[23]
- つくば市 豊里ゆかりの森 昆虫館[22][24]
- ミュージアムパーク茨城県自然博物館[25]
栃木
群馬
埼玉
- 東武動物公園 ほたリウム[26]
- 狭山丘陵いきものふれあいの里センター
- 加須市大越昆虫館[27]
- よりいトンボ自然館[28]
- 埼玉県立自然の博物館
千葉
東京
- 国立科学博物館[29]
- 板橋区立昆虫公園
- ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」[30][26][23]
- 大田原市ふれあいの丘 自然観察館[26][12]
- 足立区生物園[26][23][21]
- 多摩動物公園 昆虫園[23][21]
- 多摩六都科学館[25]
- 諏訪クワガタ昆虫館[31][23]
- 目黒寄生虫館
神奈川
- 神奈川県立生命の星・地球博物館
- 横須賀市自然・人文博物館
- シルク博物館[26]
- 養老昆虫館(養老孟司の別荘、非公開)[32]
山梨
- 北杜市オオムラサキセンター[21]
- すずらん昆虫館[33]
- 山梨県立博物館
長野
新潟
富山
石川
福井
- 福井市自然史博物館
- 福井県自然保護センター
静岡
- 磐田市竜洋昆虫自然観察公園[37][23][12][38][39]
- 朝比奈 龍勢・昆虫館(旧:ふるさと世界の昆虫館)[40][41][42]
- 浜松市動物園 こんちゅう館
- ふじのくに地球環境史ミュージアム
愛知
岐阜
三重
滋賀
- 滋賀県立琵琶湖博物館
- 甲賀市みなくち子どもの森 自然館[23]
京都
大阪
兵庫
- 伊丹市昆虫館[23][21]
- 兵庫県立人と自然の博物館[23]
- 佐用町昆虫館[45][44]
- 赤松の郷昆虫文化館(播磨昆虫民俗資料館)[46]
- たつの みんなの昆虫館[47]
- しい茸ランドかさや[44]
- リフレッシュパーク市川[44][12]
- おもしろ昆虫化石館
奈良
和歌山
鳥取
島根
岡山
- 倉敷市立自然史博物館
- つやま自然のふしぎ館
- 倉敷昆虫館[48]
広島
山口
- 山口県立山口博物館
- 美祢市立秋吉台科学博物館
- 豊田ホタルの里ミュージアム[22]
香川
愛媛
徳島
高知
- トンボ王国(四万十川学遊館あきついお・四万十市トンボ自然公園)[21][22]
福岡
- 北九州市立いのちのたび博物館
- 北九州市ほたる館[50]
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
沖縄
- 沖縄県立博物館・美術館[53]
- 琉球大学博物館(風樹館)
- アヤミハビル館[22][54]
かつて存在した昆虫館
- 木馬館(東京、1907年開館、当初は昆虫館だった)
- 平山博物館(東京、1930年開館、1955年頃に閉館)
- 蝉類博物館(東京、1938年開館、加藤正世の没後閉館)
- 宝塚昆虫館(兵庫、1967年閉館[6]、宝塚ファミリーランドは2003年閉園)
- 近鉄玉手山遊園地(大阪、1998年閉館)
- 三原恵下谷昆虫園(広島、1977年開館、閉館時期は不明)
- 兵庫県千種川グリーンライン昆虫館(兵庫県昆虫館、1971年開館、2008年閉館)[55]
- 夢虫館(香川、2009年閉館)
- 札幌市円山動物園 昆虫館(北海道、昆虫館は1974年開館、2010年閉館[56])
- みやこパラダイス(沖縄、2011年閉鎖)
- はこね・おだわら昆虫館(神奈川、2014年7月閉館)[57]
- 板橋区ホタル生態環境館(東京、2015年閉館)
- おごせ昆虫と自然の館(埼玉、2019年3月21日閉館[58]、同年、移転して加須市大越昆虫館として開館[27])
- こぶちさわ昆虫美術館(山梨、2019年11月閉館)
- としまえんのもり 昆虫館(東京、前身は1957年開館の豊島園昆虫館、2020年閉園)
- ウェスパ椿山(青森、2020年閉園)[59]
- 琉宮城蝶々園(沖縄、2021年頃閉園)[60]
脚注
注釈
出典
- ^ 「昆虫館」『デジタル大辞泉』小学館 。コトバンクより2022年5月20日閲覧。
- ^ ヤマザキマリ (2018年8月19日). “パドヴァの昆虫博物館 Esapolis”. ヤマザキマリ・Sequere naturam:Mari Yamazaki's Blog. 2023年11月16日閲覧。
- ^ a b 日本の虫旅 2024, p. 241.
- ^ a b 日本の虫旅 2024, p. 235.
- ^ “名和昆虫博物館”. 名和昆虫博物館. 2024年11月18日閲覧。
- ^ a b 松田真平「昆虫園について」『やどりが』第2003巻第199号、日本鱗翅学会、2003年、40-45頁、doi:10.18984/yadoriga.2003.199_40、ISSN 0513417X、NAID 110007631423、2022年6月28日閲覧。
- ^ 矢島 2003, p. 238-239.
- ^ 矢島 2003, p. 240-244.
- ^ 昆虫館はスゴイ! 昆虫館スタッフの内緒話. 版元ドットコム. 2022年5月21日閲覧
- ^ 全国昆虫施設連絡協議会 2021, p. 217.
- ^ 丸瀬布昆虫生態館 | 観光・遊び | 遠軽町. 2022年5月19日閲覧
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “カブトムシ・クワガタ好きにおすすめの昆虫館・体験施設まとめ!展示・ふれあいが満載”. るるぶKids (2021年8月4日). 2022年5月22日閲覧。
- ^ a b c d e f “北海道・東北のおすすめ昆虫館。カブトムシとのふれあい、体験プログラムなど充実”. るるぶKids (2021年7月29日). 2022年5月22日閲覧。
- ^ “ひがし大雪自然館”. 上士幌町観光協会. 2023年12月14日閲覧。
- ^ 昆虫館パピヨンシャトー - 当麻町. 2022年5月19日閲覧
- ^ a b 日本の虫旅 2024, p. 50.
- ^ ところ昆虫の家 <施設の目的>. 2022年5月19日閲覧
- ^ 日本の虫旅 2024, p. 19.
- ^ サンクチュアリセンターつきだて館(昆虫館)|栗原市観光ポータルサイト ぎゅぎゅっとくりはらのホームページ(公式ホームページ). 2022年5月19日閲覧
- ^ 日本の虫旅 2024, p. 74.
- ^ a b c d e f g h i j “専門家推薦 親子で楽しめる、昆虫の楽園”. 日経電子版 (2016年8月14日). 2022年5月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 『学研の図鑑LIVE 昆虫新版』Gakken、2022年7月5日発行、ISBN 978-4052051760、286-287頁
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “【全国】昆虫マニアおすすめの「昆虫館・博物館」15選!クワガタや水生昆虫も観察しよう”. じゃらん (2022年5月10日). 2022年5月20日閲覧。
- ^ つくば市豊里ゆかりの森 公式サイト || その他施設. 2022年5月19日閲覧
- ^ a b c 日本の虫旅 2024, p. 107.
- ^ a b c d e “関東のおすすめ昆虫館5選!カブトムシや蝶、かいこやホタル、いろんな生物に会いに行こう”. るるぶKids (2021年7月29日). 2022年5月20日閲覧。
- ^ a b 米沢信義 (2019年5月21日). “埼玉)昆虫館、加須に移転オープン”. 朝日新聞デジタル. 2023年11月10日閲覧。
- ^ “よりいトンボ自然館”. よりい町にトンボ公園を作る会. 2023年12月14日閲覧。
- ^ 日本の虫旅 2024, p. 106.
- ^ 文京区 ファーブル資料館(虫の詩人の館). 2022年5月19日閲覧
- ^ 諏訪クワガタ昆虫館(三鷹市) | みたかナビ. 2022年5月19日閲覧
- ^ “解剖学者・養老孟司の棚。「棚を作ることは、階層構造を作ること」”. BRUTUS. マガジンハウス (2022年8月28日). 2023年5月6日閲覧。
- ^ “ペンション すずらん”. ぐるり甲州市. 山梨県甲州市観光協会 (2022年12月26日). 2023年11月16日閲覧。
- ^ 世界昆虫館|辰野町公式ホームページ. 2022年5月19日閲覧
- ^ 昆虫体験学習館 – 佐久平ハイウェイオアシス「パラダ」. 2022年5月19日閲覧
- ^ 胎内市/胎内昆虫の家. 2022年5月19日閲覧
- ^ 施設ガイド 竜洋昆虫自然観察公園|磐田市公式ウェブサイト. 2022年5月19日閲覧
- ^ a b c “東海のおすすめ昆虫館。国内外のカブトムシ、世界の昆虫などを観察”. るるぶKids (2021年7月30日). 2022年5月22日閲覧。
- ^ 日本の虫旅 2024, p. 148.
- ^ “「世界の昆虫館」が「朝比奈 龍勢・昆虫館」としてリニューアルオープン 静岡・藤枝市”. LOOK 静岡朝日テレビ (2023年6月27日). 2023年7月11日閲覧。
- ^ ふるさと世界の昆虫館/ハローナビしずおか 静岡県観光情報. 2022年5月19日閲覧
- ^ 昆虫採集記. 2022年5月19日閲覧
- ^ 谷汲昆虫館 | 揖斐川町ホームページ. 2022年5月19日閲覧
- ^ a b c d e f “関西の昆虫館6選。カブトムシやクワガタ、蝶とのふれあいや、標本なども見ごたえ十分”. るるぶKids (2021年7月29日). 2022年5月22日閲覧。
- ^ 佐用町昆虫館 - 作用町観光協会. 2022年5月19日閲覧
- ^ 赤松の郷 昆虫文化館 | 上郡町観光協会. 2022年5月19日閲覧
- ^ たつのみんなの昆虫館 - 【公式】兵庫県たつの市の観光サイト. 2022年5月19日閲覧
- ^ 倉敷昆虫館|観光スポット | 岡山観光WEB【公式】. 2022年5月19日閲覧
- ^ 日本の虫旅 2024, p. 196.
- ^ “北九州市ほたる館”. 北九州市ほたる館. 2022年6月7日閲覧。
- ^ a b c d “九州のおすすめ昆虫館。カブトムシに1年中会えたり、日本最大級の蝶の観察ができる!”. るるぶKids (2021年7月30日). 2022年5月22日閲覧。
- ^ 直川憩の森公園 昆虫館 | 観光スポット | 佐伯市観光ナビ. 2022年5月19日閲覧
- ^ a b 日本の虫旅 2024, p. 228.
- ^ 与那国観光WEB » アヤミハビル館. 2022年5月19日閲覧
- ^ “旧兵庫県昆虫館と館の廃止まで”. 佐用町昆虫館 (2008年3月14日). 2023年5月2日閲覧。
- ^ “円山動物園の歴史”. 札幌市円山動物園 (2021年6月11日). 2023年11月14日閲覧。
- ^ “ヒメハルゼミなど珍種の標本も 小田原で昆虫展”. 神奈川新聞 (2014年8月21日). 2022年5月21日閲覧。
- ^ “== 越生町 昆虫と自然の館 ==”. 越生町 昆虫と自然の館. 2023年11月14日閲覧。
- ^ “青森)ウェスパ椿山、10月終了へ コロナで売り上げ減”. 朝日新聞 (2020年6月6日). 2023年7月11日閲覧。
- ^ 琉宮城蝶々園【閉園】 | 沖縄観光情報WEBサイト おきなわ物語. 2022年5月19日閲覧
参考文献
- 矢島稔『謎とき昆虫ノート』NHK出版〈NHKライブラリー〉、2003年6月15日。ISBN 414084163X。
- 全国昆虫施設連絡協議会『昆虫館はスゴイ! - 昆虫館スタッフの内緒話』repicbook、2021年。ISBN 978-4908154317。
- 地球の歩き方編集室 編『日本の虫旅 日本全国の昆虫スポットを親子で旅する』Gakken、2024年7月9日。ISBN 978-4058022146。
関連文献
- 矢島稔『日本の昆虫館 - 戦前と戦後のあゆみ』東海大学出版会、2012年。ISBN 978-4486019138。
関連項目
昆虫館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 23:15 UTC 版)
現在、老朽化のため、夏休みのイベントの時だけ使用しています。毎年7月から9月までの夏休み特別イベント「世界の昆虫展 」を開催している。
※この「昆虫館」の解説は、「草津熱帯圏」の解説の一部です。
「昆虫館」を含む「草津熱帯圏」の記事については、「草津熱帯圏」の概要を参照ください。
- 昆虫館のページへのリンク