戦況の悪化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 12:25 UTC 版)
戦況が悪化すると、関東軍の主力は南方へ転戦する。そのためにソ連国境の兵員が不足するがこれを補うために、戦争末期になると開拓団の男性が現地召集され、開拓団に残るのは多くの女性と子供、そして兵士になれない老人・病人ばかりとなった。そのため女性たちが開拓団の庶務・経理から、小銃を持っての歩哨まで担うことになる。 1945年になるとソ連の満洲侵攻が危惧され始める。関東軍らは邦人の避難対策に心配がないと喧伝していたが、その一方で1945年5月に大本営は「京図線以南・連京線以東」の要域まで引き下がって持久戦を画策するよう指示し、関東軍は事実上満洲を放棄している。これにより大半の開拓団は防衛圏外に置かれたがこの事実は知らされず、またソ連侵攻の予測情報を機密を盾に伝達することもなかった。開拓団に避難誘導が行われなかったのは、移民の引き上げがソ連を刺激することを危惧したためとされるが、その一方で関東軍の将校や満洲国政府高官らは自らの家族を避難させていた。 8月9日にソ連の侵攻が始まってからは、軍は橋などの拠点を爆破するなどして、開拓団を現地に置き去りにして時間稼ぎをした。またソ連の侵攻と同時に、かつて強制移住させられた旧住民らが暴徒化し、開拓団を襲撃するようになる。
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