形容詞的小辞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/17 13:58 UTC 版)
先述の通り、名詞のクラスごとに対応する形容詞的小辞(英: adjectival particle)が存在し、湯川 (1992) はその機能を日本語で「B の A」という場合の「の」にあたるものであるとしている。ただし、厳密には名詞の量や質に関する性質を限定するものであり、英語でいえば of にあたるものである。はっきりとした現在の所有関係を表す場合には形容詞的小辞に -mbë を組み合わせたものを、また過去の所有関係を表す場合には小辞に -liki を組み合わせたものをそれぞれ用いる。また、ボバンギ語における語順は日本語とは異なり、「A、形容詞的小辞、B」の順となる。 例: mwanā ô mwenē〈女の子〉(女性である子供、「女の子」) : mwanā ômbë mwenē〈女性の子供〉(女性の娘あるいは息子) mwasi ô mōndele〈白人である妻〉 : mwasi ômbë mōndele〈白人男性の奥さん〉 bīlāmba bimbë mōndele〈白人の(ものである)いくつかの布〉 : bīlāmba biliki mōndele〈白人のものであったいくつかの布〉 ölāmba ê zenī 〈美しい布〉(逐語訳: 「美の布」) なお、ボバンギ語を中核として成立したと考えられるリンガラ語の口語では全般的に文法の簡略化が見られるが、この形容詞的小辞に相当する連結辞に関しては一律 na や ya となる。
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