夜郎自大
夜郎自大とは、自分の力量を知らずにいばっているさま、広い世界を知らずに自分の力を過大評価しているようなさま、もしくはそのような人物のこと。中国の故事に由来する故事成語である。「夜郎」は中国の漢の時代に小国を営んだ民族の名であり、「自大」は「自らを大とする」つまり大物ぶって尊大な態度を取るということである。
夜郎自大の語源
夜郎自大の語源は「史記」に記された逸話に求められる。夜郎の君主は、漢の使者と会った際に、自国と漢ではどちらが大国であるかと問うた、という話である。当時押しも押されもせぬ大国であった漢からすれば、夜郎などは取るに足らない辺境の一小国である。こうして夜郎自大は「身の程を知らず尊大ぶっているたわけ者」を意味する故事成語となった。夜郎は漢により平定された後、反乱を起こすも鎮圧されて滅んでいる。夜郎自大の類語・例文・英語
「夜郎自大」の類語・類似表現としては、「井の中の蛙大海を知らず」「唯我独尊」「用管窺天」などの表現が挙げられる。あるいは「自惚れる」とも言い換えられる。「夜郎自大」を使った例文。成績がクラスで一番になったぐらいで学年中に威張り散らすなんて、なんて夜郎自大なやつだ。この地区で最も速い球を投げることができるからと調子に乗っていたが、全国大会に出場して自分が夜郎自大だったことを思い知った。
夜郎自大に直接対応する英語表現は特にないが、たとえば big fish in a small pond(ちいさな池の大きな魚)という慣用表現で趣旨が言い表せる。どちらかといえば「井の中の蛙」に近い比喩表現であるが、「偉ぶっている小物」の喩えという点において夜郎自大に通じる言い回しである。
やろう‐じだい〔ヤラウ‐〕【夜郎自大】
夜郎
夜郎(やろう、拼音: )、または夜郎国とは、『史記』西南夷列伝に記述される前漢末期まで存在した小国(前523年-前27年)の名前。現代の貴州省もしくは雲南省あたりにあったと思われる。
概要
夜郎の中心地は現在の貴州省赫章県の可楽イ族ミャオ族郷であった。可楽遺址からは多くの夜郎時代の遺跡・遺物が発掘されている。
建国の時期は明らかにされていないが、考古学の研究により戦国時代には存在していたとするのが一般的である。また、夜郎に関する最後の記録は、前漢末期に漢の
『史記』では夜郎は当時の西南地区における最大の国家であり[3]、武帝が南越国討伐に唐蒙を派遣した際、その地で当時蜀郡(現在の四川省)で産出された
河平2年(前27年)、夜郎王・興は反漢の兵を起こすが、漢軍に撃破され興は斬首され、その直後に滅亡したと考えられている。滅亡後は郡県が設置され、宋代に至るまでしばしば夜郎県の名称が登場している。
脚注
関連項目
夜郎自大
夜郎自大と同じ種類の言葉
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