史資料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 21:25 UTC 版)
歴史地理学で用いられる史資料の一例を以下に示す。 地図・絵図 過去の景観を描いた古地図(絵図)は、歴史地理学がとりわけ関心を持ってきた資料である。古代律令制下で作成された班田図や中世の荘園絵図、近世に幕府が作成した国絵図など、時代ごとに多様な絵図が存在する。また、描かれるスケールも、世界図、日本図、都市図などさまざまである。明治以降に作成された地籍図は土地1筆ごとの形状や地目を示したものとして、景観復原をする上で有用である。そのほか、現代の地形図や空中写真も地割に残る過去の景観を見出す手段としてや、景観復原の際のベースマップとして用いることができる。近世の名所図会や近代に多く描かれた鳥瞰図は、より主観的な場所認識が現れたものとして活用される。 古文書・古記録 歴史地理学では、歴史学で扱われるような古文書・古記録も資料として用いる。検注帳・検地帳・名寄帳といった台帳類や、地誌書、名所案内記、旅行記など直接的に土地・場所について記述されたものに加え、地方書・農書、江戸幕府文書、大名文書、宗旨人別帳、日記類なども用いる。 統計類 近代以降の研究では、統計類も用いられる。主要な統計を列挙すると、統計年鑑、府県統計書、国勢調査、日本地誌提要、共武政表・徴発物件一覧表、地方行政区画便覧、府県物産表、全国農産表、全国工場統計表などがある。 その他 歴史地理学では、主に考古学が扱ってきた考古資料を用いることもある。また、過去の自然環境を扱う分野では、ボーリング資料、花粉、放射性炭素、プラント・オパールなども用いられる。そのほか、対象地に残る建築物や石造物といった景観要素の分析や、聞き取り調査なども行われる。
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