取得時効の要件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 15:32 UTC 版)
「取得時効 (日本法)」の記事における「取得時効の要件」の解説
取得時効には以下の要件が必要となる。 所有の意思をもった占有であること(自主占有) 「所有の意思」とは、「所有者らしく振る舞うこと」であり、所有の意思をもって行う占有を自主占有という。これに対して賃借人などは家などの目的物を「自分の所有物」として占有しているわけではない。これを他主占有という。 平穏・公然とした占有であること 他人の物であること条文上「他人の物」となっているが、自分の物であることを立証するために取得時効を主張をすることは許される。また、162条について、改正前は「他人の不動産」となっていたが、不動産である必要もないと解されていた。 公共用財産の時効取得については後述。 占有の態様に応じて要求される一定の期間にわたり占有が継続すること占有を始めたときに、それが他人の財産権であると知り、または知らないことについて過失がある場合(悪意・有過失の場合)には20年、そうとは知らず、知らないことについて過失がないならば(善意・無過失の場合)10年となる。ここにいう善意とは、積極的に自己に権利があると信じたことをいい、単なる不知では足りないとされている。また、無過失とは、そのように信じたことについて過失(不注意)がないことをいう。 占有は一定期間にわたり継続しなければならない。占有者が任意にその占有を中止したり、他人によってその占有を奪われたときには時効は中断する(民法164条)。 これを自然中断という。 これらの要件を満たした上で、時効を援用すれば、取得時効が成立する。
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