医療体制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 05:04 UTC 版)
医師2名が派遣されている。医師は一般公募制で女医の就任事例も少なくない。書類選考、面接で選考されるが、競争倍率は公表されない。凍傷や骨折を含む外傷治療が中心であるが、虫垂切除術が行われたこともある。出産に関する設備はなく、南極観測船が日本に向けて出発する前に女性越冬隊員に対しては妊娠検査が義務づけられる。 医務室の対応能力としては二次救急相当の機能であり、心筋梗塞や脳出血といった三次救急相当の能力はない。また他国基地への移送も雪上車で1か月程度かかり現実的ではないため、隊員は非常時の対応について強い制約がある旨を了承する誓約書の提出を求められる。 医師のみならず、一般隊員に対してもギプス固定や縫合のレクチャーが行われ、一般隊員が医療行為を行うこともある。これは、内陸のドームふじ基地への遠征観測(1か月前後かかる)には医師1名が同行し、その間は基地内に医師1名の体制となるほか、医師も重機の操作や観測機器の設営など日常的に屋外業務を行っており、常に建物内に医師がいる状態ではないためである。2名のうち1名は外科医・救急科医が就任することが多い。また、過去の着任医師には産婦人科医や泌尿器科医もおり、専門は多岐にわたっている。医師は歯科治療も担当するが、齲歯に対する抜歯処置が中心で、出国前に抜歯を中心としたレクチャーを受ける。
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