化学処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 03:46 UTC 版)
最初に、使用済み核燃料を濃度7 mol dm−3の硝酸に溶解させる。微細な未溶解物はエマルション化の原因となり溶媒抽出操作を妨げるため取り除く。 炭化水素系溶媒(一般にはドデカンが使われる)に30%のリン酸トリブチル(TBP)を溶かしたものを溶解液に加えると、ウランおよびプルトニウムはTBPとの間で錯体を形成して有機相に抽出される。一方、核分裂生成物や超ウラン元素のうちアメリシウムとキュリウムは水相に残るため、有機相のみを取り出せばウランとプルトニウムが分離できる。可溶性の有機ウラン錯体の性質はさまざまな研究の対象となってきたことから、硝酸ウラニルとリン酸トリアルキルおよびホスフィンオキシドから生じる錯体群の特性はよく知られたところとなっている。 さらに、前述の操作で分離した有機相に硝酸ヒドロキシルアンモニウムなどの還元剤の水溶液を接触させると、プルトニウムが選択的に有機溶媒に不溶な+3価に還元されて水相に逆抽出できる。一方、ウランはプルトニウムを抽出した後の有機相に水または希硝酸(0.2 mol dm−3程度)を加えて逆抽出することで分離する。 ウランとプルトニウムの分配法としては以下のものが開発されている。 スルファミン酸第一鉄 Fe(SO3NH2)2 :イギリス 硝酸ウラナス-硝酸ヒドラジン混合液 U(NO3)4 - N2H5NO3 : 日本、フランス 硝酸ヒドロキシルアンモニウム(HAN)- 硝酸ヒドラジン混合液 NH3OHNO3 –N2H5NO3 : 日本、フランス in situ 電解還元法 : ドイツ、日本 酸分配法 : アメリカ、イギリス、日本
※この「化学処理」の解説は、「PUREX法」の解説の一部です。
「化学処理」を含む「PUREX法」の記事については、「PUREX法」の概要を参照ください。
「化学処理」の例文・使い方・用例・文例
- 化学処理のページへのリンク