フィッティング(Fitting)
フィッティング
フィッティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 21:48 UTC 版)
眼鏡フレームを使用者に合わせて調整することを、日本では「フィッティング」という。英語圏で眼鏡の「フィッティング(fitting)」といえばフレーム調整よりも顔に合った眼鏡フレームを選択することに主眼があり、日本語でいうフィッティングはむしろ「アジャストメント(adjustment)」というが、ここでは日本語でいうフィッティング、つまり英語の「アジャストメント」について述べる。 フィッティングは、次の三つの要素を満たすべく行われる。 光学的要素光学的要素とは、レンズを正しい位置に、適切な頂間距離、前傾角で固定することである。これを満たしていないと、検査結果のとおりの見え方にならなかったり、不要なプリズムにより頭痛や眼精疲労を生じたりする。 力学的要素力学的要素とは、眼鏡がずり落ちたり側頭部が痛くなったりせず、快適にかけ続けられることである。 美的要素美的要素とは、見た目に美しく、顔に調和していることである。 フィッティングは、三要素をバランスよく満たすことを念頭に置いて行うべきである。いずれかの要素ばかり気にして、他の要素を無視するようでは良くない。 眼鏡店にあるどのフレームを選んでもフィッティングさえすれば三要素を満たすことができるわけではない。使用者の顔に合わないフレームを選んでは、どうフィッティングをしても三要素を満たすことができない。フレーム選択の段階からフィッティングが始まっているとも言われ、先にも述べたが、英語で眼鏡のフィッティングといえばむしろフレーム選択のことである。前述の鼻眼鏡は、少なくとも流行していた当時には美的に優れたものと見なされていたが、光学的にはレンズが斜めになりやすい問題点があり、力学的にも顔つきによっては掛けることが不可能であることが当時から分かっていた。弾力ある素材で作られたフレームは、なるほど力学的要素を満たしやすいが、光学的要素には疑問が残る。弾力があり曲げても元に戻るとは、逆にいえば意図的に曲げようとしても曲げられないことでもあるので、レンズが正しい位置に来ていなくてもフレームを曲げて修正することができないからである。 フレームの種類によっては、フィッティングに制限のあるものや、ほとんどフィッティングのできないものもある。そのようなフレームでは、眼鏡デザインではなくフレーム選択が特に重要であり、フィッティングするまでもなく、初めから三要素を満たすものを選ばなくてはならない。 なお、オーダーメイドやセミオーダーメイドのフレームもあり、オーダーメイドは顔の輪郭のデータを測定して、その人にフィットするように納品され、セミオーダーメイドはパーツの組み合わせで見た目が顔に調和するように最適なパーツを組み合わせて納品される(その為のサンプルフレームも展示されている)。いずれにせよ少数生産になる為コスト高になる。また、オーダーメイドフレームの場合は第三者に譲渡した場合は顔の輪郭が合わずにフィットしない事もある。
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