ネスラー‐しやく【ネスラー試薬】
ネスラー試薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/20 08:07 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動テトラヨード水銀(II)酸カリウム | |
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別称 ネスラー試薬 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 7783-33-7 |
国連/北米番号 | |
特性 | |
化学式 | K2HgI4 |
モル質量 | 786.4 g/mol |
密度 | 1.16 g/cm3 |
融点 |
120-127 °C, 266 K, -77 °F |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | [1] |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | ヨウ化水銀(II) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ネスラー試薬(ネスラーしやく、英: Nessler's reagent)は、微量のアンモニアを検出するために用いられる試薬である。 CAS登録番号は7783-33-7。
1856年にドイツの農芸化学者・ユリウス・ネスラーにより発見された。
性質
- ヨウ化水銀(II)水溶液と、ヨウ化カリウム水溶液の混合物。
- 水酸化カリウムも含むため、強塩基(強アルカリ)を示す
- 淡い黄色の液体。無臭。揮発性は無い。
- 不燃性。
- 試料(水溶液)に滴下して振り混ぜると、アンモニアを含む場合は反応し、褐色の沈殿 NHg2I を生じる[1]。
感度
試料に存在する微量のアンモニアに反応する。その感度は試料2 μL中、約0.3 μg NH3である。
毒性
水銀を含んでおり、人体、生物、環境に対して有毒である。
最近の傾向
- かつての水質検査では定番の試薬であり、また理科の実験にも用いられていたが、その毒性や環境汚染への懸念からネスラー試薬は使われなくなりつつある。
- 厳密さを求めるような場合を除き、試料中のアンモニア(アンモニウムイオン)の検出、定量化は、共存する亜硝酸イオンや硝酸イオンの検出、定量化によって間接的に推定する方法が主流である。また、塩化水素を近づけて、塩化アンモニウムの白煙によりアンモニアの検出を行う方法もある。
脚注
関連項目
ネスラー試薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/18 07:12 UTC 版)
「テトラヨージド水銀(II)酸カリウム」の記事における「ネスラー試薬」の解説
この名前はユリウス・ネスラーにちなみ、アンモニアを含む試料に滴下すると黄色に呈色する。より高い濃度では褐色の沈殿が生じる。スポットテストとしての感度は、試料2 μL中アンモニア約0.3 μgである[要出典]。 NH 4 + + 2 [ HgI 4 ] 2 − + 4 OH − ⟶ HgO ⋅ Hg ( NH 2 ) I + 7 I − + 3 H 2 O {\displaystyle {\ce {{NH4^{+}}+{2[HgI4]^{2-}}+4OH^{-}->HgO\cdot {Hg(NH2)I}+{7I^{-}}+3H2O}}} ネスラー試薬は一般に、ヨウ化カリウムと塩化水銀(II)から調製される。濃ヨウ化カリウム水溶液に、ヨウ化水銀(II)の沈殿が溶け残るまで熱濃塩化水銀(II)水溶液を加える。その後ろ過し、水酸化カリウムと少量の塩化水銀(II)水溶液を加える。得られた溶液を冷却した後、必要な濃度に希釈する。ネスラー試薬はネスラー管で使われることもある。
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