イエバエ
イエバエ(雌成虫)
イエバエ(雌成虫)
- イエバエ Musca domestica LINNE
- ヒメイエバエ Fannia canicularis (LINNE)
- ニクバエ類 Sarcophagidae
- クロバエ類 Calliphorini
- キンバエ類 Lucilini
ハエ類は、サルモネラや赤痢菌、赤痢アメーバや各種の寄生虫、およびポリオウイルス(小児麻痺)を伝播することが知られ、衛生上、極めて重要な害虫である。特にイエバエは病原性大腸菌0-157を媒介することが知られている。
畜舎や鶏舎の敷き藁や糞、堆肥、塵芥が発生源となり、ゴミ処分場などから大量発生することもある。成虫の寿命は約1ヶ月で、その間50~150個の卵塊を4,5回産卵する。卵期間は0.5~1日、幼虫期間は約7日、蛹期間は約4日で、産卵から成虫羽化までおよそ12日間。成虫で越冬し、春~晩秋まで発生を繰り返すが、盛夏にやや減少して2山型の発生パターンを示す。
卵を産み付けられた生ゴミや食べ物は速やかに捨てる。腐った臭いや生臭い臭いに非常に敏感なので、これらの臭いが出るものは速やかに廃棄するか臭いが出ない状態にする。食べ物の残り物を部屋や台所に放置しない。
家蠅
イエバエ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/22 18:10 UTC 版)
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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イエバエ(家蠅、Musca domestica)はイエバエ科に属すハエの一種。世界に広く分布し、名の通り人家に多く発生し、ヒトが暮らす多くの場所で最も目に付くハエの1つである。ヒトの排泄物や腐った食物などを好み、多くの感染症を媒介する。
形態
体長は4~9mm程度[1]、開張は13~15mm程度。メスは特に大きさが多様であり、高緯度になるに従い大型化する傾向がみられる[2]。 他のイエバエ類と同様、オスは頭部中央部で複眼が相接するが、メスでは明瞭に分離する。全体に灰色で、胸部背面に黒色帯を4条具える。腹部は基部両脇が淡褐色で、背面には1本の黒条が縦走する。
生態
成虫の寿命は約1か月で、50~150個の卵塊を4~5回産む。卵期間は0.5~1日、幼虫期間は約7日、蛹期間は約4日で、産卵から成虫が羽化するまでおよそ12日間を要する。成虫で越冬し、条件が揃えば年に何度も発生を繰り返す。生ごみや家畜の糞を好む。近年は畜産施設やゴミ処理場で発生することがある[3][4]。
分布
おそらく世界で最も広範囲へ拡散した昆虫種の一つであり、人が生活している場所であれば、ほぼどの地域にもみられる[5]。
被害
病原性大腸菌O-157を媒介することが知られる[3]。
利用
有機ゴミを分解して動物性タンパク質を生成する効率に優れていることから、旧ソ連では火星の有人探査にあたって乗組員の糞便の処理と食糧確保のためにイエバエを用いる計画が存在していた。現在は、飼育に適応した系統を引き継ぎ、福岡県の企業が養殖事業を手掛けている[6]。
脚注
- ^ 『日本の昆虫1400 2 トンボ・コウチュウ・ハチ』槐真史、伊丹市昆虫館監修、文一総合出版〈ポケット図鑑〉、2013年、313頁。ISBN 978-4-8299-8303-4。
- ^ Alves, Sueli María; Bélo, Muracy (August 2002). “Morphometric variations in the housefly, Musca domestica (L.) with latitude”. Genetica 115 (3): 243–251. doi:10.1023/a:1020685727460. ISSN 0016-6707. PMID 12440563.
- ^ a b “イエバエ Musca domestica LINNE. どんな虫にお困りですか?”. 2019年11月21日閲覧。
- ^ 志村隆, ed (2005). 日本産幼虫図鑑. 学習研究社.
- ^ Hewitt, C. Gordon (2011). The House-Fly: Musca Domestica Linn: Its Structure, Habits, Development, Relation to Disease and Control. Cambridge University Press. pp. 5–6. ISBN 978-0-521-23299-9 .
- ^ “MUSCAホームページ”. 2019年11月21日閲覧。
外部リンク
- ウィキメディア・コモンズには、イエバエに関するメディアがあります。
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