「冠詞」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 02:25 UTC 版)
Kuipers (1974:57) では冠詞とも称される5種類の前接的不変化詞(英: proclitic particles)に触れられているが、これは絶対格(英: absolutive)と関係格(英: relative)、定(英: actual-determinate)と不定(英: hypothetical indeterminate)で形が異なり、更には絶対格の定のうち現存(英: present)と不在(英: absent)との間にも区別が認められる。 シュスワプ語の「冠詞」定不定現存不在絶対格γ l k 関係格t / t̓ tk / t̓k(まれに tkeʔ) なお、Lai (1998a:132) は Kuipers (1974) からの引用として上表とほぼ同じ構造のものを掲載しているが、パラダイムの呼び名は「限定詞」(英: determiner)としており、更に絶対格は「直接」(英: direct)、関係格は「斜格」(英: oblique)と呼びかえている上、不定に属する2種類には新たに「非現実」(英: irrealis)という属性も付与している。 また、Kuipers (1974) より後に発表されたシュスワプ語研究のグロスにおいては、絶対格の γ や l は Gardiner (1998) や Lai (1998a)(γ に該当するものは re 表記)で「限定詞」、また関係格 t に該当するものは Gardiner (1998) で tə、Lai (1998a) で te 表記と揺れは見られるもののいずれにおいても「斜格」として扱われている。 2種類の格の詳細については#格を、一部冠詞の用法については#否定を参照されたい。 セイリッシュ諸語においては、述語となる要素は基本的に冠詞はとらない。
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