「ミニ本」の出版サーヴィス「Scout Books」が人気

ウェブベースの技術の最良の部分と従来の印刷法を組み合わせて、自分だけの小さな本を出版できるサーヴィス「Scout Books」が人気を集めている。
「ミニ本」の出版サーヴィス「Scout Books」が人気

アラバマ州グリーンズボロにある小さなパイの店「Pielab」は、Scout Booksを使って、同店が提供するパイの作り方等を説明する小さなガイドブックを作成している。

出版はしたいけれども、長い小説を書くのは大変だって? ピンボール・パブリッシング社が、ぴったりのソリューションを提供しているかもしれない。

同社は、ウェブベースの技術の最良の部分と従来の印刷法を組み合わせて、自分だけの小さな本を出版できるサーヴィス を提供している。本の内容は、特注のスケッチブックから個人用のレシピ・コレクションまで、どんなものでもOKだ。同社のヒット商品である、この32ページの特注の小冊子は、すでに100万種類が発行された という。

「Scout Books」の大きさは約8.9×12.7cmで、黒インクで印刷される。表紙は半硬質のカード用紙で、1色または2色で印刷できる。

発注者は各ページの内容を自分で指定して本を発行することもできるし、定型の冊子に独自のカバーを付けて、特製の日記帳を作ることもできる。

Scout Booksのパンフレットは、正しい投票のガイドブックを作るKickstarterプロジェクトにも利用された。

10年前にオレゴン州ポートランドでピンボール・パブリッシング社を設立したローラ・ホイップルによれば、同社は最初は名刺やポスターなどを印刷していたが、デジタルメディアの拡大に伴って、印刷における経験をオンライン・コミュニケーションと結びつける印刷フォーマットとしてScout Booksを開始したという。

「われわれの目標は、永続する品質と便利さを備えたリアルな物品によって、デジタルの世界を拡大することだ」とホイップル氏は語る。「オンラインの世界で過ごせば過ごすほど、実際の物に触れたいという欲求は大きくなる。それに、印刷物は美しいものになりうる。それは無視できない魅力だ」

「Scout Booksの印刷と製本には、すべて米国製の100%再生紙と大豆系インクが使用されている。これらの本は、世界中の友人や顧客に発送されている」とホイップル氏は説明する。

3年前に開始されたScout Booksは、作家志望の人や企業などにさまざまな方法で利用されてきた。Pinball Publishing社のサイトでは、これらの利用法を紹介している。以下、それらのいくつかを紹介しよう。

Threadless社のスケッチブック。

デザインをクラウドソース的に募集するTシャツメーカーの大手スレッドレス社では、最も人気のあるデザインのいくつかをスケッチブックのカバーに再利用。新しいデザインをスケッチするパレットとしてコミュニティー・メンバーに提供している。

サンフランシスコで開催されたフードフェスティバル「La Cocina」で、主催者たちは、訪れた人たちに配る「パスポート」を作成。周辺の案内と味のメモに使用してもらえるようにした。

Pocket Wires社のワイヤーフレームツール。

新興のデザイン会社、ポケット・ワイヤーズ社は、外出先でもiPhoneアプリのアイデアをスケッチできるように、ポケットサイズのワイヤーフレームツールを作成して5ドルで販売。第2の財源にしている。

TEXT BY JOSEPH FLAHERTY
PHOTOS BY PINBALL PUBLISHING
TRANSLATION BY ガリレオ -天野美保

WIRED NEWS 原文(English)