「偽アップル製品」の傑作9選

アップルにインスパイアされた製品は、電子製品にとどまらない。アイスキャンディやガスグリル、さらに「スティーブ・ジョブズ」等も含めた、ニセ製品のギャラリー。
「偽アップル製品」の傑作9選
IMAGES BY ARIEL ZAMBELICH/WIRED

Apple社は、海賊版を作るメーカー各社に、気前のよい贈り物を3つも与えている。印象的なデザイン言語、複製が容易なロゴ、そして、最高にお金になるブランド・アイデンティティーだ。

こうした贈り物のおかげで、Apple社の成功をコピーしたがる海賊版メーカーたちは後を絶たないが、彼らがエレガントな偽物を作り出すことは稀だ。実際は逆に、Apple社製品とはまったく思えないような製品を作っている。

われわれが集めてきた例を見てほしい。どれもほんとうにファンタスティックだ。素材の質や細部だけが劣った模造製品の販売という世界はある。ルイ・ヴィトンやグッチの偽物はこれにあたる。一方、そもそもApple社が作らないような偽物の販売は、これとはまったく違う世界だ。

「iPhone」を考えてみよう。中国で購入されたこの製品は、SDカードのスロットを備えている。iPhoneは、取り外し可能なストレージへの対応の仕方で有名なのだが。

長方形のタッチスクリーンの下には、ボタンが3個並んでいる。真ん中がホームボタンで、ボタン「1」と「2」が脇を固める。側面には小さな電源ボタンが、その反対側にはプラスティックの音量ボタンがある。裏を見ると、円形のスピーカー・グリルに挟まれ、カメラが真ん中にきている。

最初に起動したときには、ガラスが割れるような異音が生じ、パワーダウンさせるまで続いた。エンジニアリングの品質を示すサインだ。

2012年初め、『Taiwanese TV』で放映されるCMに、スティーブ・ジョブズの奇抜な偽者が登場。その悪趣味なパフォーマンスに世界が困惑した。

Action Electronics社のCMだ。ジョブズ氏のトレードマークである黒のタートルネックとジーンズを身にまとった俳優は、さらに銀色の天使の翼を着けている。そして、『Action Pad』という名の『Android』タブレットを宣伝する。

「われわれはジョブズ氏を賞賛している。このCMは同氏をからかっているものではない」と、Action Electronics社はPCWorldに語っている。


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[『WIRED』はいかにスティーブ・ジョブズを伝えたか 古今無双のヴィジョナリーにして天下無敵の“サノバビッチ”、スティーブ・ジョブズの波乱と矛盾に満ちた生涯を描き、全米ですでに話題の伝記映画『JOBS』。その公開を記念して、US版『WIRED』、さらには小林弘人編集長時代の旧・日本版『WIRED』のアーカイヴから、選りすぐりの「アップル」関連記事を一冊に凝縮。没後2年。「アップル/ジョブズ」を常に同時代でウォッチしてきた『WIRED』が贈る「ジョブズ本」の決定版。](http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00EZ2JQR2/condenetjp-22)



TEXT BY CHRISTINA BONNINGTON

IMAGES BY ARIEL ZAMBELICH/WIRED

TRANSLATION BY RYO OGATA/GALILEO