ガザで「光」を見たイラク人10年ぶりの救出劇 ユダヤ教の「ハヌカ」を期に振り返る苦難の物語

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クリスマスと同時期に、ユダヤ教には「ハヌカ」という祭りがあります。別名、光の祭典と呼ばれていますが、パレスチナ・ガザで光をみた女性がいる(写真・Drazen Zigic)

12月25日は誰もが知るクリスマス。キリスト教徒がイエスの生誕を祝う日だが、ユダヤ教には同時期に「ハヌカ」という祭りがある。

ユダヤの祭日はユダヤ暦(太陰太陽暦)に従うため西暦とのズレが生じるが、2024年のハヌカ祭は12月25日の夕方から始まり、翌2025年1月2日まで8日間続く。

イエスの時代からあったハヌカ祭

イエスが生きた時代(紀元1世紀頃)、すでにハヌカ祭が祝われていたことが、新約聖書の「ヨハネによる福音書」に記されている(10章22節)。「宮きよめの祭り」「神殿奉献記念祭」などと訳されているのがそれである。

ハヌカ祭は紀元前2世紀、ギリシアの支配下にあったユダヤ人がヘレニズム文化を駆逐したことに因んでいる。セレウコス朝シリアの王アンティオコス4世エピファネスは、エルサレムのユダヤ神殿を汚し、異教の習慣を押しつけ、ユダヤ教の戒律を禁じた。

これに抵抗して、ユダヤ人祭司の家系であるハスモン家の人々が立ち上がり、反乱を起こした。マカバイ戦争(紀元前168~141年)と呼ばれている。

ちなみに、表彰式の定番曲であるヘンデル作曲の「見よ、勇者は帰る」は、このマカバイ戦争がモチーフとなっている。

ユダヤ人が神殿を奪還したとき、1日分の油しか残されていなかったが、燭台が8日間燃え続けたという逸話がユダヤの聖典『タルムード』に残されている。それで今もハヌカ祭は8日間祝われる。「ハヌキヤ」と呼ばれる9枝の燭台に、初日は2本、2日目は3本と増やしていき、最終日には9本すべてに点火される。

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