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植田日銀「金利正常化」に向けて問われる"対話力" 世界の利上げの波に乗り遅れ、見直される政策

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スムーズな利上げとBSの見直し。植田総裁の戦略、戦術が試される。

会見する日銀の植田総裁
日本銀行の植田和男総裁は市場との対話がより重要になる(撮影:尾形文繁)

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日本銀行が17年ぶりに利上げを実施。「金利のある世界」が復活した。本特集では、金利上昇がもたらす企業や経済、生活への影響を分析。金利に関する“キホンのキ”も詳細に解説している。

中央銀行は通常「通貨価値の安定」を目指し、ダイナミックに変動する経済情勢に対しパッシブ(受動的)に行動する。

が、黒田東彦・前日本銀行総裁の「異次元緩和」はインフレ率を高い目標値(2%)に向けて、アクティブ(能動的)に押し上げることを目指した。それが金融市場にさまざまな歪みももたらし、そのレガシー(遺産)を継いで2023年4月に就任したのが、植田和男総裁だ。

”レガシー”の手仕舞いを迫られる

新たに政策運営を開始した植田総裁にとって目に見えるレガシーで最大のものは、資産買い入れで巨大化した日銀のバランスシート(BS、下図)と、従来の中央銀行ならやらなかった「長短金利操作」(イールドカーブ・コントロール、YCC)という、特殊な政策スキームだ。これらをいかにスムーズに手仕舞うかが植田総裁の直面した大きな課題だった。

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