材料技術のシーズとニーズを結ぶテーマサイト「ナノテク・新素材」で2006年に人気のあった記事ランキングを出してみた。

▼ 2006年「ナノテク・新素材」記事ランキング

順位記事タイトル日付
1インクジェットでSi TFTを形成,セイコーエプソンとJSRが液体材料によるSi薄膜の形成に成功4月6日
2「浮き出すディスプレイも作れます」,情報通信研究機構などが立体映像技術をデモ11月29日
3LEDより高効率な「発光真空管」,米ベンチャーが表面プラズモンで実現5月18日
4日産自動車,水素フリーDLCコーティングによる摩擦低減技術を開発3月15日
5NTTが世界最短波長の紫外線LEDを開発,ダイオキシンの分解などに利用へ5月18日
6屈折率2.1のレンズ材料や透明セラミックスが登場,レンズ設計・製造展などから4月24日
7「釣れる効果は約4.4倍」,アルバックとタイゴールドがポリイミド膜で覆ったルアーを発売9月11日
81万回以上書き換え可能なホログラフィック・メモリ,産総研が開発7月14日
9産総研,カーボンナノチューブの金属と半導体を分離する手法を考案2月17日
10100Tビット/cm2を可能に,IBMが原子単位でのビット記録の基礎技術を実証3月31日

(集計期間:2006年1月1日~12月21日)

 1位に輝いた記事は,インクジェットで液体材料の微細な液滴を噴射することで,着弾した位置にSi(シリコン)の薄膜を形成,TFT(薄膜トランジスタ)にしたということを報道したもの。有機系材料でトランジスタを形成した例はあったが,Siで,しかも電子移動度もかなり高い状態で形成できたことが読者の注目を集めたようだ。

 新材料や新製法が出てくると,それまでは考えられなかったような大きな変革を周辺技術に及ぼすことが多い。今回のランキングでも,そうした幅広い応用が見込めそうな将来技術に人気が集まった格好といえよう。