Si基板などの上に電子回路だけでなく微細な機械的な構造も作り込む---こうしたMEMS(micro electro mechanical system)と呼ばれるデバイスが今,急速に発展しつつある。MEMS関連の情報を統一的に伝えていくテーマサイト「MEMS International」で,2006年に注目された記事を見ていく。

▼ 2006年「MEMS International」記事ランキング

順位記事タイトル日付
1MEMSで水晶発振器を代替するデバイス,2006年秋に量産へ4月25日
2【APCOT】フレキシブルな大型ディスプレイ技術,東大が開発6月29日
3【APCOT】MEMSによるマイクロ原子力電池,体内への埋め込み狙う6月29日
4ワコーの加速度センサー特許,特許庁が無効審決6月30日
5【FTF2006】加速度センサーの新応用例(1),自動車のバックライト7月27日
6ソニー,MEMSプロジェクタの低コスト・高画質化技術1月25日
7オムロン,MEMSの医療分野への応用例を紹介9月4日
81ミラー方式の走査型プロジェクタ,MEMS使わず安価で高速に1月24日
9MEMSチップで化学薬品の大量合成が可能に,日立が反応システムを開発3月27日
10「MEMS+ポリマー」でモバイル狙う,新プロジェクタ技術が登場3月29日

(集計期間:2006年1月1日~12月21日)

 MEMSが産業的に発展したのはまず加速度センサをはじめとする分野だが,現在,水晶発振器をSi系MEMSデバイスで代替する,ディスプレイ関連の素子に応用する,医療系・バイオ系に応用するといったさまざまな横展開が期待され,一部は既に応用段階に入っている。今回の記事ランキングは,こうした情勢を如実に反映したものになったといえるだろう。