『翼竜館の宝石商人』文庫と、百合AI短編「二つと十億のアラベスク」
Microsoft Edgeで編集しようとしたら、このブラウザではコピペができないとココログに言われ、Firefoxでヘン私有しようとしたら同じことを言われ、IEを立ち上げてます。ココログ! お前はまだ2020年代におらんのか!
気を取り直して、告知を二つお届けいたします。
まずは、『翼竜館の宝石商人』が文庫になりました。2018年にApple Japanが選ぶベストミステリに選出された作品。17世紀、洪水とペストの恐怖が迫るアムステルダムで、一人の宝石商人がペストらしき病で死ぬ。しかし数日後、彼は二重密室の中で、意識不明の状態で発見される。「生前」の証人が残した謎のメッセージ。姿を消した正体不明のペスト医師……。果たして彼は死んだのか? どうやって生き返ったのか……。超絶ミステリマニアの編集者に「このトリックは見たことがない」と言わしめた一品です。お楽しみいただけば幸いです。
文庫版解説は日下三蔵さんです。ネタバレはないので、解説を読んでから本編をお読みいただいても大丈夫です。
『翼竜館』の文庫とほぼ同時に、Kindleで短編が一つ発売になりました。以下、小品ページからコピペ。
近未来、AI技術は高度に発達し、人々は単純労働から解放されて「創造的な活動」に携わっている。国立音楽院ピアノ科の浅田唯(17歳)も、音楽の才能の開花だけに専念できる、悩みのない日々のはずだった。が、唯には一つだけ変わった悩みがある。それは芸術上の大問題なのか、それともつまらない「ヒマつぶし」なのか。唯は何とかしてAIインターフェイスの壁を突破して人間の行政機関に接触しようと試みる。そんな中で出会ったのは、清楚な女子高生風の上級インターフェイス「高瀬」だった。唯は高瀬と対峙するが……。
こちらはU-NEXTのオリジナルコンテンツとして書き下ろしたもので、ちょっと切なく、ちょっと百合なAISFです。最近SF周りは百合作品が多いので時流に乗っかった感はありますが、構想自体は10年ほど前からあり、百合トレンドができたからこそ発表に踏み切った作品です。私自身にも百合的な要素はあり、また、いろんな意味で「結ばれるはずのない二人」が「結ばれる」にはどうしたらいいんだろうということもわりと考えてしまう方なので、その「結ばれないものが結ばれる」ということの一つの形を追求してみました。
両方とももすでに販売は開始されています。ちよっとペストネタはアレですが(汗)、どちらも引きこもり娯楽のお供として楽しんでいただければ幸いです。
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