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ファタール

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この精神をじりじり犯して行くような作品は、癖になるかも知れません。
最後の方に向けて、どんどんエスタレートして行く呼吸困難さは何とも言い難く
て、「映画を観て良かった」と思わせてくれます。
スポーツエージェントのデリック・タイラー(演者:マイケル・イーリー)は、公私と
もに順調な生活を送っていました。ある日の夜、彼の家に謎の男が侵入します。
もみあいの結果、男を撃退できました。そして、事件の捜査に当たる刑事が来
ますが、その刑事が、数日前にデリックがナイトクラブで誘惑した女性 ヴァレリ
ー・クインラン(演者:マイケル・イーリー)だったのです。そこから、ストーリーは
デリックがヴァレリーの不思議な魔力に惹かれてゆくと言う内容です。
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話の持って行き方と言うか、巧妙に細工されたもののように、全てが計算上と
言ったようなストーリーにただただ感心するのみでした。
男性の俳優は、マイケル・イーリー。49歳。観た感じ、本当に、弱そうな、悪い
こと等できない良い人と言う印象を受けます。そこが、つけ入れられる原因で
も有ったと納得できる人選だったかと思います。
女優 ヒラリースワンクは、顔立ちは超派手です。48歳、アカデミー賞も取って
いるメジャーな方です。イケイケな刑事の感じや、私生活の行いを見ると、こ
の配役も完璧だと思わざるを得ないです。
デリックが、成功しているのが、黒人だと言うだけのようになっていますが、
ちょっと確かに本人の人相を見ると生活とのギャップが激しいです。こんな内
気な人が超デカい家など持てっこないと100人いたら100人ともそう思うと言え
ます。
そこが付け入る隙だったのか、ヴァレリー刑事と来たら、自分の子供の親権
を男側に取られたからと言って、使えるものは何でも使うと言った状況で、
物事を進める辺り、見ていてオカルト的です。なまじ刑事なだけに、抵抗も
出来そうも有りません。デリックに殺人の容疑が掛かっていると言っては、
彼の行動を誘導したり、今度は、直接的に、親権を持っている元旦那を殺
せだの、観ていて、腹立たしくも有りますが、この魔女は強敵ですね。そん
な感情など意に介せず、最後は、デリックを殺そうとして、全てを「正当防
衛」と言い切ると言う頭で描いた予定は、自分本位そのものです。人の弱
みを少しでも見せたら、そこにどんどん入って行き、自分の目的だけは確
実に実現すると言うんですから、魔女と言う代名詞しか思い浮かびません。
色んな映画を観て来ていますが、この手の権力を盾に自分の好きなよう
にする人って本当に多いです。その人が主役であったり、そういう人をどん
どん殺していくと言うような映画も有りますが、余りに、自分勝手な人が多
いです。特別、権力を持っている人自身も、自分は特別な人だから大丈夫
と言ったような気持ちになるのは、分からなくもありませんが、こうはなりた
くない(勿論なれるとは思っていませんが)。
本作品を観て、もっと真摯に自分を見直そうとか、自分の価値観とは違う
人を見て、自分を変えると言うことが、映画を通してできますので、僕は
そう言う人になりたいと思います。



評価点   82点
お薦め度  82点

2020年  102分  アメリカ製作

 
 
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