
久しぶりにデンゼル・ワシントンの出演映画が観たかった。本作品は、アクションが多くあるかと思いきや、
アクションは抑え目で人間模様が主でした。デンゼル・ワシントンが出たらこう言う内容になるだろうな
と言う典型的な内容でした。ボディーガードを雇ったのは、ハンナ・ダコタ・ファニング演じるピタと言う
女の子の親で、良いとこのお嬢様を見張ると言う役割が有りました。
ピタは、少しお茶目で、観察鋭いところやオマセさんなところが愛らしく、そんな彼女とボディーガードの
デンゼル・ワシントンを中心に物語は進んで行きます。
デンゼル・ワシントンは、クリーシー。クリーシーは、生きる希望を失っていて、酒浸りの生活を過ごして
いて、銃をこめかみに当てて自殺しようとするような世捨て人。そんなクリーシーが、友人の勧めで安い
とは言え、お金持ちの子のボディーガードの職に付きます。

どうしてか、僕は、デンゼル・ワシントンは敬虔なクリスチャンだと思っていたので、クリーシーが聖書を
読んでいたと作中で出てきた時は、「やっぱり」と思ったのですが、ボディーガードをしているときは、
その心情を外には出さずに、真面目な仕事ぶり。デンゼルワシントンってスーツが似合う黒人の役者さん
だと言う先入観が有ります。なので、どうしようもない生活を送っていたクリーシーがどうも本当はそんな
人じゃないんじゃないかなと言う思い半分、疑いながら見続けました。
ピタと言う女の子は、本当に良い子で、クリーシーの心を少しずつ癒して行きます。水泳が好きで、3位以内
に入ったことがないと言うので、クリーシーがコーチのように指導して、結果、大会で1位になるのを僕は
微笑ましく思いました。

そう言う面を持ちながら、クリーシーは、ピタがさらわれそうになった時はその素早さと言い、かつての
「殺人兵器のような」腕が凄かったのですが、その攻防に敗れて撃たれて倒れてしまいました。クリーシー
が撃った中に2名の評判の悪い警官が入っていたため、これから何をするのでも「警官殺し」と言うのが
付いて回ることになります。ピタはさらわれた後、身代金を要求されその受け渡しに失敗してしまって、
殺されてしまいます。クリーシーは、ピタの母親に、ピタを誘拐した連中やそれに関与した連中、どうしよう
もない連中を全員殺すと言って、それを実際にやって行きます。
ここからが、クリーシーの凄さが少しずつ分かって来ました。情報を探して、臭い連中をどんどん手際よく
殺して行きます。頭の良さがこと殺しに関しては出るんだと思います。
この作品で、「弾(たま)は真実を語る」と言うのは終始根底に流れる言葉で、クリーシーは、「俺達が
やったことを神は許すかな?」と言うのをいつも自問自答していたんだと思います。
最後、大どんでん返しがあり、それは、実はピタの父親がピタの誘拐を画策していたと言うことです。
本当は、父親が親から遺産を相続したのは嘘で多額の債務を相続していたと言うことでした。それは、
ピタの母親も知らず、クリーシーに詰められて白状したのですが、その後、クリーシーが置いていった
拳銃で自殺します。それは、かつてクリーシーが拳銃に弾を詰めて自殺を図ろうとしたけれど、弾が出なかった
時と同じ弾でした。僕は、クリーシーが自殺しようとした時は「あなたは自殺すべきではない」と言う神の
意志が働いたものが、マーク・アンソニー演じるピタの父親サムエル・ラモスの場合は、「赦されないこと」
と神に裁かれたんだと思いました。
悪玉の親分は、「ボイス」と呼ばれ、誰もその姿を見たことがないと言うのが、クリーシーが最後に到達した
犯人でした。その弟と「ボイス」の奥さんがいるところまで辿り着いて、クリーシーは、「ボイス」と交渉
しますが、その際、実はピタが生きていることをそこで知りました!そうなると「ボイス」はやはり家族は
大事なので、クリーシーの命をもらいピタを返す代わりに弟・奥さんを明け渡すと言う条件を突きつけられ
それを飲むのでした。
最後、待ち合わせ場所にはピタのおかあさんにも行ってもらい、その条件を履行するのですが、本当にピタは
生きていて、逆にほんのひと時、クリーシーとピタは抱き締め合いますが、クリーシーは「ボイス」側の
車に乗せられて行ってしまいます。
その中で、かつてピタからプレゼントされたネックレスを握ったクリーシーは何を思ったのでしょうか。
「ボイス」の弟と奥さんがいるところに行くまでに撃たれた胸からの出血のため、クリーシーは車の中で
息絶えます。
僕は、クリーシーの命はこのピタの命と交換されるべく、神はかつて自殺しようとした際に弾が出なかった
んだと思います。そして、天に召されて行ったんだと思います。
評価点 90点
お薦め度 92点
2004年 146分 アメリカ/メキシコ製作
↓↓↓応援をお願いします。ポチっとな♪♪

にほんブログ村