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科学な本のご紹介: 憂国の書『危機に立つ東大 入試制度改革をめぐる葛藤と迷走』

科学に佇む書斎



危機に立つ東大

科学の本大学という場が危機に直面している。日本のリーディング大学である東大においても、秋季入学への移行、英語民間試験活用といった問題をめぐって目的と手段の逆転した議論が進行し、本来あるべき思考の筋道が見失われている。

科学の本「無理が通れば道理が引っ込む」という慣用句が、よりにもよって国権の最高機関である国会にまであてはまるというのは、なんとも情けない事態としか言いようがない。

科学の本「誤解を招いたとすれば…」「不快の念を与えたとすれば…」といった仮定法の決まり文句で始まる形ばかりの謝罪が繰り返されるばかりで、真摯な反省がなされた様子は見受けられない。

科学の本言うまでもないことだが、「社会的要請に応える」ことと「役に立つ」ことは同義ではない。短期的・即時的には「役に立たない」学問であっても、長期的な射程で見れば「社会的要請に応える」分野はいくらでも存在する。

科学の本1991年に大学設置基準の大綱化という方針が文部科学省から打ち出された。その結果何が起こったかというと、全国の大学の教養部が雪崩をうったように廃止されたり改組されたりした。


科学の本重要な局面で「国の政策なのだから従うのが当然である」とか、「ここまで事態が進んでしまったのだから仕方がない」といった、ほとんど思考停止としか思えない言葉を口にする人々が学内外に少なからず存在する。

科学の本いわゆる「有識者」を中心として構成される各種の審議会は、はじめから用意されている結論を権威づけるためのアリバイ作りに利用されている感があり、メンバーの人選も、それを前提としておこなわれているという印象がぬぐえない。

科学の本私は自分の勤めている大学が「国立大学」(2004年度以降は国立大学法人)であるとは思っていたけれども、「国策大学」であると思ったことは一度もなかった。





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『危機に立つ東大 入試制度改革をめぐる葛藤と迷走』
 石井洋二郎
 ちくま新書
 筑摩書房


長年、東大で人文学研究に携わってきた教授が、定年を迎えるにあたって、大学、そして東大という立ち位置を揺るがす日本の政府の動向に対して含め、思いのたけをぶちかました令和初頭のエモ書。

…この先生の専門分野は、フランス文学。そしてロートレアモンの研究なのだ。それを、東大でやっていなさった。
その微妙な立ち位置も相まって、「役に立つ研究に注ぎ込まれる金」問題がやけに哀愁を帯びてくる。

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