憂国の新書『公文書問題 日本の「闇」の核心』
なぜ行政文書ではない「私的メモ」が横行するのでしょうか。このような文書管理をする最大の原因は、「情報公開請求」に対して公開しないようにするためです。
明治期の公務は、「天皇の官吏」であったことから、国民に対する説明責任を負っていませんでした。そのため、自分たちが作成する公文の管理方法は、自分たちが必要だと思うものは残す、必要ないものは捨てるという考えに基づいていました。
タイ語で公務員を指すข้าาราชการのราชは王・王朝・王室、ข้าは下僕・奉仕者のことであり、今でこそราชการの英訳はcivil serviceだが、タイ国内でも昨今の公務員意識改革に絡んでこの語彙の成り立ちに言及されているのをみかけました https://t.co/MAYolshZQt
— USHIO Mamoru (@TakrawPeriphery) 2019年5月24日
「由(よ)らしむべし 知らしむべからず」自民党は、情報は権力の源であることをよく知っている政党です。そのため、自民党政権が続く中で、公文書の公開を制度的に保証する情報公開制度の整備は、遅々として進みませんでした。
保存期間を「一年未満」「一年」「三年」といった短めに設定し、期間が満了したら「廃棄」扱いにする。そして「廃棄した文書」をこっそりと内部で抱え込むことで、公文書管理法や情報公開法の適用を逃れようとする手口です。
議事録を見ていると「手元の資料によれば」といったやりとりが残っていることがありますが、その「手元の資料」が何であるかを調べることは現状ではできないのです。
与党であることが長い自民党は、「由(よ)らしむべし知らしむべからず」の考え方が非常に強い政党なので、文書に基づいて国民に対して説明責任を果たそうと考える人が多くありません。
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— 毎日新聞 校閲センター (@mainichi_kotoba) 2019年7月11日
由(よ)らしむべし
「由らしむ」は従わせること。論語の「民はこれに由らしむべし、これを知らしむべからず」は「人民は従わせることはできるが、その理由を知らせることは難しい」との意味。「人民は理由を知らせず従わせるべきだ」という意味ではない。https://t.co/A2oX4wayyR
情報公開法施行1年半後の新聞記事には、「文書を作らず、残さず、手渡さず」という「不開示三原則」が官僚にあるという話が出てきます。
「歴史公文書等」として永久保存されないならばすべて「1年未満」の保存期間にできるとの考えは、公文書管理法の趣旨からしても明らかにおかしい論理です。そもそも歴史的に重要かどうかを、なぜ現場の担当官が判断できるのでしょうか。
先月、「公文書問題 日本の『闇』の核心」(集英社新書)を出された長野県短大の瀬畑源准教授のお話。公文書改ざんの問題点がわかりやすい。(信濃毎日新聞3月13日) pic.twitter.com/XepibYMxsD
— 憲法かえるのやだネット長野 (@yadanetnagano) 2018年3月12日
著者さん ↓瀬畑源著『公文書問題 日本の「闇」の核心』。冒頭のエピソードとして、2014年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定について、内閣法制局の横畠長官が、与党幹部との事前の協議の内容を一切記録していなかったことを問題視してて、安倍政権ってこういうことずってやってきたんだと改めて思い知る
— つしまようへい (@yohei_tsushima) 2018年3月15日
記事の中で拙著『公文書問題 日本の「闇」の核心』(集英社新書)が紹介されています。
— 瀬畑 源 (@hajime_sebata) 2018年3月26日
不祥事の度、薄くなる調書 公文書はどうなっているのか(朝日3/26)https://t.co/Lob8qyDD4m
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『公文書問題 日本の「闇」の核心』
瀬畑源
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『公文書問題 日本の「闇」の核心』(瀬畑源、集英社新書、740円+税)読了。もはや日本における情報開示は隠蔽と捏造によって息も絶え絶えだが、なぜそんなことが起きるのか。自衛隊の日報問題、森友加計学園、そして今回の裁量労働制…。民主主義の危機を、本書は生々しく暴いている。必読書です。
— 鈴木 耕 (@kou_1970) 2018年2月24日
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