ミニ特集:日本の2010年代、政治観を語る本
『知の武装 救国のインテリジェンス』
『憲法という希望』
『政府はもう嘘をつけない』
『安倍でもわかる保守思想入門』
『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』
『日本でテロが起きる日 佐藤優の地政学リスク講座2016』
『安倍三代』
『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』
マーティン・ファクラー 双葉社
●日本を長年取材してきたニューヨーク・タイムズ記者が、一旦離職して朝日新聞に縁故があるシンクタンクに参加している状態で、朝日バッシングの経過や安倍政権のメディア操作傾向、そして日本の新聞社の未来に対する危惧などについて記したもの。
こちらで紹介
『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』
『日本でテロが起きる日 佐藤優の地政学リスク講座2016』
佐藤優 時事通信出版局
いろんなコメンテーターがテレビや新聞でコメントしていますが、どうも分かりにくくありませんか。実は、コメントしている人が分かっていないからです(笑)。自分が分からないことについては、周りに対して分かりやすい説明は絶対にできない。
禅の公案で「ウサギの角の先は尖っているか、それとも丸いか」というものがあります。でも、そもそもウサギには角がないんです。つまり、議論すること自体が間違いという問題があるということです。
ホブズボームは第1次世界大戦と第2次世界大戦は区別するべきではないとも言っています。あれは「20世紀の31年戦争」であって、間に少し休みが入っただけだとしています。これは説得力がある考え方だと思います。
お父さんお母さん自身が高等教育を受けていないと、高等教育の世界がどういうものか分からないから、子どもに適切なアドバイスができなくなります。そうすると、子どもの持つ夢が小さくなってくる。
『知の武装 救国のインテリジェンス』
手嶋龍一/佐藤優 新潮新書 新潮社
佐藤優 ”外交の世界では、およそ中立な立場の通訳などいないんです。一般に民間で通訳するときも同じですが、通訳はどっちの側に立つのか、はっきりしています。それは、お金を払っている側につく。お金を払っている側に、有利な通訳をするものです。
ですから、民間の皆さんもビジネスの交渉の場で、通訳にかける費用をけちってはいけません。”
手嶋龍一 ”残念なことに日本は、G8(主要八カ国)の中で対外情報機関が唯一存在しない国です。海外に配したヒューミント(人的情報源)もない。”
『安倍でもわかる保守思想入門』
適菜収 ベストセラーズ
●冒頭は、安倍首相の道理感のダメダメさをきっちり指摘。
が、それ以降は揚げ足取りと一過性鬱憤バラシのないまぜになっていて、ちょっと紹介しづらい本。
保守とは何か?大事なものを「保ち守る」ということです。その基盤になるものは常識です。
保守は「常識はずれ」なことが発生したら、常識を「保ち守ろう」とします。だから、常識がない人は「保守」ではないんですね。
保守主義の本質は、「人間理性に懐疑的であること」です。「伝統の擁護」といった保守の性質も、「理性に対する懐疑」ということで説明できる。保守が宗教を重視するのも理性の暴走を防ぐためです。
『安倍三代』
青木理 朝日新聞出版
●基本、「支配階級に生まれた権力者の子だから、まわりが道理を曲げてちやほやしてくれる」という状況感覚をデフォルトとして育った人材が、下層民(と見做す相手に対して)「こんなひとたち」という物言い(実力とは乖離した不当な階級感覚の発露)を放ってしまったら、民衆(と見做されうる相手)からは支持を取り付けることは至難だろう。
2014年、全衆院議員のほぼ4人に1人が世襲になった。自民党の当選者に限ると3人に1人が、直後に組閣された第3次安倍内閣になると、閣僚の実に半数が世襲議員によって占められることになった。
このくだりの「全衆院議員」は「全衆議院議員」の誤植じゃないかとは思うのだけれど、本書ではこうなっていたので…
「世襲政治」王国日本
— 科学に佇むサンクコスト (@endBooks) 2018年10月1日
閣僚の半分が代を受け継ぐ政治家
【2018年7月 中央日報】https://t.co/l7IDViCR2f
2017年10月の衆議院選挙で小選挙区当選した自民党議員218人のうち世襲議員は72人(全体の33%)。
安倍内閣の閣僚の半分も世襲議員だ。
安倍内閣、6割が世襲議員の異常さ
— 科学に佇むサンクコスト (@endBooks) 2018年10月1日
【2018年1月 林克明 ビジネスジャーナル】https://t.co/82kyOQnGIB
過去15年で国民の所得14%減、資産ゼロ世帯は2倍
世界一高い選挙供託金(選挙区300万円・比例区600万円)
┗ 裕福な家の人間だけが政治できる仕組みの国
自民党の当選回数主義が世襲議員を蔓延らせているのだが若い時から立候補できる世襲はそもそも当選回数を稼ぐのに有利な上に同じ当選回数でも出世が早い。安倍晋三は当選3回で幹事長、小泉進次郎は当選4回で入閣。自民のやり口は当選回数主義の唯一の利点ともいえる公平性さえ担保されてない絶望人事
— Spica (@Kelangdbn) 2019年9月12日
『ミニ特集:官僚』
『ミニ特集:日本の政治を見る本 2020年代その1』
『ミニ特集:日本の2010年代、政治観を語る本その5』
『ミニ特集:日本の2010年代、政治観を語る本その4』
『ミニ特集:日本の2010年代、政治観を語る本その3』
『ミニ特集:日本の2010年代、政治観を語る本その2』
『ミニ特集:日本の2010年代、政治観を語る本その1』