ミニ特集:排泄、トイレ、脱糞
人糞はヒトの感情と嗅覚に強く訴えるからこそ、聖性も穢れもまとう強力な呪物となりえたのだ。
『図説 排泄全書』
『クソマルの神話学』
『誰にも聞けないウンチの話』
『環境考古学への招待 発掘からわかる食・トイレ・戦争』
楽天
『誰にも聞けないウンチの話』
押谷伸英 文芸社
●消化器のお医者さんが書いてくれた、軽く読める医学的糞便知識と消化器の健康本。
便の色が濃いとお嘆(なげ)きの人、試しに2、3日、魚、野菜中心の食事をしてみてください。黄色でバナナ状のこんもりとした形のよいウンチが出るはずです。
胆汁は消化管内の環境によって色調が大きく変わるのです。
大腸に善玉菌が多い時には、腸内は弱酸性となり便は黄色調を呈しますが、霜降りの肉や天ぷら、ウナギなどの高脂肪食を摂ると腸内環境がアルカリ性となって便は深緑色、あるいは黒ずんだ茶褐色になります。
『クソマルの神話学』
東ゆみこ 青土社
●古代から近代まで、うんちの構造神話学!
(とはいえ、かなりまじめな論考本)
中沢新一などの構造主義的考察がお好きな人にオススメ。
トリックスターは、いたずらをすることによって、破壊/創造という相反する状況をつなぐ役割を果たす。例えば、旧来の秩序や規範を一時的に破壊する一方で、結果的には新たな秩序を創造する。
昭和初期の頃まで、泥棒たちの間で、ある不可思議な言い伝えが流布していた。それは、盗人が犯行現場で脱糞すると、その犯行が成功し、捕まることなく簡単に逃げられるというものだ。
石垣島では、婚礼の日に、新婦が新郎の家門に入るやいなや、新郎が厠に隠れるという風習があるという。
「盗人が脱糞する風習」については
礫川全次 『犯罪の民俗学 明治・大正・昭和犯罪史から』批評社
でも詳しく読めます。
楽天
『環境考古学への招待 発掘からわかる食・トイレ・戦争』
松井章 岩波書店
●これはいい招待状。
コンパクトな体裁に、エピソードも豊富。気軽に読める構成で、すごい読後感が楽しいし、勉強にも、考える種にもなる。
こちらで紹介
『環境考古学への招待 発掘からわかる食・トイレ・戦争』
『ミニ特集:食べ物や栄養の本 その1』
『ミニ特集:食べ物や栄養の本 その2』
『ミニ特集:食べ物や栄養の本 その3』
『ミニ特集:食べ物や栄養の本 その4』
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