暖冬暖冬といわれてますが、妙に寒い今日この頃。
先日は伊豆大島で「幻の初雪」が降ったみたいですし、 都心でもちらほらと粉雪が待っていましたしね。 とりあえず 「こなああああああああああゆきいいいいいいいいいいいねえ」 と歌っておきました。 まあ、そこしか知らないんですけどね。 えーと、歌ってたの誰でしたっけ。 で、今日紹介するのは 『傭兵ピエール』原作:佐藤賢一、漫画:野口賢 です。 ええ、冬とかまったく関係ないんですけどね。 この作品はつい先日までウルトラジャンプで連載されていた 漫画で、歴史上の人物・ジャンヌ・ダルクが活躍した時代を 扱った大河コミックです。 舞台は15世紀の百年戦争真っ只中のフランス。 そこで傭兵団のボスを勤める傭兵・ピエールが主人公です。 彼は戦場で見つけたある少女を、当然のごとく陵辱しようとします。 しかし、その少女は「神から与えられた使命を果たせたら、処女をくれてやる」と言い、ピエールはなぜか見逃すのです。 そう、その少女こそがジャンヌ・ダルクその人だったのです。 運命的な出会いから数年、ピエールはジャンヌと再会します。 しかし、ジャンヌはかつてのか弱い少女ではなく、 鎧を着た聖女として扱われているのでした…。 この作品において、主人公はあくまでもジャンヌの傍にいる 一様兵であるピエールです。 ゆえに聖女ジャンヌの心情や内面は描かれることはありません。 しかし、徐々に「聖女」としての重圧につぶされ、 「少女」に戻っていくジャンヌの姿は ピエールを通してどこまでも鮮やかに描かれています。 その描かれようは、男の視点を通し、どこまでも女としてジャンヌは 作中に立ち現れてきます。 その様はどこまでもエロティックで、ストイック。 力強く、そしてそれゆえにいつ折れてもおかしくないほど儚げ。 一見矛盾している「女」ジャンヌ・ダルクの姿は、 他のジャンヌダルク作品になはい、 この作品ならではの見所だと思います。 また、この作品は、 徹底的にリアルに描写される中世ヨーロッパ世界を舞台に 描かれています。 その方向性としては、 リュック・ベッソンの映画『ジャンヌ・ダルク』や、 幸村誠『ヴィンランドサガ』と似たものとなっています。 傭兵は農民をごみのように殺し、陵辱し、略奪します。 戦争はどこか牧歌的であり、凄惨な様相を呈します。 これだけでも歴史もの好きにはたまらない魅力かと思います。 ただ、この漫画ならではの魅力というと、 野口賢の描く、 「エロ」「グロ」「バイオレンス」描写にあるといえるでしょう。 この野口賢という漫画家。 週刊少年ジャンプ連載時から、やたら肉感的なセクシー美人剣士を書いたり、 前作『KUROZUKA』でも、ボイーンなお姉ちゃんが大股開きで アクロバティックなアクションを見せたり、 その美女の腕やら足がぶっ飛んだりと、 リビドー方面に突き抜けた描写がやたらと 上手な作家だったりするのです。 そんな作家がリアルな中世ヨーロッパの戦争を描くってんだから、 そりゃもうリョナ寸前のアレげな描写がポンポン出ます。 (童顔美少女が真っ黒こげになる、 みたいなアレなシーンはさすがに目が点でした) とはいえ、どこかしら愛嬌のある氏の画風のおかげで ただのエログロにならないという、非常に奇跡的なバランスで 成立している作品だといえます。 大河歴史コミック好きも、エログロバイオレンス好きも 大満足の本作。 漫画読みならぜひ一度は読んどいて損はない佳作といえます。 個人的には大満足な本作。 今日は85点!
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フランス旅行計画に モンサンミッシェル【 2007/03/22 11:16 】
シルクロードというと司馬遼太郎などが描いた草原の風景が目に浮かんだが、内容は違っていた。もっと埃っぽい風景が描かれている。現在ではこの様な旅ができない危険な場所だが人間性にあふれていた時代もあったのだと改めて現在の悲惨な状況にこころ苦しくなる。冒頭インド あやの部屋【 2007/10/08 09:05 】
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