夜露死苦現代詩特設サイト:田我流の作品が4曲聴けます!
2011年12月6日火曜日
EVISBEATS&田我流 『ゆれる』
「夜露死苦現代詩2.0」の4回目で紹介した山梨県のラッパー田我流。映画『サウダーヂ』の主役としてもブレイク中です。彼をフィーチャーした新曲のPVがすごくいい感じなので、紹介しておきます。田舎町の日常を、ほんとに自然体でそのまま歌ったこの曲と、この映像。肩肘張ったワルでもなく、自意識過剰でもなく。日本のヒップホップってここまで来たのかと、しみじみしました。
2011年11月9日水曜日
夜露死苦現代詩2.0 ANARCHY
新幹線が京都駅に着くと、吐き出された観光客は「京都駅」という巨大な壁をさっさとくぐり抜け、新幹線ホームの反対側=北側に広がる、だれもが知ってる京都の市街に散ってゆく。でも、京都駅の南側にはもう半分の京都が広がっている。東寺や伏見稲荷といった有名寺社をのぞけば、観光客はだれも知らない、そして(北側の)京都市民からも「駅南でしょ」と見下される、もうひとつの京都が。
そんな「京都駅南」を縦断して走るのが近鉄京都線だ。京都駅から大和西大寺行きの電車に乗って、車窓に映る風景を眺めていると、ここがいかに「そうだ京都行こう」の京都とはちがう、もうひとつの京都であるかが実感できる。できたばかりの巨大ショッピングセンター、ワコールや京セラのオフィスビル、倉庫、国道沿いのチェーン店……。ここは「京都」というカンムリのついた、日本のどこにでもある郊外都市だ。
伏見、丹波橋、桃山御陵前といった古風な名前の駅を過ぎ、電車が宇治川を越えるころ、今度は進行方向右側に広々とした田園風景が突然、出現する。そしてその反対側には見渡すかぎりの団地群。もともと二ノ丸池と呼ばれていた場所を干拓して1970年代に造成された「向島(むかいじま)ニュータウン」だ。1999(平成11)年、小学校校庭で遊んでいた児童をナイフで刺殺した21歳の浪人生・岡村浩昌=「てるくはのる」が、警察の追っ手を逃れて団地屋上から飛び降り自殺した場所でもある。
1981(昭和56)年、大阪府枚方市に生まれたキタオカケンタは、3歳になるかならないかのころ、国道1号線で20キロ足らずしか離れていない向島ニュータウンに引っ越してきた。そしてこの場所からANARCHYというラッパーの物語が始まる。
特設サイトでは『I'm A Rapper』『Fate』『K.I.N.G.』『Go Johnny Go!』の4曲が聴けます。ぜひ爆音でかけながら、お読みください! なお来月の1月号は、恒例の創作特集ということで、「夜露死苦現代詩」を含む連載は1回お休みだそう。次回は1月はじめに出る2月号になります。よろしくお願いします。
2011年10月12日水曜日
夜露死苦現代詩 2.0 TwiGy
1990年代初期、日本語ラップの創生期から、2011年の現在まで活躍しつづけるベテラン中のベテラン・ラッパーであり、ヒップホップ界では絶大なリスペクトを享受しつつ、しかし一般には不思議なほど名を知られないままでいる孤高のラッパー。Twigyはまた、ヒップホップ界きっての滑舌の良さを誇る歌い手/語り手でもある。
折れそうに細いからだからステージネームがつけられたというTwigyは1971年、三重県津市に生まれた。父親は大学教授、母親が弁護士事務所勤務という、インテレクチュアルで恵まれた家庭環境だった・・。
例によって特設サイトでは、今年25周年を迎え、名をTwiGyからTwiGy al Salaamに改めた彼の、3年ぶりとなるニューアルバム『Blue Thought』から、『Spot』『All』『Train』の3曲が聴けます。爆音で鳴らしながら、お読みください!
2011年8月11日木曜日
夜露死苦現代詩2.0 田我流
いま、もっとも生きのいい、リアルな言葉を紡ぎ出す、ラッパーという名前の「ストリートの詩人たち」を探し求める連載。前回ご紹介した鬼一家の「鬼」に続いて、今回は山梨からstillichimiya(スティルイチミヤ)の田我流(でんがりゅう)。
都会のファッショナブルを目指すのでもなく、ギャングスタに憧れたワルを気取るのでもなく、地方に生まれ育ち、地方に根を下ろして、自分のフィールドで自分の歌を歌っていくだけの生活。そのシンプルさこそが、かけがえのない「リアル」を生むのだと、この29歳の青年は教えてくれます。
映画『サウダーヂ』の主役も好演して、ただいま絶好調の田我流。いまごろは映画祭参加のため、スイス・ロカルノに飛んでいるはず。そして例によって本連載のための特設サイトでは、記事の抜粋が読めるほか、『明けない夜』『138』『JUST』『三文RAPPER』の4曲がフルに聴けます! 毎度お願いしてますが、ぜひ音源を聴きながら、記事を読んでいただきますよう。
夜露死苦現代詩・特設サイト http://www.shinchosha.co.jp/shincho/4649/
2011年8月3日水曜日
天木ミコ・日本アカデミー歌謡ショー
というわけでインディーズ演歌について書いていたら、ちょうどツイッターで、「三重県ではこんなのもやってます」と教えてくれたひとがいました。セキガミタケシさん、情報感謝! 三重県の「ゴールデンランド木曽崎温泉」という、名前からして間違いない!、激渋な温泉健康ランドで、毎月2回開催中の歌謡ショーということですが・・。これはもう、僕がリスペクトしてやまない、山口県湯田温泉の「女将劇場」とカップリングで、無形文化財に指定してほしいものです。どうでもいいテレビ番組で、どうでもいい芸人とかにいじられる前に、行ってみないと!
2011年7月28日木曜日
ILL-BOSSTINOのダンスミュージック・プロジェクト、特典にびっくり!
『夜露死苦現代詩2.0』の連載初回でもご紹介した、というかすでに説明不要の日本最重要ラッパーであるTHA BLUE HERBのILL-BOSSTINO。このブログを読んでくれている方の中にもファンは多いと思いますが、そういうファンならすでに押さえてるんじゃないかと思いつつご紹介するのが、『THE BEST THINGS WE REALIZED』という1枚のCD。ボスがブルーハーブと並行して、盟友WATCHALLとともに結成したユニット『HERBEST MOON』。ダンスミュージックという視点に絞られた楽曲構成は、もともとフロアダンサーとしてクラブ・デビューしたというボスの出自をかいま見るようで興味深いものがあります。
今回のCDはベスト・アルバムと銘打たれてるだけあって、過去に発表された2枚のアルバムに、未発表曲を加えた内容になっているのです・・が! なんと初回プレス分には、限定特典としてMP3データのダウンロード・パスワードがついてきます。これは今年5月20日に北海道・北見HOOPLAで録音された、KAZUYUKI "BOSS" SHIMIZUによる10時間半におよぶDJプレイの中から、約2時間半のプレイを抜き出したもの。これが気持ちいいんですね! すごく上質なハウス・ミュージックとしても聴いていられる、めちゃお得な特典です。初回プレス分があるうちに、急いでご購入を!
今回のCDはベスト・アルバムと銘打たれてるだけあって、過去に発表された2枚のアルバムに、未発表曲を加えた内容になっているのです・・が! なんと初回プレス分には、限定特典としてMP3データのダウンロード・パスワードがついてきます。これは今年5月20日に北海道・北見HOOPLAで録音された、KAZUYUKI "BOSS" SHIMIZUによる10時間半におよぶDJプレイの中から、約2時間半のプレイを抜き出したもの。これが気持ちいいんですね! すごく上質なハウス・ミュージックとしても聴いていられる、めちゃお得な特典です。初回プレス分があるうちに、急いでご購入を!
2011年6月23日木曜日
週刊朝日:ラストダンスは白金で
1984(昭和59)年、日本の夜がユーロビートに席巻され、ボディコン女子がお立ち台で惜しげもなくパンツを見せびらかしていたころ、東京・白金の一角にひっそりオープンしたディスコがあった。『マハラジャ』のように豪華な内装も、お立ち台もなく、周囲にはディスコどころか飲食店すらまばらな場所で、ユーロビートのかわりに、当時ですら20年近く前の流行だったリズム&ブルースやソウル・ミュージックだけしか流さない、小さなディスコ。その一風変わった店の名を、『ダンステリア』と言う・・・。
この26日の日曜日で、27年間の歴史に幕を下ろしてしまうソウル・ミュージック&ダンスの聖地・白金ダンステリア。その歴史と最後の盛り上がりを、週刊朝日の巻頭5ページでリポートしました(2011年7月1日号)。週刊朝日は毎週火曜日発売。来週は、もう読めなくなっちゃいます。急いでチェックよろしく!
2011年6月9日木曜日
夜露死苦現代詩2.0:B.I.G.JOE
いま、もっとも生きのいい、リアルな言葉を紡ぎ出す、ラッパーという名前の「ストリートの詩人たち」を探し求める新連載。前回の札幌・THA BLUE HERBのILL BOSTINOに続いて、第2回目はそのボスにも多大な影響を与えた、千歳在住の伝説的ラッパーB.I.G. JOE。
その痛いほどにまっすぐなリリシズムと、そんな言葉を生み出した驚くべき半生を、18ページにわたって追いかけます。特設サイトでは、『TILL THE DAY I DIE』『NOWHERE』『LOST DOPE』『RIZE AGAIN』の4曲がフルバージョンで聴けるようになっていますので、できれば音を流しながら、そしてさらにできるならばリリックを声に出して読みながら、いまも走り続けるB.I.G. JOEを僕といっしょに追いかけ、伴走してみてください!
夜露死苦現代詩・特設サイト http://www.shinchosha.co.jp/shincho/4649/
2011年5月11日水曜日
夜露死苦現代詩2.0 日本語ヒップホップの詩人たち
いまいちばん意欲的な現代美術の展覧会は、東京ではなく地方の美術館で開かれている。
いちばん新しいファッションは、田舎の不良が生み出している。
いちばん刺激的な音楽もまた、東京ではなく地方からやってくる。
2005年から1年間、僕は『夜露死苦現代詩』という連載をやらせてもらった。それは死刑囚の俳句から障害者のつぶやき、暴走族の特攻服に散りばめられた刺繍詩まで、およそ「現代詩」とはみなされていない、でも言葉の持つリアリティ、強度ではプロの現代詩人よりもはるかに僕らの胸を打つ、路傍の無名詩人たちの作品を拾い上げる作業だった。
あれから6年間たって、なにが変わっただろうか。僕に見えるのは「東京の権威」が音を立てて崩れていくプロセスだ。
ストリートで生まれ、音楽を超えて広がるひとつの文化となりつつあるヒップホップというものに興味を抱き、アルバムを買ったり深夜のクラブに通ったりするうちにわかったこと―それはいま、いちばんおもしろい音やシャープな詩を書くアーティストは、ほとんどみんな東京じゃなく、地方にいるってことだった。
地方出身、ではなく地方に生まれ育ち、そこに住みつづけながら活動しているアーティストたち。自分がいる場所で自分の音楽をプレイし、それを聴いてくれるオーディエンス、愛してくれるファンがいれば、それでいい。東京に相手にされないのではなく、東京を相手にしないこと。東京にしか目を向けない既存のメディアには、それが見えていない。見えていないから、遅れる。遅れるから、リアリティを失う。リアリティを失ったメディアに、なにが残されているだろう。
これから1年間にわたって、ラッパーという名前を冠した街の詩人たちを、僕は探しに行く。いま、いちばんイキがよくて、粋で、生きた言葉をつむぎ出す男の子や女の子たちを。いろんな場所に、なるべく東京から遠い場所に。
夜露死苦現代詩2.0の第1回目は、THE BLUE HERBのILL BOSTINO。いま、日本のラッパーのなかで、もっともリアルで研ぎ澄まされたリリック=詩を書くBOSSとは、どんな人間なのだろう。どんな生きざまからあんな詩が生まれるのだろう。全15ページ、これまで語られることのなかったエピソードを含む、BOSSの人生とリリックを語り尽くします。
本連載のためにつくられた特設サイトでは、文中で取り上げられた音源が視聴できます。できることなら、音を聞きながら、文章を読んでください。
特設サイト:http://www.shinchosha.co.jp/shincho/4649/
これから1年間、全力で突っ走る超真剣勝負連載、夜露死苦ご支援のほどを!
いちばん新しいファッションは、田舎の不良が生み出している。
いちばん刺激的な音楽もまた、東京ではなく地方からやってくる。
2005年から1年間、僕は『夜露死苦現代詩』という連載をやらせてもらった。それは死刑囚の俳句から障害者のつぶやき、暴走族の特攻服に散りばめられた刺繍詩まで、およそ「現代詩」とはみなされていない、でも言葉の持つリアリティ、強度ではプロの現代詩人よりもはるかに僕らの胸を打つ、路傍の無名詩人たちの作品を拾い上げる作業だった。
あれから6年間たって、なにが変わっただろうか。僕に見えるのは「東京の権威」が音を立てて崩れていくプロセスだ。
ストリートで生まれ、音楽を超えて広がるひとつの文化となりつつあるヒップホップというものに興味を抱き、アルバムを買ったり深夜のクラブに通ったりするうちにわかったこと―それはいま、いちばんおもしろい音やシャープな詩を書くアーティストは、ほとんどみんな東京じゃなく、地方にいるってことだった。
地方出身、ではなく地方に生まれ育ち、そこに住みつづけながら活動しているアーティストたち。自分がいる場所で自分の音楽をプレイし、それを聴いてくれるオーディエンス、愛してくれるファンがいれば、それでいい。東京に相手にされないのではなく、東京を相手にしないこと。東京にしか目を向けない既存のメディアには、それが見えていない。見えていないから、遅れる。遅れるから、リアリティを失う。リアリティを失ったメディアに、なにが残されているだろう。
これから1年間にわたって、ラッパーという名前を冠した街の詩人たちを、僕は探しに行く。いま、いちばんイキがよくて、粋で、生きた言葉をつむぎ出す男の子や女の子たちを。いろんな場所に、なるべく東京から遠い場所に。
本連載のためにつくられた特設サイトでは、文中で取り上げられた音源が視聴できます。できることなら、音を聞きながら、文章を読んでください。
特設サイト:http://www.shinchosha.co.jp/shincho/4649/
これから1年間、全力で突っ走る超真剣勝負連載、夜露死苦ご支援のほどを!
2011年4月27日水曜日
連休中に聴きこみたいCD! 大友裕子
『HELL』展のオープニング・パーティで、参加してくれた方から「これ、知ってます? HELLですよ〜!」と推薦され、恥ずかしながら未聴だったのでYoutubeをチェック、いきなり打ちのめされたのが『手切れ金』。歌っている大友裕子さんは、ヤマハ・ポプコン出身の歌手。1978年デビューの歌手で、「日本のジャニス」とも呼ばれ、あの『ボヘミアン』を葛城ユキの前に歌ってもいるそうですが、1982年、その『ボヘミアン』発売日に引退、いまはどこでどうされているのか・・不明という謎に満ちた歌い手です。
『手切れ金』はこんなふうに始まります・・・
あんたが出て行くのを とめる気はさらさらないよ
後追いをするほど かわいがられた覚えもないし
あんたあたしの目の前で ほかのオンナ抱いて見せた
あの雨の夜あたしは 傘も持たず飛び出して
どこをどう歩いたのか 知らないが
ずぶぬれの体のまま
道に倒れちまってさ クルマにどろみずひっかけられて
バカヤロウ! 死んでもいいのかってどなられたっけ
ちなみに作詞・作曲とも本人です! こういう凄みのある歌詞って、いまはもうJ-POPにも期待できないし、演歌もダメだし、だれが書いて、だれが歌ってくれるのでしょうか。『手切れ金』が発表された1979年より、2011年のいまのほうが音楽ビジネスの規模ははるかに大きいのに、なんか不毛ですよねぇ。暗黒歌謡界の新星、いでよ!
大友裕子の熱い非公認ファンサイト:
http://www001.upp.so-net.ne.jp/kurobuta/yuko/yuko-index.html
『手切れ金』はこんなふうに始まります・・・
あんたが出て行くのを とめる気はさらさらないよ
後追いをするほど かわいがられた覚えもないし
あんたあたしの目の前で ほかのオンナ抱いて見せた
あの雨の夜あたしは 傘も持たず飛び出して
どこをどう歩いたのか 知らないが
ずぶぬれの体のまま
道に倒れちまってさ クルマにどろみずひっかけられて
バカヤロウ! 死んでもいいのかってどなられたっけ
ちなみに作詞・作曲とも本人です! こういう凄みのある歌詞って、いまはもうJ-POPにも期待できないし、演歌もダメだし、だれが書いて、だれが歌ってくれるのでしょうか。『手切れ金』が発表された1979年より、2011年のいまのほうが音楽ビジネスの規模ははるかに大きいのに、なんか不毛ですよねぇ。暗黒歌謡界の新星、いでよ!
大友裕子の熱い非公認ファンサイト:
http://www001.upp.so-net.ne.jp/kurobuta/yuko/yuko-index.html
2011年4月7日木曜日
道との遭遇@上野水上音楽堂
お知らせが遅くなってしまいましたが、来る4月17日の日曜日、上野水上音楽堂にて、『道との遭遇』と題した、いっぷうかわった音楽フェスティバルが開かれます。
以前に僕も東京右半分で取材させてもらったり、定期的にトークをやらせてもらってる湯島の音楽バー『道』が主催するこのイベント、不忍池のほとりに経つ由緒ある水上音楽堂を舞台に、『道』ゆかりのアーティストがずらり顔を揃える、手作りの祝祭です。
参加アーティストなど詳しい情報は専用ウェブサイトをご覧いただければいいのですが、
高橋幸宏
鈴木慶一
奥田民生
みうらじゅん
坂本美雨
原田知世
などなど、ものすごくバラエティに富んだ組み合わせで、しかもとうてい書ききれない、すごいラインナップ。その中で僕も、去年まで平凡社のウェブマガジンで連載した『演歌よ今夜も有難う』から、特選のインディーズ演歌歌手をおふたり、招かせてもらいました。
どちらもまったく無名ではありますが、なみいるスターにぜんぜん負けない、恐るべきパワーの歌い手さんです。ぜひぜひ、そのステージを体感していただきたいのですが・・定員1200名のシートが、なんとほとんど売り切れに近いのだそう。すでにイープラスでは予定枚数完売で受け付け終了。きのう(4/5)の時点で残りわずかなそうなので、まだチケット予約してない方は、一刻も早くウェブサイトから申し込んでみてください。
なんだか、とんでもない一日になりそうですよ。
2010年12月15日水曜日
iPad専用で MUSIC LIFE 復刊!
流行歌雑誌としての創刊が1937年、『ミュージック・ライフ』と改題して戦後に復刊したのが1951年。残念ながら1998年に休刊するまで、『ミュージック・ライフ』が日本の音楽ファンに与えた影響は、計り知れないものがありました。僕も中学、高校時代は、それこそ表紙から奥付ページまで、毎号舐めるように熟読を重ねたものです。
その『ミュージック・ライフ』が、なんとiPad専用の無料アプリ『MUSIC LIFE Plus』として復刊! いちおうIPad/iPhone用と銘打たれていますが、iPhoneではあまりに画面が小さくて読みづらいので、ほぼiPad専用でありましょう。なので入手方法もiTune Storeからダウンロードということになります。
http://itunes.apple.com/app/id406608067?mt=8
iPadを横位置にすると画像がたくさんでてきて、縦位置にするとテキストが読めるという凝った仕様は、慣れるまでわかりにくいと思いますが、それだけの情報量が詰まってるわけでもあり、YouTubeにもデモがすでにアップされてます。
僕もひとつ連載を持たせてもらっていて、『ROADSIDE MUSIC』というタイトルで、旅回りを続けてすでに22年という演歌歌手・秋山涼子さんについて書いています。
ほかにも、いしいしんじさんのSP談義とか、いろいろおもしろい連載があるのですが、特に最盛期の編集長だった星加ルミ子さんの長編インタビューが圧巻。ビートルズとの出会いと独占取材の顛末について、じっくり語ってくれていて、必読でしょう。当時のML誌に付録としてついていた「ジョン、ポール、ジョージの読者宛メッセージ・ソノシート」も聴けるようになってるし、伝説の「ジョン・レノンのシェー」写真も載ってます! これだけで買い、というかタダなので、まだ持ってないひとはiPad買いに走るしかないですねえ。
もうひとつ、見落とされがちですが、ダウンロードのサイトでは往年の『ミュージック・ライフ』をスキャンしたデジタル復刊本が販売されていて、現在は1966年1月号と2月号が、それぞれ450円で販売中。近いうちに1966年度が全冊、それからも続々復刊計画があるらしいですが、とりあえず1月号を買ってみたら! 「ビートルズ・カレンダー」とか、「世界のスターから届いた年賀状」とか、涙のページが続々。楽器屋、レコード針、ジャズ歌手養成学校なんてのの広告まで入っていて、懐かしすぎ! これは全冊揃えないと。
その『ミュージック・ライフ』が、なんとiPad専用の無料アプリ『MUSIC LIFE Plus』として復刊! いちおうIPad/iPhone用と銘打たれていますが、iPhoneではあまりに画面が小さくて読みづらいので、ほぼiPad専用でありましょう。なので入手方法もiTune Storeからダウンロードということになります。
http://itunes.apple.com/app/id406608067?mt=8
iPadを横位置にすると画像がたくさんでてきて、縦位置にするとテキストが読めるという凝った仕様は、慣れるまでわかりにくいと思いますが、それだけの情報量が詰まってるわけでもあり、YouTubeにもデモがすでにアップされてます。
僕もひとつ連載を持たせてもらっていて、『ROADSIDE MUSIC』というタイトルで、旅回りを続けてすでに22年という演歌歌手・秋山涼子さんについて書いています。
ほかにも、いしいしんじさんのSP談義とか、いろいろおもしろい連載があるのですが、特に最盛期の編集長だった星加ルミ子さんの長編インタビューが圧巻。ビートルズとの出会いと独占取材の顛末について、じっくり語ってくれていて、必読でしょう。当時のML誌に付録としてついていた「ジョン、ポール、ジョージの読者宛メッセージ・ソノシート」も聴けるようになってるし、伝説の「ジョン・レノンのシェー」写真も載ってます! これだけで買い、というかタダなので、まだ持ってないひとはiPad買いに走るしかないですねえ。
もうひとつ、見落とされがちですが、ダウンロードのサイトでは往年の『ミュージック・ライフ』をスキャンしたデジタル復刊本が販売されていて、現在は1966年1月号と2月号が、それぞれ450円で販売中。近いうちに1966年度が全冊、それからも続々復刊計画があるらしいですが、とりあえず1月号を買ってみたら! 「ビートルズ・カレンダー」とか、「世界のスターから届いた年賀状」とか、涙のページが続々。楽器屋、レコード針、ジャズ歌手養成学校なんてのの広告まで入っていて、懐かしすぎ! これは全冊揃えないと。
2010年11月24日水曜日
長谷川きよし 静音ライブ
11月23日勤労感謝の日、日ごろの勤労のご褒美として、福島まで長谷川きよしのライブを観に行ってきました。なんだか最近、気になるライブは東京都心よりも地方のほうが多くなって、来年はもっとがんばっていろいろ回るつもり。「地方都市のライブハウスめぐり」なんて企画、どこかの雑誌でやらせてもらえないですかねえ。
会場となったのは福島市駅から歩いて5分足らず、陣場町と呼ばれる無数のスナックと、それをさらに上回る風俗店がひしめく夜の街。この4月には暴力団の抗争から発砲事件まで起きたワイルドなエリアの一角、ビルの地下にひっそりと店を開く「マジー・ノワール」というバー。これがフランスか南ドイツの田舎の居酒屋のような、素晴らしい雰囲気の店で、外との違和感にまずびっくり。
ふつうのライブハウスのような、薄くてまずい飲み物じゃなくて、ちゃんとしたバーテンダーが作る、ちゃんとした酒をもらって椅子に座る。照明は小さなスポットと、あとは卓上のロウソクだけ。そして時間どおりに手を引かれて登場した長谷川きよしは、店内中央の大きなテーブルに、ひとつだけ空けてあった椅子に腰をおろすと、ギターを抱えて静かに歌い出した。
「静音(しずおと)ライブ」と名づけられたこの宵のイベントは、声もギターもマイクを通さない、まったくの生音でひとり歌う、いわば究極のアンプラグド・コンサート。観客は限定40人(それでもう満員なのだ)。ステージもなく、マイクもアンプもなく、お客さんと同じ場所で、同じレベルでギターを弾いて、歌うだけ。それで1時間半。PAがないから、エコーとかのイフェクトも、もちろんなしで。演奏者にとってこれほど真剣勝負を強いられる、そして観客にとってこれほど贅沢なコンサートって、なかなかないだろう。
今年61歳という年齢が信じられない声の艶と張り。超絶のギター・テクニック。シャンソンやファドもあれば、『別れのサンバ』、『黒の舟唄』といったヒット曲も、もちろん歌ってくれる。ワインをグラスで2杯。陶然と聴き入っているうちに、あっというまの1時間半が終わってしまった。
歌い終わった長谷川さんは、持ってきたCDを買ってくれたひとに、ひとりずつていねいにお話ししながら、手さぐりでCDジャケットにサインを入れてくれる。そうしてギターケースにギターを収め、手を引かれて去っていく。
こんなに素晴らしいアーティストが、伝え聞くところによれば、いまは群馬県の小さな町に住み、日本中のどこへでも、どんな小さな会場にも出かけて歌っているのだという。歌い終わったら、みずからCDを売って。
レコード会社が作る宣伝臭いサイトとはぜんぜんちがう、いかにも手作りふうのオフィシャル・サイトにはコンサートのスケジュールが掲載されているが、その開催場所からも、フットワークの軽やかさが伝わってくる。
東京では来週11月29日に六本木スイート・ベイジルで、シャンソン歌手クミコとのジョイント・ライブがある。現在進行形の天才のエネルギーに、ぜひ間近で触れていただきたい。
サインしてもらったCDジャケット・・・感涙
すでに20枚以上のアルバムを発表していますが、デビュー40周年のおととし発表されたこのライブ・レコーディング・アルバムが、ライブの雰囲気をよく伝えてくれています。
2010年11月17日水曜日
浅川マキ『Long Good-bye』の衝撃
今年の1月に名古屋で亡くなった浅川マキ。「アンダーグラウンドの女王」などという呼称はあまりに安直かもしれませんが、しかし「アングラ」という言葉が磁力を持ち得ていた時代、日本でもっとも暗く輝いていたアーティストであったことはまちがいありません。
生前、浅川マキのCDは10枚組の自選作品集ボックスが出ていたほかは(マストバイ!)、『DARKNESS I~IV』がリリースされていただけでした。一時、アナログ・レコード時代の旧譜が数枚リイッシューされましたが、本人の強い希望ですぐに廃盤となったそうです。
そんなアナログ・ワールドに生きてきた浅川マキの、いま手に入る最高のベスト盤が発売されました。生前、マキを支えたプロデューサーやスタッフたちが再結集して選んだ、2枚組32曲。ディスク1は比較的よく知られた曲が多いですが、2枚目はあまり知られていない曲が多い、かなり凝った選曲。そして32曲中、なんと10曲が初CD化という、2万円の10枚組ボックスを買ったファンですら買わざるを得ない、憎いつくりです・・。先日、関係者のひとりとお話ししたら、「アマゾンの音楽・フォーク部門でいきなり1位になっていて、一同ビックリした」そう。
しかも本作には、歌詞を収めた通常のブックレットのほかに、彼女をずっと撮ってきた田村仁さんによる、未発表写真で構成された32ページの写真集がついてます。しかもお値段は2枚組で3300円という良心価格。これはもう・・・即ポチしかないですね。
一周忌に向けて、来年初頭には白夜書房と実業之日本社から浅川マキ本が出版されるようです。これも楽しみ! 立派な音楽雑誌ではなく、実話誌などの汚い印刷のページに載っていた、彼女の独特な語り口のエッセイは、一見不釣り合いなようでいて、なんだか妙にしっくりなじんでいたのを思い出します。
世の中、こんなに隠れマキ・ファンがいたのかと驚きますが、しかし・・・いま、この時代の浅川マキを、僕らは持つことができるのでしょうか。
<DISC.1>
01. 夜が明けたら(「浅川マキの世界」より)(1970)
02. ちっちゃな時から(「MAKI LIVE」より)(1972、※初CD化)
03. 赤い橋(「MAKI LIVE」より)(1972、※初CD化)
04. 放し飼い(「こぼれる黄金の砂」より)(1987)
05. あなたなしで(「灯ともし頃」より)(1976)
06. ガソリン・アレイ(「MAKI LIVE」より)(1972)
07. それはスポットライトではない(「浅川マキ ライヴ 夜」より)(1978)
08. かもめ(「浅川マキの世界」より)(1970)
09. 裏窓(「裏窓」より)(1973)
10. 淋しさには名前がない(「浅川マキの世界」より)(1970)
11. 少年(「MAKI LIVE」より)(1972、※初CD化)
12. にぎわい(「MAKI LIVE」より)(1972)
13. セント・ジェームス病院(「裏窓」より)(1973)
14. こころ隠して(「CAT NAP」より)(1982)
15. こんな風に過ぎて行くのなら(「こんな風に過ぎて行くのなら」より)(1996)
16. マイ・マン(「マイ・マン」より)(1982)
<DISC.2>
01. TOO MUCH MYSTERY(「寂しい日々」より)(1978、※初CD化)
02. コントロール(「WHO'S KNOCKING ON MY DOOR」より)(1983、※初CD化)
03. めくら花(「浅川マキ�」より)(1971)
04. ふしあわせという名の猫(「浅川マキの世界」より)(1970)
05. ナイロン・カバーリング(「寂しい日々」より)(1978)
06. If I'm on the late side(「流れを渡る」より)(1977、※初CD化)
07. 大砂塵(「Blue Spirit Blues」より)(1972、※初CD化)
08. Blue Spirit Blues(「Blue Spirit Blues」より)(1972、※初CD化)
09. ちょっと長い関係のブルース(「マイ・マン」より)(1982)
10. POSSESSION OBSESSION(「アメリカの夜」より)(1986)
11. アメリカの夜(「アメリカの夜」より)(1986)
12. 朝日樓(朝日のあたる家)(「MAKI LIVE」より)(1972、※初CD化)
13. あの娘がくれたブルース(「Blue Spirit Blues」より)(1972)
14. 暗い日曜日(「寂しい日々」より)(1978、※初CD化)
15. ジンハウス・ブルース(「浅川マキII」より)(1971)
16. INTERLUDE(「闇のなかに置き去りにして」より)(1998)
生前、浅川マキのCDは10枚組の自選作品集ボックスが出ていたほかは(マストバイ!)、『DARKNESS I~IV』がリリースされていただけでした。一時、アナログ・レコード時代の旧譜が数枚リイッシューされましたが、本人の強い希望ですぐに廃盤となったそうです。
そんなアナログ・ワールドに生きてきた浅川マキの、いま手に入る最高のベスト盤が発売されました。生前、マキを支えたプロデューサーやスタッフたちが再結集して選んだ、2枚組32曲。ディスク1は比較的よく知られた曲が多いですが、2枚目はあまり知られていない曲が多い、かなり凝った選曲。そして32曲中、なんと10曲が初CD化という、2万円の10枚組ボックスを買ったファンですら買わざるを得ない、憎いつくりです・・。先日、関係者のひとりとお話ししたら、「アマゾンの音楽・フォーク部門でいきなり1位になっていて、一同ビックリした」そう。
しかも本作には、歌詞を収めた通常のブックレットのほかに、彼女をずっと撮ってきた田村仁さんによる、未発表写真で構成された32ページの写真集がついてます。しかもお値段は2枚組で3300円という良心価格。これはもう・・・即ポチしかないですね。
一周忌に向けて、来年初頭には白夜書房と実業之日本社から浅川マキ本が出版されるようです。これも楽しみ! 立派な音楽雑誌ではなく、実話誌などの汚い印刷のページに載っていた、彼女の独特な語り口のエッセイは、一見不釣り合いなようでいて、なんだか妙にしっくりなじんでいたのを思い出します。
世の中、こんなに隠れマキ・ファンがいたのかと驚きますが、しかし・・・いま、この時代の浅川マキを、僕らは持つことができるのでしょうか。
<DISC.1>
01. 夜が明けたら(「浅川マキの世界」より)(1970)
02. ちっちゃな時から(「MAKI LIVE」より)(1972、※初CD化)
03. 赤い橋(「MAKI LIVE」より)(1972、※初CD化)
04. 放し飼い(「こぼれる黄金の砂」より)(1987)
05. あなたなしで(「灯ともし頃」より)(1976)
06. ガソリン・アレイ(「MAKI LIVE」より)(1972)
07. それはスポットライトではない(「浅川マキ ライヴ 夜」より)(1978)
08. かもめ(「浅川マキの世界」より)(1970)
09. 裏窓(「裏窓」より)(1973)
10. 淋しさには名前がない(「浅川マキの世界」より)(1970)
11. 少年(「MAKI LIVE」より)(1972、※初CD化)
12. にぎわい(「MAKI LIVE」より)(1972)
13. セント・ジェームス病院(「裏窓」より)(1973)
14. こころ隠して(「CAT NAP」より)(1982)
15. こんな風に過ぎて行くのなら(「こんな風に過ぎて行くのなら」より)(1996)
16. マイ・マン(「マイ・マン」より)(1982)
<DISC.2>
01. TOO MUCH MYSTERY(「寂しい日々」より)(1978、※初CD化)
02. コントロール(「WHO'S KNOCKING ON MY DOOR」より)(1983、※初CD化)
03. めくら花(「浅川マキ�」より)(1971)
04. ふしあわせという名の猫(「浅川マキの世界」より)(1970)
05. ナイロン・カバーリング(「寂しい日々」より)(1978)
06. If I'm on the late side(「流れを渡る」より)(1977、※初CD化)
07. 大砂塵(「Blue Spirit Blues」より)(1972、※初CD化)
08. Blue Spirit Blues(「Blue Spirit Blues」より)(1972、※初CD化)
09. ちょっと長い関係のブルース(「マイ・マン」より)(1982)
10. POSSESSION OBSESSION(「アメリカの夜」より)(1986)
11. アメリカの夜(「アメリカの夜」より)(1986)
12. 朝日樓(朝日のあたる家)(「MAKI LIVE」より)(1972、※初CD化)
13. あの娘がくれたブルース(「Blue Spirit Blues」より)(1972)
14. 暗い日曜日(「寂しい日々」より)(1978、※初CD化)
15. ジンハウス・ブルース(「浅川マキII」より)(1971)
16. INTERLUDE(「闇のなかに置き去りにして」より)(1998)
【Underworld】世界でいちばんダサいBorn Slippy【フィンランド版YMCA】
このひと(moguminoripさん)、すごすぎ! こういうひとに、日本の腐れ切った地上波TVを変えてもらいたい!
2010年11月10日水曜日
チリのダンシング・ドッグ
友人から教えてもらったYOUTUBE特選映像をもうひとつ。飼い主とメレンゲを踊る犬の絶妙演技です! チリ国内ではちょっと知られた存在であるらしいこの犬、キャリーという名前のゴールデンレトリバーで、飼い主の名前はいまのところ不明。しかし素晴らしい調教結果というか、キャリーちゃんの才能に絶句。なんか日本のテレビ局が、カネにもの言わせて連れてきちゃいそうで怖いですねえ。
ちなみにこの映像、初めてウェブサイトに登場したのが8月31日なのに、これを書いているきょうの時点で、YOUTUBEだけですでに750万以上のヒット数! ネットのちからって、ほんとうにすごいです。
2010年11月4日木曜日
今週金曜日深夜、代官山UNITで池田亮司!
9月のブログでご紹介したとおり、名古屋城で圧倒的な光と音のインスタレーションを披露したばかりのアーティスト池田亮司が、ひと晩だけ代官山UNITに登場します。
“raster-noton.unit”と題された深夜のセットは、盟友カーステン・ニコライとのユニットをメインに据えたパフォーマンス。究極にミニマルでありながら、ダンス・ミュージックとして成立するのか、あの音空間が! これは行かずばなるまい・・・でしょう。
日本が誇るウルトラ・ミニマリズムのアイコン、池田亮司と首領Carsten Nicolai(noto, alva noto)によるスーパー・デュオ、cyclo.が遂に発表する集大成カタログをひっさげての貴重なライヴを披露!二人はそれぞれソロも披露するほか、盟友Olaf Benderによるbyetone、気鋭niboもライヴパフォーマンスを、そして池田亮司の旧友であるWadaがDJで彼らをサポートします。音を周波数のレベルにまで還元化し、徹頭徹尾整然としたサウンドによる美学に貫かれながら、しかしそれでも最上のダンスミュージック足り得る唯一無二のグルーヴを生み出す圧倒的な音響と映像をお楽しみください!
http://www.unit-tokyo.com/schedule/2010/11/05/101105_rasternotonunit.php
“raster-noton.unit”と題された深夜のセットは、盟友カーステン・ニコライとのユニットをメインに据えたパフォーマンス。究極にミニマルでありながら、ダンス・ミュージックとして成立するのか、あの音空間が! これは行かずばなるまい・・・でしょう。
日本が誇るウルトラ・ミニマリズムのアイコン、池田亮司と首領Carsten Nicolai(noto, alva noto)によるスーパー・デュオ、cyclo.が遂に発表する集大成カタログをひっさげての貴重なライヴを披露!二人はそれぞれソロも披露するほか、盟友Olaf Benderによるbyetone、気鋭niboもライヴパフォーマンスを、そして池田亮司の旧友であるWadaがDJで彼らをサポートします。音を周波数のレベルにまで還元化し、徹頭徹尾整然としたサウンドによる美学に貫かれながら、しかしそれでも最上のダンスミュージック足り得る唯一無二のグルーヴを生み出す圧倒的な音響と映像をお楽しみください!
(公式サイトより)
http://www.unit-tokyo.com/schedule/2010/11/05/101105_rasternotonunit.php
2010年8月4日水曜日
しかし腹立つキリンビール!
もうネットや一部週刊誌でも話題になってますが、館ヒロシがドラムを叩いて「おいらはドラマー♪」と歌う、キリンビールの新CM。なんでも収録前に1週間スタジオにこもってトレーニングしたそうで、その成果はさすがにかっこいいのですが、しかし! そのあと裕次郎が「ヤクザなドラマー」と歌ってるところを、館さんは「ヤンチャなドラマー」と歌詞を替えちゃってるではないですか。
いくらご時世だからって、それはないでしょう。歌の「ヤクザ」が暴力団を指すわけじゃないってことぐらい、キリンビールのオッサンたちにはわからないんでしょうか。裕ちゃんの歌を口ずさみながら、ビールのジョッキを空けてきた昭和の日本人たちに、キリンビールは育てられてきた企業なのに。サケ売って、ひとを酔っぱらわせて儲けてる会社に、いまさら健全ぶられてもねえ。
『嵐を呼ぶ男』は映画の監督も、実は主題歌の作詞も井上梅次さんでした。日活全盛期にアクション路線を担った職人監督であり、香港に渡って現地の映画技術向上に尽くし、現代香港映画育ての親のひとりでもあった、僕の尊敬する映画監督です。惜しくも今年2月に86歳で亡くなりましたが、こんなふうにゼニ儲けのために勝手に改変されて、草葉の陰で苦笑していることでありましょう。だって館ヒロシって、石原プロ所属ですよ! ま、本人も内心おだやかじゃなかったのかもしれませんが・・・しかしクールスでデビューした硬派の男にしては、あまりにもクールじゃない、お粗末な舞台でありました。せめてDVDで、本家の貫禄を堪能しておきましょう。
いくらご時世だからって、それはないでしょう。歌の「ヤクザ」が暴力団を指すわけじゃないってことぐらい、キリンビールのオッサンたちにはわからないんでしょうか。裕ちゃんの歌を口ずさみながら、ビールのジョッキを空けてきた昭和の日本人たちに、キリンビールは育てられてきた企業なのに。サケ売って、ひとを酔っぱらわせて儲けてる会社に、いまさら健全ぶられてもねえ。
『嵐を呼ぶ男』は映画の監督も、実は主題歌の作詞も井上梅次さんでした。日活全盛期にアクション路線を担った職人監督であり、香港に渡って現地の映画技術向上に尽くし、現代香港映画育ての親のひとりでもあった、僕の尊敬する映画監督です。惜しくも今年2月に86歳で亡くなりましたが、こんなふうにゼニ儲けのために勝手に改変されて、草葉の陰で苦笑していることでありましょう。だって館ヒロシって、石原プロ所属ですよ! ま、本人も内心おだやかじゃなかったのかもしれませんが・・・しかしクールスでデビューした硬派の男にしては、あまりにもクールじゃない、お粗末な舞台でありました。せめてDVDで、本家の貫禄を堪能しておきましょう。
2010年5月5日水曜日
エリック・ウィテカーのバーチャル合唱隊!
先週、仕事しながらつけっぱなしにしているCNNから、素晴らしく美しい合唱が聞こえてきました。急いで仕事中断、テレビを見てみると、それは「バーチャル・クワイヤ」、つまりインターネットを介して編成された合唱隊の話でした。
このプロジェクトに挑戦したのはエリック・ウィテカー。アメリカの作曲家で、合唱や吹奏楽の分野では、よく知られた存在です。日本の合唱団でも、よく取り上げられているとか。
ここで紹介する『Lux Aurumque』は、日本のコンサートでは『黄金の光』と訳されるミサ曲なのですが、これを作曲家であるウィテカー本人が、まず無音で指揮棒を振り、それにピアノ伴奏をつけた動画をアップロード。同時に楽譜も無料で配布。その楽譜を見ながら、動画の指揮に合わせて各パートを歌った、なんと12ヶ国の有志185人!が、それぞれの歌声を送り、それをひとつに編集したのが最終的な作品というわけ。
オーストリア、アルゼンチン、カナダ、ドイツ、アイルランド、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、スペイン、スウェーデン、イギリス、アメリカ・・・日本が入ってないのが残念ですが、しかし場所も時間もまったく異なるところで歌われた声が、こんなふうにひとつの音楽に結晶するなんて! 総トラック数は243にもなったらしいのですが、その結果はもう信じられないほど美しくて、ちょっと涙。これ、声明とか、いろんなことで試せそうですね。
ユーチューブにアップされた動画は、いまものすごいヒット数になってるようですが、本人のウェブサイトでは、制作の裏話を織り込んだCNNのメイキング記事が見られます。
連休もお仕事でこころがささくれてるみなさん、これ見て、こころ洗ってください!
2010年3月31日水曜日
ガーナのビートボックス郵便局!
香港の友人が、「こんなの知ってた?」と教えてくれた音源。とりあえず聞いてみてください!
これ、ガーナのアクラ大学内郵便局にて録音されたものだそう。解説によるとガーナの郵便は、手紙でも葉書でも一枚ずつ消印を押して処理するめんどくさいシステムなのですが、この部屋では4人の職員が、口笛でメロディを奏でつつ、こんなふうにバタバタ消印を押したり、切手を貼ったりして、単調な仕事を少しでも楽しくしようとしているのだとか。最高のグルーヴですよねぇ。これじゃ、リズム感かなわないかも。
しかしこの元音源、『Worlds of music: an introduction to the music of the world's peoples』というフィールドレコーディングのCDブックなのですが(幾版かあり、版によってはCD別売りなので注意)、ほかにもアメリカ先住民の歌とか、ミシシッピの刑務所のワークソングとか、渋い音源がどっちゃり入っていて、欲しくなります! 音楽史、音楽民俗学を学ぶ大学生のためのテキストブックなので、当然ながら論文はもちろん充実。こういうの、日本のレコード会社も出版社も、最近ほんとに作ってくれませんからね(怒)。
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