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2012年1月8日日曜日

本ブログはメールマガジン ROADSIDERS' weekly に移行しました!



先週からお伝えしているように、これまで長らくご愛読いただいたこのブログ、このたび有料メールマガジンとして配信させていただくことになりました。名づけて『ROADSIDERS' weekly』、これまでと同じく毎週水曜日の公開です。

いままで、このブログでは連載や展覧会にかかわるお知らせなどを中心に書いてきましたが、「ロードサイド・ウィークリー」はそれとはまったく異なる、「メールでお届けする個人雑誌」です——

雑誌にドキドキしなくなってから、もうずいぶんたちます。発売日をちゃんと覚えていて、その日は本屋に寄るのが朝から楽しみだった、なんて雑誌が前は何冊もあったのに。


20歳になったころに、創刊されて間もないPOPEYE編集部で働き出したのが1976年のこと。それから35年間たったいまも、僕にとっていちばんいとおしいメディアが雑誌であることにかわりはありませんが、この数年間、「これを書きたい、これを見せたい!」という気持ちを受けとめてくれる雑誌が、どんどんなくなってきました。ちょっと、恐ろしいほど急激に。たぶん、同じ思いを抱えているジャーナリストが、たくさんいるはずです。


長引く不景気とか、出版社の広告依存体質とか、編集者の勇気や覇気の欠如とか、いろんなことのせいにするのは簡単ですが、でも、なくなっちゃったものに文句言っててもしょうがない。だれもやってくれないなら、自分でやるしかない! というわけで、2012年1月からメールマガジンという形式で、個人雑誌を発行します。もちろん、ほんとは印刷した雑誌にしたいけれど、それは不可能なので、メルマガにさせてもらいました。でも、このほうが書籍よりもはるかにスピーディに、たくさんの写真や長い文章をお送りできます。日本の、世界のどこにいても受け取ってもらえます。


名づけて『ROADSIDERS' weekly』。毎週水曜日に、月に4回お届けします(第5週目はお休み)。2009年5月から毎週水曜日にブログ『roadside diaries』を書いてきましたが、これは僕にとってメルマガ発刊のためのトレーニングでもあり、ウォーミングアップでもありました。


ロードサイダーズは毎月1000円の購読料をいただく有料メールマガジンです。1冊あたり250円。そのお金で取材に行き、書き下ろし、撮り下ろしの記事を制作して読んでいただきます。毎回、新しい記事が1、2本。それにいままで単行本に未収録だった、さまざまな記事もアーカイヴとして併せてお届け。なので毎週、かなりのボリュームになるはずです。これまではブログ形式だったので、スマートフォンではない、ふつうの携帯電話でもお読みいただけましたが、今回は長い文章とたくさんの画像を含んだ内容(HTMLメール)になるため、ふつうの携帯では画像がはじかれてしまいます。できればパソコンかスマートフォン、iPadのようなデバイスでお読みください。


読んでほしいレポートやインタビュー、見てほしい写真、知ってほしい場所やモノや、ひとびと。どの雑誌にも載せることができなかったストーリーを、購読料を取材費にして実現させてくれるみなさんは、僕にとってカスタマーというよりサポーターです。どこまで走っていけるかわかりませんが、かけがえのない伴走者であり、尻を叩いて背中を押してくれる鬼コーチであり、周回遅れの孤独なランナーに届く声援です。


ひとりでも多くのみなさんと、ロードサイダーズ誌上でお会いできますよう。

というわけで内容の詳細、お申し込みなど、こちらのウェブサイトでご覧ください:


いままではいろいろな雑誌でまず連載、そして素材が貯まったところで単行本化、というのが通常の流れだったのですが、これからはこのメルマガをメインの発表の場として、これまで実現できずに悔し涙にまみれていたアイデアを、ノンストップでどんどん発表していくつもりです。毎日が全力疾走、なのでひとりでも多くのみなさまのサポートをいただけますよう、こころからお願い申し上げます。

毎週水曜日、誌上でお目にかかりましょう!

2011年12月28日水曜日

そして妄想芸術劇場「ぴんから体操」電子書籍版・発売!



さきごろ印刷書籍版を、恵比寿NADiffにて先行発売した、伝説の投稿イラスト職人「ぴんから体操」作品集の、電子書籍版がリリースされました! 印刷版はオンデマンドのため、3500円と高めの設定になってしまいましたが、電子版は1500円と超お買い得です! 
発行元のbccksが提供する、専用の読書アプリも、PC、MacはもちろんiPad、Androidまで各種がそろって、非常に見やすいつくりになってます。この機会にぜひお試しください! 印刷書籍版と電子書籍版の両方でお送りする妄想芸術劇場シリーズは、来年もさらに新刊をお送りする予定です。お楽しみに!

2011年12月22日木曜日

ROADSIDERS' weekly 発刊のお知らせ!

いきなりのお知らせで恐縮ですが、これまで長らくご愛読いただいたこのブログ、来年Ⅰ月4日から、有料メールマガジンとして配信させていただくことになりました。名づけて『ROADSIDERS' weekly』、これまでと同じく毎週水曜日の公開です。


いままで、このブログでは連載や展覧会にかかわるお知らせなどを中心に書いてきましたが、「ロードサイド・ウィークリー」はそれとはまったく異なる、「メールでお届けする個人雑誌」です——

雑誌にドキドキしなくなってから、もうずいぶんたちます。発売日をちゃんと覚えていて、その日は本屋に寄るのが朝から楽しみだった、なんて雑誌が前は何冊もあったのに。


20歳になったころに、創刊されて間もないPOPEYE編集部で働き出したのが1976年のこと。それから35年間たったいまも、僕にとっていちばんいとおしいメディアが雑誌であることにかわりはありませんが、この数年間、「これを書きたい、これを見せたい!」という気持ちを受けとめてくれる雑誌が、どんどんなくなってきました。ちょっと、恐ろしいほど急激に。たぶん、同じ思いを抱えているジャーナリストが、たくさんいるはずです。


長引く不景気とか、出版社の広告依存体質とか、編集者の勇気や覇気の欠如とか、いろんなことのせいにするのは簡単ですが、でも、なくなっちゃったものに文句言っててもしょうがない。だれもやってくれないなら、自分でやるしかない! というわけで、2012年1月からメールマガジンという形式で、個人雑誌を発行します。もちろん、ほんとは印刷した雑誌にしたいけれど、それは不可能なので、メルマガにさせてもらいました。でも、このほうが書籍よりもはるかにスピーディに、たくさんの写真や長い文章をお送りできます。日本の、世界のどこにいても受け取ってもらえます。


名づけて『ROADSIDERS' weekly』。毎週水曜日に、月に4回お届けします(第5週目はお休み)。2009年5月から毎週水曜日にブログ『roadside diaries』を書いてきましたが、これは僕にとってメルマガ発刊のためのトレーニングでもあり、ウォーミングアップでもありました。


ロードサイダーズは毎月1000円の購読料をいただく有料メールマガジンです。1冊あたり250円。そのお金で取材に行き、書き下ろし、撮り下ろしの記事を制作して読んでいただきます。毎回、新しい記事が1、2本。それにいままで単行本に未収録だった、さまざまな記事もアーカイヴとして併せてお届け。なので毎週、かなりのボリュームになるはずです。これまではブログ形式だったので、スマートフォンではない、ふつうの携帯電話でもお読みいただけましたが、今回は長い文章とたくさんの画像を含んだ内容(HTMLメール)になるため、ふつうの携帯では画像がはじかれてしまいます。できればパソコンかスマートフォン、iPadのようなデバイスでお読みください。


読んでほしいレポートやインタビュー、見てほしい写真、知ってほしい場所やモノや、ひとびと。どの雑誌にも載せることができなかったストーリーを、購読料を取材費にして実現させてくれるみなさんは、僕にとってカスタマーというよりサポーターです。どこまで走っていけるかわかりませんが、かけがえのない伴走者であり、尻を叩いて背中を押してくれる鬼コーチであり、周回遅れの孤独なランナーに届く声援です。


ひとりでも多くのみなさんと、ロードサイダーズ誌上でお会いできますよう。

というわけで内容の詳細、お申し込みなど、こちらのウェブサイトから、すでにご案内を始めています:


このメールマガジンは、実のところ僕のなかではずいぶん前からあたためていたというか、「やりたいけど、どうしよう・・」と、なかなか踏み切れないでいたプロジェクトなのですが、最近の出版業界の激変が背中を押してくれたかたちで、「もう、やるしかない!」とスタートした清水舞台飛びおり企画です。

いままではいろいろな雑誌でまず連載、そして素材が貯まったところで単行本化、というのが通常の流れだったのですが、これからはこのメルマガをメインの発表の場として、これまで実現できずに悔し涙にまみれていたアイデアを、ノンストップでどんどん発表していくつもりです。毎日が全力疾走、なのでひとりでも多くのみなさまのサポートをいただけますよう、こころからお願い申し上げます。

毎週水曜日、誌上でお目にかかりましょう!

紀伊國屋scripta:少女ポーズ大全


紀伊國屋書店が期間で配っている無料広報誌『scripta』。今回取り上げたのは『少女ポーズ大全』。アート・マニア、少女マニア双方からの熱い視線を集めているこの一冊、会田誠さんの監修(というかディレクションですね)によって誕生した、すばらしくうさんくさくて、すばらしくクレバーな一冊です。しかもCD-Rつき!


しかしこないだは麿赤児さんの『ハイパーアングルポーズ集SP 怪人』も出たし、BL系のもすごいし、最近ポーズ集って、けっこう来てますよね。『scripta』は全国各地の紀伊國屋書店店頭で!

2011年11月24日木曜日

「ぴんから体操」の自費出版作品集を会場で先行発売!

VOBO妄想芸術劇場を読んでいただいているみなさまにはおなじみ、日本アンダーグラウンド・エロティック・アート界が生んだ、不世出のアウトサイダー投稿アーティスト「ぴんから体操」の作品集がついに完成しました。


だれでも自分の作品集が印刷/電子出版の両方で実現できるという、グラフィック・デザイナー松本弦人さんが提唱したプロジェクト「BCCKS」のシステムで、実はこれから妄想芸術劇場のスター・アーティストたちの作品集を続々発売予定なのですが、まずは第1弾として、この方しかいないでしょうという「ぴんから体操」をご覧いただきます。


印刷本のほうは文庫本サイズ、オンデマンド印刷なので、お値段は3500円(予価)と少々お高いですが、これは他に類のない貴重な資料だし! 電子書籍版のほうは12月初旬にはダウンロード開始予定で、こちらは1500円(予価)とお買い得。PCはもちろん、iPadでもiPhoneでもAndroidでも読めます。電車の中とかで読むには、そうとう勇気いりますが・・・。

しかし印刷版のほうも、「これがオンデマンド?」と驚くような、しっとりと美しい仕上がり。僕もびっくりしました。ぜひ会場でお手にとってご覧ください。しかも約300ページというウルトラヘヴィなボリューム。これから販売サイトも整備していきますが、いま現在、この本を購入いただけるのはNADiffの会場のみになります。レアブックス好きのみなさま、アウトサイダー・アート・ファンのみなさま、そしてエロ愛好家のみなさまに、自信を持っておすすめします!!!

BCCKS http://bccks.jp/
VOBO 妄想芸術劇場 ぴんから体操 http://vobo.jp/pg94.html

2011年11月17日木曜日

小悪魔ageha 中條編集長・退任!

尊敬する編集者である『小悪魔ageha』の編集長・中條寿子(なかじょう・ひさこ)さんが、『ageha』を離れ、退社すると聞いてびっくり。ご自身が経緯を書いている『週間金曜日』を買いに走りました。


「1993年のコギャル発祥年に15歳だった」中條さんは、ご存じのように2005年にスタートした『小悪魔ageha』によって、コギャルからキャバ嬢にいたる欲望の身体表現を、ひとつのスタイルにまで高めた希有な編集者です。

その彼女が、分身とも言える『ageha』を去ることになったのは、ひとつにはいつまでも同じことを繰りかえしていたくないということ。そしてもうひとつ(こっちが主な理由だと思いますが)、「版元はもうこりごり」だというのです。

『ageha』の発行元であるインフォレストは、中條さんが入社して間もなく「金融屋に買収され・・ゴミのような扱い」を受けながら、「いつのまにか親会社が変わったり・・現れてもすぐに消える身元がよくわからないおじさんたち」が、好き勝手なこと言っては、編集者たちが死にものぐるいでつくったものの、利益だけをかすめとっていく、そういう態勢にほとほと嫌気がさしたと書いています。

中條さん曰く、これはインフォレストにかぎったことではなく、中小の出版社はどこも似たり寄ったりで、その原因は「いまの出版界が非常に混乱しているからで、雑誌はおまけで、”おまけ”が本命という雑誌破壊のA級戦犯が潤う反面、ほんとうにおもしろいページだけを求めている読者が宙に浮き、私たち編集者という小作人は『いいページを作りたい』という編集のアイデンティティさえ奪われた」と。そのとおり!!!

最近の、特に女性誌の「おまけ戦略」には、常軌を逸したものがあります。一冊ずつがビニールヒモでくくられた雑誌の山は、書店と言うより八百屋の特売コーナーのようでもあり、ほんとうに醜い光景です。「おまけ」の包み紙と化した本誌のページを作らなくてはいけない編集者の悲哀も、察するにあまりあります。経営陣だって、これが長く続くとはだれも思っていないはず。大手はどこも、すでに勝ち逃げ、売り逃げのシミュレーションを練っているにちがいありません。

書店の店頭はこのとおり、これって雑誌なんでしょうか。

それでも本を、雑誌を愛することをやめない中條さんは、すでに新しい形でのスタートを準備中だそう。構造的な出版不況の中でもがきつつ、どうにかしていいものを作りたいと苦闘中の編集者のみなさん、ぜひご一読を! 共感し、励まされること確実です。

A級戦犯の社屋には「No.1」の旗が誇らしげに!

2011年11月2日水曜日

季刊『TRASH=UP!!』最新号に三上寛さんとの対談収録!

「日本で唯一のトラッシュカルチャーマガジン」という触れ込みの『トラッシュアップ』最新号に、今年7月に西荻窪ZEN PUSSY にて行われた三上寛ライブ&公開対談が、全4段組で12ページ、めちゃ長くて充実です!


なんか兄弟みたいで恥ずかしい・・

しかしこの雑誌、もう10号ということですが、今回も・・・

●ジョン・カーペンター特集 最新作「ザ・ウォード/監禁病棟」
●再検証「スクリーム」シリーズ 
○夢の初対談! 三上寛×都築響一 
○バスタオルアクションの魅力を語りつくす 
○二階堂和美の人生相談 
○90年代、独創的ネオ江州音頭で「ワールドミュージック」ブームの虚妄を鮮やかに切り裂いたマッド唯丸こと初代・桜川唯丸師匠インタビュー。
○「サウダージ」
○チャン・ギハ ライヴレポート 
○緊急対談!西村(THE LOODS)×ISHIYA(FORWARD) 
○話題の女性SSW・安藤明子インタビュー 
○テクマ!インタビュー 
○大好評連載!柳下毅一郎訳/リチャード・フライシャー自伝「泣くときにはそう言って」第二回 
○DooM インタビュー

などなど、わかるひとにはわかる、しかしわからないひとには理解不可能な濃厚企画満載で、しかも今回から版型もA4にスケールアップ、しかも300ページ、しかもお値段が税込み1575円って・・安すぎでしょう! これ、採算取れるんでしょうか。こんな貴重な雑誌はぜったい潰れては困るので、みなさん購入して応援しましょう!

2011年10月19日水曜日

上野でデスメタル専門ファンジン展覧会

こないだタイの地獄庭園の写真展『HELL』を開催した上野の「ガレリア・デ・ムエルテ」で、ちょっと楽しげな展覧会が始まります。名づけて『アルティメット・アンダーグラウンド』・・ぽいですね〜〜。


この展覧会は「1980年から90年代中期までに発行された世界中のデスメタル、グラインドコア、ブラックメタルのファンジン」を集めたという、かなりピンポイントのコレクション展。いまではZINE(ジン)ということばもけっこう普及してきましたが、内容がデスにグラインドにブラックとなれば、そのテイストもまたアルティメット。最近のクリーンでおされなグラフィックに辟易してるみなさんには、かっこうな刺激になるかと。



galeria de muerte では11月3日 (木)から12月27日 (火)まで、"Ultimate Underground"と題して1980年から90年代中期までに発行された世界中のデスメタル、グラインドコア、ブラックメタルのファンジンを展示いたします。


ファンジンの魅力はやはり手作り感と作り手の思いが冊子にダイレクトに反映されているとこではないでしょうか。表紙の扉絵や挿し絵なども素人が描いたものがほとんどで独特の描写、稚拙さにはアウトサイダーアートと同じ感性を感じます。

今回の展示ではかつて私が1992年から1995年の間に発行した「Circle of the Grind 'zine」を始め自分のコレクションの一部を展示。そして国内外の多くの友人から協力を得て1980年のドイツのジンからアメリカ、東欧、南米、日本のファンジンなど200冊以上のファンジンの表紙を展示いたします。


この機会にファンジンの魅力にぜひ触れて頂ければ幸いです。
(ギャラリーのお知らせより)


なお、ギャラリーがあるのは上野田原町。まわりは仏壇屋さんばかりで、デスメタル、ブラックメタルにはこれ以上ないという立地なのですが、帰りにはお店ものぞいてみましょう。数珠から仏壇用具まで、かなり渋めのアイテムが見つかります!

Ultimate Underground - An Exhibition of Underground Death Metal Fanzines
会期 : 11月3日 (木)から12月27日 (火)
会場 : galeria de muerte
オープン : 13:00 - 19:00
お休み : 毎週 水曜 / 日曜

110-0015
東京都台東区東上野 3-32-1-3F
galeria de muerte
03-3835-8278
http://www.galeriademuerte.com
[email protected]

2011年9月28日水曜日

紀伊國屋scripta:歌謡・演歌・ナツメロ ナレーション大全集


紀伊國屋書店が期間で配っている無料広報誌『scripta』。今回取り上げたのは『歌謡・演歌・ナツメロ ナレーション大全集』。判型は文庫版サイズ、しかし1030ページ、暑さ5センチ! 堂々たるヴォリュームの新刊であります。軽く自立しちゃう厚さだし。

(出版社サイトより)

気づいてくださいこの花に
夢という名の希望の水を
分けてくださいこの花に
恋の痛みに泣きながら
あなたの愛だけ待っている
私は哀しい水中花
 (『愛の水中花』松坂慶子)

「昭和の万葉集」とも呼びたくなる、情念の短詩型に浸る喜びを堪能してください! ナレーションに頻出する単語を集め、解説を付した単語集「巻末付録・ナレーション作りのための演歌ことば辞典」も、「夜の季語辞典」と呼ぶべき貴重なコレクションです。

scriptaは紀伊國屋書店の各店で無料配布してますが、店によってはすぐなくなっちゃうので、お早めにゲットよろしく!

根本敬連作小説集『画因画因画因』

出ましたねえ、根本敬先生の小説集! 『画因画因画因』で「がいんがいんがいん」と読むそうです。

平凡社のウェブ連載に加筆されたこの新刊、内容はというと——

お前の物語はどこにある? 特殊漫画家・根本敬が悩める若者に贈る初めての小説集!! 成功を夢みる韓国人歌手、三流寿司屋で働く若者、男色の世界で実業家となる兄弟らが複雑に絡み合い、マヌケでくだらない因果な日常を生きる。「ウェブ平凡」連載に書き下ろしを加えた連作物語集。
お前の中の俺を返せ! サクセスを夢見て玄界灘を渡った無名歌手、場末の回転寿司で働く全てがかったるい青春、ハッテンバで成り上がり実業家となる双子らが交錯し、マヌケでくだらない日常を生き抜く―。映画やマンガのような生き方に憧れ、人生の虚妄にまどう若者に贈る連作小説集。
(公式サイトより)

となってますが、

「アリラン・プレスリーの朧気(おぼろげ)」
「お寿司9696(クルクル)会館」
「元祖肉屋のサル」
「探偵占い物語」

と、タイトルを並べていくだけで、ファンなら目の前にあのめくるめく根本ワールドが、ぶわっと広がるはず。そしてあたかもあの混沌とした画の世界をそのまま文字化したような文章は、期待にたがわぬエクストリームなコンテンツ。静かな狂気に充ち満ちてます。

例によって表紙も渋〜いデザインなので、買ったらかならずカバーを取ってチェックしてみましょう。

2011年9月7日水曜日

夜露死苦現代詩2.0 RUMI

あっという間にもう5回目を迎えた、今月の『夜露死苦現代詩』に登場してくれるラッパーは「RUMI(ルミ)」。連載初の女性アーティスト。とはいえJ-HIPHOPにありがちな、可愛らしいプチ・ビッチ・イメージとは対極にある、骨太の詩人でありラッパーであり、シンガーです。反原発運動にも積極的に関わっているので、高円寺デモなどの報道で彼女のことを知ったひともいるかも。


HIPHOPという狭い枠にとらわれない、そのワイルドでアクティブな生きざまを、18ページのロング・ストーリーで堪能してください! 例によって特設サイトでは、『R.U.M.Iの夢は夜ひらく』『公共職業安定所!』『蛹・サナギ・』『あさがえり』の4曲が、フルで聴けます。ぜひぜひ、爆音で彼女のラップに浸りながら、読んでいただけますよう。


夜露死苦現代詩・特設サイト http://www.shinchosha.co.jp/shincho/4649/

2011年8月24日水曜日

『@DOMMUNE』発売!

というわけで、ちょうどタイミングよく発売された『@DOMMUNE』。本書とは別に、配信記録をまとめた『DOMMUNEオフィシャルガイドブック』が、やはり今月発売だそうですが、こちらはDOMMUNEとはなにか、そしてどうしてこんな無謀なプロジェクトに命を賭けているのかを、主宰者(というよりMC=マスター・オヴ・セレモニーですね)の宇川直宏くんが語り、書き下ろした力作です。

DOMMUNENにいままで登場してきたアーティストたちとの対話形式をメインに、宇川くん自身がひもといていくDOMMUNEの理念は明快にしてラディカルですし、巻末に置かれた本人の回顧録とでも言うべき、クレイジーなトリップの軌跡は感動的ですらあります。

『スナック芸術丸』の担当者として、僕も「宇川直宏・伊藤ガビン・都築響一」の鼎談というかたちで、本書に少しだけ参加させてもらってます。「DOMMUNEとは滅びゆく活字メディアに対するレクイエムである」という宇川くんの言葉に、DOMMUNEを観てくれているひとなら深く共感できるはず。

活字メディアどころか、民放テレビ局が軒並み滅びはじめている現在、たった数人のシロウトが手作りで、採算度外視でつくりあげた奇跡のメディア。これを読んでくれれば、今夜からのDOMMUNEがいっそう楽しく観られるのはもちろんですが、これを読んで刺激されて、日本のいろんなところでDOMMUNEのようなマイクロメディアを立ち上げようという、無謀なチャレンジャーがどんどん出てきたら、それが宇川くんにとって、そして参加させてもらった僕らにとっても、考えうる最高のリアクションであるにちがいありません。

2011年8月18日木曜日

『監獄ラッパー B.I.G. JOE』発売!

『新潮』に連載中の『夜露死苦現代詩2.0』でさきごろ取り上げた北海道在住のラッパー、B.I.G. JOEの自伝が発売されることになりました!(8月25日発売予定)

連載を読んでいただいた方はおわかりかと思いますが、B.I.G. JOEは90年代を通して日本語ヒップホップの先駆者として北海道のシーンを牽引する存在でありながら、2003年にヘロイン密輸容疑で逮捕、オーストラリアで6年間の刑務所生活を送ることになります。

自伝ではその過酷な刑務所生活の中で、いかに自分がヒップホップを再発見し、獄中からひそかにカセットテープを送ったり、電話を通してラップしながら、制作活動を持続させていったか、そしてそういう前向きな姿勢を保ちつづけることによって、いかに自分がクリーンな存在としてカムバックを果たすようになったのかが、素直な筆致で描かれています。

囚人番号345506、南の果ての記憶

2005年、奇妙な音声で録音された「Lost Dope」という曲が、日本のヒップホップ・シーンに衝撃を与えた。声の主は札幌出身のラッパーB.I.G. JOE。ヘロイン密輸容疑で逮捕され、オーストラリアの刑務所に服役中だった彼は、日本への国際電話を利用し、そのラップを吹き込んだのだ……。本書は、異国の獄中で過ごした日々を綴った、B.I.G. JOE 6年間の手記である。事件の顛末、裁判の行方、塀のなかの過酷な生活、そして、前向きに生きる力を与えてくれたラップという表現手段。収監中の身でありながら日本で発売された数々の作品は、どのように制作されたのか? 長い刑期のなかで彼は何を感じ、何を思ったのか? その全貌が、ついに明かされる。

【CONTENTS】
■プロローグ
■密輸計画
■無言の取調室
■幻覚と選択
■裁判
■判決=Not完結
■愛と孤独と決別と
■新天地
■ジェイルで生きるための10の戒め
■グローバルな食生活
■ロスト・ドープ
■マッチョ・ワールド
■スタジオのある刑務所
■監獄ラッパー誕生
■母の面影
■ザ・犯罪学
■塀のなかの住人たち
■ドラッグ・ビジネス
■ミッドナイト・エクスプレス
■LIKE A 修道院
■生きることと創造すること
■6年
■フリーダム・フライト
■再会
■監獄ラッパー・イズ・バック
■解説:二木 信
                        (出版社サイトより)

当然ながら、連載記事の中では語られることのなかった、刑務所生活のディテールにも大きな割合がさかれ、極限状態の中でクリエイティブでいつづけることが、精神を正常に保つ上でいかに重要かが、行間からひしひしと伝わってきます。

なお、『新潮』の連載にあわせてつくられた特設サイトでは、まだ連載記事の抜粋と、B.I.G. JOEの過去の音源が4曲もフルで聴けるようになっていますので、本書とあわせてチェックしていただけたら幸いです。


夜露死苦現代詩2.0 特設サイト B.I.G. JOE:

2011年7月14日木曜日

文庫版・珍日本超老伝 発売!

『演歌よ今夜も有難う』発売を記念した、青山ブックセンター六本木店でのミニトークにご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました。暑い中、しかも立ち見で、ほんとに感謝です! 表紙を飾ったみどり・みきさんもわざわざ来ていただいて、盛り上がりましたね。

そろそろ手元にいろんなリアクションが来ているのですが、親友の大竹伸朗君が、すごくいいことを言ってくれました——「このひとたちは、お遍路さんなのかもしれない。凡人には見えない88ヶ所をめぐる使命を与えられし人々」。ほんとにそのとおりです!

僕にとって、このインディーズ演歌歌手たちを訪ね歩く旅は、実はフェイズ2というべきプロジェクトでありまして、その前のフェイズ1だったのが、2007年に発表した『巡礼—珍日本超老伝』。すでに絶版になっているのですが、それがこのほどちくま文庫で復活しました!


オリジナルはすべてモノクロでしたが、今回はカラーの口絵つき。そして文庫版のおまけ(と言っちゃあ失礼ですが)に、以前『東京右半分』で3回にわたって掲載した、日本最大・最高・最強の縄師であり、日本SM界のゴッドファーザーでもある濡木痴夢男先生の伝記を載せています。





28人の暴走じいさんたちの、オリジナル版刊行以来の消息も、わかるかぎり書いておきましたので、前のを読んだ方も、チェックいただけたら幸いです。「老人よ、大志を抱け!」 年取ったからって、枯れてる場合じゃないでしょ!!!

2011年7月7日木曜日

夜露死苦現代詩2.0 鬼

いま、もっとも生きのいい、リアルな言葉を紡ぎ出す、ラッパーという名前の「ストリートの詩人たち」を探し求める連載。前回ご紹介した千歳在住の伝説的ラッパーB.I.G. JOEに続いて、第3回目は鬼一家の「鬼」。


とにかくそのすさまじい生い立ちと生きざま、それに裏打ちされたすさまじいリリシズムを、全身で浴びてください。いままでCDに歌詞カードをつけることのなかった彼が、みずから校正したリリックの数々も、たぶん活字になるのは初めて。ファンは必読です!

そしてさらに! 本連載のためにつくられた新潮社の特設サイトでは、記事の抜粋が読めるほか、なんと超名曲『小名浜』をはじめ、『シャンパンコール』『精神病質』『おもちゃ』『つばめ』『またね』の6曲がフルに聴けます! ぜひ音源を聴きながら、記事を読んでください。しかし、ここまでサービスしていいのか!?

夜露死苦現代詩・特設サイト http://www.shinchosha.co.jp/shincho/4649/

2011年6月23日木曜日

『演歌よ今夜も有難う』ついに単行本、24日発売!

2009年5月から2010年4月まで、1年間にわたって平凡社のウェブ・マガジンで連載された『演歌よ今夜も有難う』が、1年間かけてようやく単行本になりました。

だれも知らない、だれも知ろうともしない、インディーズ演歌の世界。それはある意味ロックよりもハードで、ヒップホップよりもタフな、ほとんど報われることのないまま、歌のちからだけを信じて生きている人間たちの物語です。18人の、18とおりの演歌人生劇場に、震えるコブシとともに浸ってください。笑って、泣いてください!

・・・

たったひとり部屋にこもって宅録した音源や、友達とバンドを組んで貸しスタジオで録ったテープを、お小遣いを使ってCDにして、レコード屋の自主制作コーナーに置いてもらう。それがいつのまにか評判になり、気がついたらメジャー・デビューしてロック・スターの仲間入り。そんなサクセス・ストーリーが、ポップスの世界ではあたりまえに起きている。


でも、演歌や歌謡曲でも、同じように自分の貯金をはたいてCDを出したり、カラオケ喫茶や健康ランドや、テレビとラジオ以外のマイナーな場所で歌いつづけ、がんばりつづけている人がたくさんいることを、僕らはほとんど知らされていない。


自分で曲と詞を書いて、録音もして、ジャケットも自宅のプリンターで印刷して、その気になればいくらもかからずにCDができてしまうロックやヒップホップとちがって、演歌や歌謡曲のCDを自分で作るには、数百万円単位の予算が必要になる。作曲家の先生、作詞家の先生、編曲家の先生、バンドマン、ジャケット撮影のカメラマン、それにCDのプレス代に、発売を委託するレコード会社への手数料(ポップスとちがって、歌謡曲の自主制作盤をきちんと扱ってくれるレコード屋は皆無に近いから、発売元のレコード会社がないと、現場で手売りするぐらいしか販売方法がなくなってしまう)・・・。たとえレコード会社が契約してくれたとしても、実態は「プレスした分、全部買い取ってください」という、ほとんど自主制作とかわらない場合が少なくない。


僕らがカラオケで歌うのは演歌や歌謡曲であることが圧倒的に多いのに、いちばん身近にある歌の世界が、この国ではいちばん過酷な状況に追い詰められている。


プロの歌手としてデビュー以来、半世紀以上歌いつづけているベテランから、この時代にあえて演歌歌手を目指してバイト代を自主制作CDにつぎ込む若手まで、レベルや芸歴はさまざまでも、歌に賭ける思いの深さはだれにも負けない、これはそういう歌い手たちを訪ね歩く旅である。


テレビ局と広告代理店とプロダクションがつるんで、でっちあげていくスカスカの歌があり、スナックのステージや商店街の雑踏の中で、ときに無視され、ときに涙と声援を受けながら、うたいつづけられる歌がある。

君はどちらの歌を選ぶだろうか。
君はどちらの歌に選ばれるだろうか。

・・・

そして平凡社のブログでは、本書の発売を記念して、24日から18日間連続で、特別記念記事をアップします。毎日ひとりずつ、歌手の紹介、本書からの抜粋、さらにはほとんど入手困難なことが多い彼ら、彼女たちの曲と、ある場合には動画も!youtubeにアップ、本サイトからのみ視聴できるようになります。こちらもぜひ、本書とともにご試聴ください。


紀伊國屋scripta:『ホットロード』


紀伊國屋書店が季刊で配っている、無料広報誌『scripta』。今回はなんと、『ホットロード』の分厚い「一冊丸ごと読める」版。全833ページ、厚さ6.6センチ! もちろん紡木たく先生による、1980年代の日本のストリート・カルチャーが生んだ代表作。


残業や、お付き合いだけの飲み会に疲れ果てて深夜のコンビニに寄った、かつての『ホットロード』世代が、雑誌でも立ち読みしようとして偶然この分厚い本を見つけて、思わず立ちすくんでしまう様子が、狭いユニットバスやベッドの中で一気に読み切って、20年前と同じように泣いてしまうすがたが、目に浮かびます。

2011年6月16日木曜日

ワンダーJAPAN 里美かかし祭り

世界唯一(ほんとに!)の廃墟系雑誌、『ワンダーJAPAN』。今号は「熊本・鹿児島 不思議な建築100」という、いつもながらチカラの入った特集ですが、そのうしろのほうで、僕のページは茨城県の里美かかし祭り・リポートです。


東京から150キロ、水戸市から北へ50キロ、名勝・袋田の滝を擁する奥久慈エリア観光へのゲートウェイでもある、常陸太田市里美地区で毎年11月に開かれる『里美かかし祭り』。2010年に第23回を迎えたという、素朴なフォークアート・フェスティバルを、思いきりサイケデリックにお伝えします!


杉山 登志 TVCM作品集

ツイッターで「JUN」について書いたのを読んでくれた方もいらっしゃるかと思いますが、このところ70年代のテレビ・コマーシャルが気になっていて、探していたら出てきたのがこれ! 伝説のCMディレクター、杉山登志の作品を集めたDVDです。ACC(日本シーエム放送連盟)の監修で、なんとAVEXから去年11月に発売されてました・・知らなかった。

日本のCM黄金時代に(いまじゃありません!)、いまだにこれを超える作品は出てないだろうと思える、美しいCM映像の数々を僕らに見せてくれて、国内外の賞もたくさん受賞して、そうして1973年に自殺してしまった、天才CMディレクター。「天才」なんて言葉を簡単に使いたくありませんが、いまだにCM界で、このひとを上回る作家は出ていないし、こんなふうにテレビ局とスポンサーと制作者が、ポジティブに結びあう時代は、もう、とりあえず地上波には来ないのかもしれません。杉山登志の名前は聞いたことなくても、「リッチでないのにリッチな世界など分かりません。ハッピーでないのにハッピーな世界など描けません」という、あまりに有名な遺書の一節を、どこかで目にしたことのあるひともいるでしょう。

このDVDには「き〜らくにいこお〜よ」のモービル石油とか(鈴木ヒロミツがタンポポふーっとやるやつですね)、彼の主要なクライアントであった資生堂の作品群、もちろん多くのひとが最高傑作とみなすだろう「資生堂シフォネット・図書館編」も、ぜんぶ入ってます。全部で59本、見てるうちに溜息がとまらなくなります。「資生堂シフォネット」なんて、映像による30秒間の完璧な短編小説ですから。


いまから40年も、50年も前のCMがこんなに楽しくて、美しくて、そして予算も技術も問題にならないほど向上しているはずの、2011年現在のCMが、どうしてこんなことになってしまったんでしょう・・。

AVEXの特設サイトでは、残された貴重な絵コンテも見られるので、要チェックです。


2011年5月26日木曜日

ROADSIDE USA 特別価格、まもなく終了!


発売から半年間の特別価格期間(9975円)が、今月末で終了してしまいます。6月1日からは通常価格の1万2000円。3000円の差は大きい! まだのかたは、ぜひ今月中にお求めください。内容詳細はこちらの特設サイトで。