NECエレクトロニクスは、現行のアナログテレビでも地上デジタル放送の視聴が可能となる「簡易なチューナー」向けシステムLSIを製品化したと発表した。
日本のテレビ放送は、2011年7月、アナログ放送が停波され、デジタル放送に完全移行するが、テレビ普及台数約1億台のうち、約3500万台のデジタル放送を受信出来ないアナログテレビが停波時においても残存する事が予想されている。
また、停波に伴うアナログテレビの大量排出やデジタルテレビ非保有者の混乱が懸念され、地上デジタル放送への完全移行の大きな課題のひとつとなっている。
その解決策として、総務省およびDpaは、2007年12月25日、地デジ放送の視聴を普及させるために「簡易なチューナー」の仕様ガイドラインを公表。「簡易なチューナー」とは、テレビとアンテナの間に設置するセットトップボックスの一種で、地デジ放送を既存のアナログテレビで視聴できるように変換する手段。
NECエレクトロニクスでは、新製品をセットメーカーが採用することで簡易なチューナーを容易に構築できるとしている。
新製品のシステムLSIは、『EMMA 2TS』の名称で、11月14日からサンプル出荷を開始。サンプル価格は1個2000円で、2009年春から量産を開始し、2010年には月産30万個を計画している。