三浦昂がFIAワールド・バハ・カップ初参戦&初優勝! 足元を支えた「オープンカントリー M/T-R」の絶対的な信頼

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Baja Greece…FIA World Bajas Cup
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2024年5月にギリシャで開催されたオフロードラリー「Baja Greece(バハ・ギリシャ)」で、トーヨータイヤOPEN COUNTRY M/T-R」を装着した三浦 昂選手・ジャン・ミッシェル・ポラト選手組の駆る#203トヨタハイラックス』が最上位のUltimeteクラス優勝(総合3位)を果たした。

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三浦 昂選手はTLC(チームランドクルーザー・トヨタオートボデー)で長年社員ドライバーとしてダカールラリーへ参戦し、同チームの市販車部門11連覇という偉大な結果を支えている1人だ。そんな三浦選手の現在の夢は「ダカールラリー最速のマシンで優勝を果たすこと」。

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初めて読んだ方には壮大な目標に思えるかもしれないが、近い将来三浦選手ならきっと成し遂げるのではないかと感じている。そこで三浦選手の夢の挑戦の裏側、そしてバハ・ギリシャのレースの裏側を三浦選手へのインタビューと合わせてレポートする。

夢の達成に向かって確実に進む、最高峰マシンT1の難しさとは

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三浦選手にとって、そしてトーヨータイヤにとっても今回が初めての挑戦となる「FIA World Bajas Cup(FIAワールド・バハ・カップ)」への参戦。そこでまずは三浦選手に、なぜ今回のプロジェクトが立ち上がったのかを伺った。

Q:今回、ワールドカップに出場した経緯、概要を教えてください

A:私がTLCというチームでラリー活動をしていく上でも、トヨタのランドクルーザー系の開発評価に参加させてもらう意味でも、いろいろな車を知って自分のドライビングスキルを上げていかなければならない、という永久的なテーマがあり、そのやり方を模索していました。

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そんな中、TLCでサポートいただいているトーヨータイヤさんが、ダカールラリーの最高峰クラスであるT-1+*用の新しいタイヤを開発するというプロジェクトが立ち上がりました。そこでタイヤ開発と、自分のドライバーとしてのレベルを上げていきたいというところが重なり合う部分が今回のFIAワールド・バハ・カップだったので、このようなチャンスをいただきました。*ダカールラリーの最高峰クラス:T1+、BAJA Greece:T1 Ultimateクラス

Q:ダカールラリーの最高峰マシンであるT-1に、初めて乗った感想はいかがでしょうか?

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A:やれるやれない関係なくどういう車なのかを、謙虚にしっかり理解しなければという気持ちで臨みましたが、最初に乗った時のファーストインプレッションは、あまりに違うし、「想像以上に速いな…!」というのが正直な感触でした。速く走れるということは運転しやすいことにもつながりますが、限界領域をこの速さで競っているトップ層の選手は想像を超える努力や高いレベルの思考を持っていると思います。そしてこの世界でチャレンジするのが楽しいと感じました。

T-1車両は純粋にタイムを追いかけていきますが、今回オーバースピード気味でコーナーに進入した際に、ひっくり返ったかも!とヒヤリとした場面が実はありました。タイムを追求するほど、ミスは出やすくなるものです。素早くリカバリーする判断と長い距離を走り抜く集中力が必要だと強く思いました。

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Q:今回のバハ・ギリシャで、最も印象に残っているできごとを教えてください

A:当然いい成績を残していきたいと思ったのですが、初めてのチャレンジでは限界もあるので、まずはチームのエンジニアやメカニックにどのようなドライバーが優秀で成長していくかを聞きました。彼らは、無理せず考えて乗ること、そして自分が運転しやすくするために車がどうなっていればいいかをどんどん言ってほしいと教えてくれました。時にその要望はデータ的には遅くなるものであっても、ドライバーが乗りやすいということは次の成長に繋がっていくものだと言っていました。

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自身が普段はトヨタの世界で働いている中で“ドライバーズファースト”という言葉がありますが、レースの最先端の現場でもそのような考えなので、ドライバーとしてどれだけの情報をフィードバックできるかがすごく重要だなと印象付けられた会話でした。

トーヨータイヤが本気の専用スペックを投入!「OPEN COUNTRY M/T-R」の優れたオフロード性能

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Q:「OPEN COUNTRY M/T-R」の総評をお願いします

A:砂(サンド)ではテストをしたことがあって、結果もいい感触だと聞いていました。今回のグラベルでの走行はテストを含めて初めてでしたが、無事にゴールまで走ってデータをとれたのでまずはほっとしました。

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グリップ感には全く不安を感じませんでしたが、今回のスペックではパフォーマンスの変動量が大きいと思いました。初期のパフォーマンスをより長く発揮できるようにしなければ、ロングディスタンスのダカールラリーなどでは厳しい戦いになり、一方でやみくもに耐パンク性と耐久性を上げていっても、コントロールがシビアになっていくと思います。ここをどう磨くかが開発のポイントになるでしょう。

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今回はエントリー台数が少なかったので、全体で3番目にスタートしたときは轍を作っていくポジションでした。仮に私の前に10台走行した状態ですと、それなりに轍はできます。初期の路面に特化させたタイヤ性能が必要かといわれればそうではありませんが、タイムを追求するときにインカットしていくと、その時に大きな石に当たります。市販車ベースの車輌ではここは通らないだろうな、というところを通っていくので、タイヤへの負担は大きいです。

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またT1+は車の運動性能が高いので、WRCのように車をスライドさせながらコントロールする必要があります。空転させながら前に出ていかなければならないので、グリップ限界が使われてる時間が長いのがタイヤにも非常に厳しいコンディションです。

今回のギリシャ戦を走り抜いて感じたことはタイヤが空転していても、アクセルの感覚でインフォメーションが明確に伝わることが長所です。一方で負荷が大きくなることにより、タイヤのブロックが飛んでしまうと、制御ができないという状態になってしまうので、さらなる耐久性が必要ではないかと感じています。

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ライバルに追いつくためではなくライバルに勝つための開発なので、今のいい部分を犠牲にせずに耐久性を上げることは非常にチャレンジングだと思います。

次戦は10月開催のカタールへ! 砂の路面にアジャストしてさらなる快走に期待大

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Q:次戦のカタール戦にむけて、抱負と意気込みを教えてください

A:次に参戦する第6戦カタール(Qatar International Baja)は、砂丘など砂の路面が多くなると思います。T-1マシンで砂を走るのは初めてですが、T-2マシンで砂丘で苦しんだ経験を生かしていい走りをしたいです。また、パワーアップしたOPEN COUNTRY M/T-Rがどのような仕上がりになるか楽しみです。

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三浦選手と約1週間の短い間に密着して感じたことは、常に冷静に自分の置かれている状況を客観視して、少しでもプラスになると思ったことは小さなことでも貪欲に吸収していく柔軟性の高さだ。特に初めてとなるT1マシンは、ダカールラリー戦うランドクルーザーとは真逆で、軽量・ハイパワーでアジリティの高い究極のマシンだ。

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そのような困難な状況においても、積極的にチームスタッフとコミュニケーションを取り、常に変化する環境に合わせて最高のパフォーマンスを発揮していたのが印象に残った。

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そして三浦選手がドライビングに集中できるのは、揺るぎない信頼を誇るトーヨータイヤOPEN COUNTRY M/T-R」が足元を支えてくれているからに違いない。サンドグリップには定評の高いM/T-Rだけに、さらなるタイヤの進化にも期待が高まる。次戦のカタールでは、今回の経験を活かしてさらにレベルアップした走りを見せてくれるはず。三浦選手の今後の活躍から、ますます目が離せなくなりそうだ。

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《取材協力:トーヨータイヤ》
《後藤竜甫》

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