ハードボイルドめし~傷ついた男がなんたらかんたらでハードボイルドに食事をすること
傷ついた男の魂がうんたらかんたら言ってもとりあえず腹は減るわけで。
rabitbikeさんは「ハードボイルド」的な「ハードボイルドなるもの」にやたらな憧れを抱いてしまう人間なのです。
いいじゃない男の世界。かっこいいじゃないハードボイルド。
rabitbikeさんがウィスキーを飲み始めたのもチャンドラーの小説を読みながら、という実に分かりやすい理由。恥ずかしい~!
まあ、この中2病的な嗜好は一生変わらないだろうな、と思いつつ今日もハードボイルド的なものに思いを馳せるわけです。
しかし憧れてはいますが、実際ハードボイルドの主人公になれるよ、と持ちかけられてもたぶん断ってしまうでしょうね。だってキツそうじゃん。
傍から見てる分にはいいけど、実際にその立場になったらキツいんだろうなあ。なので僕は映画や小説だけで満足なのです。ハードボイルドは好きだけど、ハードボイルドな人生は送りたくない。
しかしそんなハードボイルドものでも、実際に体験してみたい、やってみたいことは幾つかあります。
そのうちの一つが食事。
孤独のグルメのゴローちゃんじゃないけど(考えてみるとあれもハードボイルドなるものに憧れを持っている作品だな)、食事とは癒しであり、ハードでタイトな一日のうち、数少ない心休まる時間なのです。
したがってハードボイルドの主人公たちも色々メシを食います。様々な場所で様々な物を。
◆ バーで出てくる上等のあばら肉とヨークシャープディングだったり
◆ アパートメントで、ナイフで切ったソーセージをパンにはさんだものだったり
◆ 身も切れそうな寒い夜に食べる、唇が焼けそうな程熱いアイリッシュシチューだったり
◆ 炎天下の昼下がり、レストランで出される分厚いステーキとつけあわせのマッシュポテトだったり
◆ 焚き火を囲みながら、錫のフライパンで焼かれるベーコンの塊だったり
美味そうに食ったり、つまらなそうに食ったりと登場人物はその時の感情で様々な食べ方をしますが、共通しているのは”ガツガツ食う”こと。
丁寧に食べてても、静かに食べてても、感情描写がなくても伝わってくるのは”ガツガツ”した感じ。男は飢えた獣なんや!
ハードボイルドに出てくる男たちは皆、大なり小なり何かしらに追いつめられています。ハードボイルドの食事作法では、そのせっぱつまった感じが食事にも出てくるのかな。
で、ハードボイルドに憧れるrabitbikeさんもそんな風にハードボイルドなメシを食いたいな~。
なーんて思ってみても、しかし生き方がそもそもハードボイルドとは程遠いrabitbikeさんは、そんな風に憧れてもどんな風に食べればハードボイルドになるのかわからないわけで。
とりあえず、今日の晩飯は桃屋の”やわらぎ”を飯の上にのせて”ガツガツ”と食べました。どうですかハードボイルドですか?
たぶん違うだろうことはわかります。
ハードボイルドな食事・・・。
それは傷ついた男の魂が癒されるウンタラカンタラ。
今日も僕は傷ついてはいない魂と羽を休ませるために、桃屋のやわらぎでご飯をおかわりするのであった。
「マスター。”ごはんですよ”には、まだ早すぎるね」
おわり。
なんつっておかわり。
[日記] [ハードボイルドというよりただの独り暮らしの男の夜食じゃねえか]