Microsoft Excelで波形を描く方法
FPGAインフォメーションの掲示板にて、タイミングチャートを描くときのおすすめツールは?という話題が出ていました。
私はMicrosoft Excelを使って描いています。
Excelの描画機能は、お絵かきソフト以上のことができ、実に高機能です。
この機能を使えば、タイミングチャートだけではなく、いろいろな絵が描けます。
ちょっとした図面なら簡単に描けるでしょう。
今日はその方法を紹介します。
なお、以下の説明で使用したExcelのバージョンは2000ですが、最近の2003とかでも同じようにできるでしょう。
① まず、Microsoft Excelを起動します。
②セルの左上の、何も書いていない左上の部分を、左クリックします。
全部のセルが選択された状態になります。
③ABCDE・・となっている灰色のセルを右クリックします。
プルダウンメニューが開くので、「列の幅」を選択します。
④列幅ダイアログが開くので、0.96にセットします。
これで、全部の列の幅が0.96(=12ピクセル)にセットされます。
⑤今度は縦に「1 2 3 4 ・・・」となっている、灰色の一番左のセルを、右クリックします。
プルダウンメニューが開くので「行の高さ(H)」を選択します。
⑥行の高さダイアログが開くので、9.6にセットします。
これで全部の行の高さが12ピクセルにセットされました。
⑦Excelの表が、縦横12ピクセルの正方形のマス目になります。
この12ピクセルの正方形のマスを作るために、「0.96の9.6」という値の設定が非常に重要です。なぜなら、12ピクセルというのは、大きすぎず小さすぎず、なおかつ2等分しても3等分しても整数になるという非常に使いやすい大きさだからです。
⑧基本的にはグリッドにあわせて、線や四角を描いて行くのですが、
Excelを起動した状態では、描画オブジェクトがグリッドに合いません。
グリッド固定を入れましょう。
画面左下のツールバーから「図形の調整→位置合わせ→グリッドに固定」をセットしてください。
※このツールバーがない場合は、メインメニューの「表示→ツールバー→図形描画」で出てきます。
⑨あとは、Excelの図形描画ツールバーにある、直線ツールなどを使って、線を描いていきます。
⑩では、手始めに、クロック波形を描いて見ましょう。
直線描画ボタンを押すと、直線描画モードになるので、図のように | ̄|_ と描いてみましょう。
これで、クロックが1波形分、描けました。
⑪そうしたら、図形描画ツールバーにある矢印ボタンを押します。
このボタンを押すと、範囲指定で図形を選択するモードになります。
十字形のカーソルだったのが、矢印カーソルに変わります。
⑫さっき描いた波形の上でマウスを滑らし、ビューっと範囲選択します。
選択された図形は、端っこに四角いマーカーが出ます。
その図形の上で右クリックし、プルダウンメニューから「グループ化→グループ化」を選択します。
⑬これでこの1サイクルのクロックは、グループ化されました。
必要なだけコピペしてください。
⑭あとは、信号をどんどん描いていきます。
⑮必要に応じて、文字や、矢印など、補助的なものを入れます。
そして波形が見やすくなるように太くしたり、色をつけたり、コメントを入れたりもします。
Excelでタイミングチャートを描くことの最大の利点は、作ったファイルを他人に渡すことが容易なことです。
専用の波形エディタなどで描いてしまうと、相手も同じソフトを持っていなければ開くことができませんが、Microsoft Excelは事実上の標準ソフトですから、きっとだれでも開けるでしょう。
上で描いた波形は、ダウンロードできるようにしておきました。
「excel-timingchart-sample.xls」をダウンロード
ぜひ、皆さんの環境でも開いてみてください。
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