JLCPCBに実装まで含めて発注してみた
今回、はじめてJLCPCBに実装まで含めて発注してみました。
検索するとJLCPCBに発注する記事はいくつか見かけるのですが、どれもKiCADを使ったものばかりですね。
私はPROTEL99SEを25年使っているのですが、さすがのJLCPCBもPROTEL99SEには対応していません。
ということで、PROTEL99SEで作った部品表を手作業で調整しながら、JLCPCBに発注する方法をまとめます。
まず、いつものようにガーバデータをZIPで固めて、JLCPCBの見積ページにドラッグ&ドロップして読み込ませます。
私の作ったデータの場合、どうしても2層として自動判定されてしまうので手動で4層を選びなおします。
ガーバをアップロードしなおしたりPCBAをON/OFFすると層数が2に、「異なるデザイン」の数量が1に、表面処理が自動的にHASLになってしまので、正しい値を選択します。
基板のオプションなどを設定していって、下にいくとPCB組み立てというのがあるのでONにします。なお、ステンシルはOFFのままでもよさそうです。(PCB組み立てを選んだだけで自動的にステンシルは作られる)
PCB組み立てをONにするとパネルづくりを手伝うかというダイアログが出るので、「いらない」を選択します。
量産するような場合に、面付をJLCPCBに任せて効率化することを意味するようです。
PCB組み立ての選択パネルが開くのですが、デフォルトでは片面実装になっています。
両面実装にするにはエコノミックから標準に切り替えて、組み立てサイドを両面にします。
PCBA数量は最低が2個からなので、少なくとも2枚は実装しなければなりません。
右側の料金計算の部分で「PCBAのみ」と書かれた方を選択して次へを押します。
※PCBAのみというのは、PCB実装しかしてくれないものだと思っていましたが、おそらくPCB実装を依頼する場合のみ選択して良いという意味なのでしょう。
確認の画面が出るので次へを押します。
そして、BOMファイルとCPLファイルを求められます。
BOMは部品表、CPLは配置データのことです。
PROTEL99SEの場合、Cam ManagerでBOMとPickPlaceを追加します。
やり方としては、PROTELが吐き出すBOMファイルの拡張子をXLSに変更してExcelで開き、新しいExcelファイル(xlsx)に内容をコピペして貼り付けます。(拡張子をxlsxにするのと、書式をクリアするため)
BOMは以下のような形式になります。
- 1列目 Comment 素子の値とか
- 2列目 Designators 部品番号
- 3行目 Footprint 形状
- 4行目 LCSC 部品会社LCSCの品番
CommentsとDesignatorsとFootprintはPROTEL 99SEが出力したものをそのまま使えます。自分でやらなければならないのはLCSC品番を調べることくらいです。
ちなみに、LCSCというのは香港の部品流通業者で大量の部品在庫を持っています。Cで始まる部品番号を調べて記入します。このときLCSCが在庫しているデバイスに合わせるために若干手動で調整することがあるかもしれませんし、1.8Vと3.3Vの電源ICを同じ型番で回路図を書いてしまったようなときには、ここで手作業で修正します。
次にPROTELの出力した「Pick Place for ●●●●.csv」という配置データを開きます。
実は、このファイルはそのままCPLファイルとして読み込ませることができます。さすがPROTEL99SE、優秀。25年経ってもまだ使える。
形式は以下のとおりです。
もしかするとFootprintとCommentはBOMと合わせておいたほうがいいかもしれません。
BOMとCPLを読み込ませたら、「BOMとCPLを処理する」ボタンを押します。
私の場合、部品数が多すぎるせいなのかエラーが出ますが、そのまま次へを押せば次に進むことができました。
(もしかするとDESIGNATORSという部品番号の部品がCPLファイルにみつからないと言っているのかもしれない。BOMの先頭行がコメントとして認識されていないだけか?)
BOMとCPLが連携されて、LCSCとも連携されて詳細な部品リストが表示されます。
LCSCに在庫がない部品は「●個不足」にしておきます。
テストポイントみたいに実装しない部品は、BOMでLCSCの列を空欄にしておけば、「部品選択なし」になるので実装されません。(このやり方が正解かどうかはわからないけどうまくいっている)
次へを押した先のダイアログで「配置しない」を押せば、実装されないまま次に進むことができそうです。
基板に部品が乗ったイメージの絵が生成されるので、3Dにして思う存分堪能します。
そして最後の画面で金額を確認して終了です。
基板を作って、1604個の部品を実装しても3万円程度ですからコストパフォーマンスがすごすぎますね。
BOMはExcelを使って自分で書けるし、CPLはPROTELのPickPlaceのCSVがそのまま使えました。
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コメント
PCBgogoに実装依頼したときは、1ゲートロジックがすぐ壊れて、頼んだはずのTOSHIBAのものではない疑惑があったのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
投稿: | 2024.12.23 16:34
すみません、挨拶も書かずに投稿してしまいました。
いつも回路技術の話、その他の話、楽しく見させていただいております。
ありがとうございます。
PCBgogoの話は、自分でDigikeyから買ったロジックをつけて、現在も無事動いています。
投稿: | 2024.12.23 16:37
半導体は怖いですね。抵抗とLEDみたいなわかりやすい部品だけ実装してもらうことにします。コネクタはこちらから支給です。
投稿: | 2024.12.23 18:32