アイコン 翁長知事の動揺

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今年、6月13日に野中広務氏(90歳)が自民党に復党した時が、沖縄問題の大きな転換期だったように思う。
その約2ヶ月後の8月3日に二階俊博氏が自民党の幹事長に就任するわけである。
野中氏も二階氏も沖縄問題に大きく関わってきた旧田中派(経世会)の流れを汲む政治家というのも見逃せない。
幹事長就任まもない9月13日、二階氏が初の「幹事長行脚」に沖縄を選んだ時から、今の流れは予想されたことである。
秀逸のブログ「農と島のありんくりん」を読んで納得しています。

それにしても翁長さん、これからが大変でしょう。

農と島のありんくりん
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/

移り変わる自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する

翁長知事の動揺

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翁長知事は明らかに動揺しています。 
翁長氏にとって誤算だったことはいくつかありますが、最大の失敗は、本土政府の動向を読み間違えたことです。 
政府を決定的に甘く見ていました。
そして山城氏たちが、かくも暴走するとは思っていなかったことです。
この「和解」に不満を持つ山城氏たち平和センター派は、翁長氏の統制の外で実力闘争に及んで「和解」プロセスを破壊しようとしました。
「和解」についてはちょっと分かりにくいので、過去記事をお読みください。

関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-08d4.html 

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http://saigaijyouhou.com/blog-entry-9847.html

なにか深いところで勘違いしてたんですね、山城さんたち。 
自分は正義だからなにをしてもいい、いや正義のためには許されて当然だ、という奢りです。 
しかも政府は下手で見て見ぬふり、県警の指揮権は知事、メディアは味方、本土からは支援が多数来てくれる、ならば何をやってもいいじゃないか。

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 防衛局資料http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-36a1.html
このような甘い情勢認識と奢りは、状況判断を歪めます。 
山城派はまるで熱に冒されたように、高江地区を封鎖するわ、車の下で寝ころぶわ、警官に暴言を吐き散らして挑発するわ、本土から元暴力団員を入れるわ、果ては県道で検問までするわとやりたい放題の始末でした。 
そして何より、高江住民から迷惑だから出ていってくれといわれる始末です。現地を敵にした闘争はありえません。

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司法から見れば「実力による実効支配」とみなされかねない、統治の及ばない地域を山城氏たちは作り出してしまったわけです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/20165-b8be.html
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そしてこの山城派の暴走は、いままで呉越同舟で共闘していた統一連・共産党との事実上の分裂にまで及びます。
共産党は運動の過激化は逮捕を招くだけではなく、運動の孤立化を招くとして批判的しました。
共産党は言っていることが空想的な分、どっこいリアリストなのです。
「ヘリパッドいらない住民の会」の伊佐真次・東村議は基地内行動の趣旨は理解しつつ「逮捕者が出て世論に受け入れられるかどうか」と懸念。「社会に認められ、一緒に頑張れる運動にしたい」と思う。
 統一連の瀬長和男事務局長は「建設を止めたい思いは一つだが、方法論で異なる。那覇の路上で抗議する人もいるし、国の強行に対抗する手段として、みんなが模索している」と言う。(沖タイ10月15日)
伊佐議員は共産党員で、統一連も共産党系団体です。 
こういう山城派の過激な実力闘争に、内心一番眉をしかめたのは翁長氏だったと思います。 
「この微妙な最高裁判決が出る時期にこんなバカやりやがって、第一オレは高江ヘリパッド反対なんか公約していねぇぞ」と怒鳴りたかったでしょう。 
裁判所というのは法律解釈だけではなく、その前後の状況を慎重に読んで勘案します。 
特に今回のような国vs県という構図の場合、県が「和解」を提唱しているのにも関わらず、「オール沖縄」の側が暴力闘争をしてしまえば、ハッキリ言って手を出したほうが負けに決まっています。
だからこそ、国は他県の機動隊を助っ人で派遣しても、いかなる罵声や挑発にも「ならぬ堪忍、するが堪忍」だったのです。
あの高江リンチ事件も、警備の警官の目の前でしているわけで、いかに政府が反対派との摩擦を自制していたのか分かります。
最高裁判事がこの山城派の暴走を見てどのような心証形成をするのか、考えるまでもありません。 
もっとも最高裁の心証を良くせねばならない時期に暴力に走った山城派によって、判決は決定的となってしまったのです。 
翁長氏からすれば舌打ちしたい気分だったでしょう。「バカヤロー、最高裁が出るまで静かにしておれ」、と。 
翁長氏からすれば、背後から斬りつけられたような気分だったことでしょう。 
元々体質が違うのは知っていたが、こういう大事な時期に左翼はこんなことをするのか、と天を仰ぎたい気分だったことでしょう。 
そこで翁長氏の口から出るのが、「高江容認」発言です。

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琉球新報からズタボロに噛みつかれて慌てて撤回しますが、翁長氏の動揺ぶりがよくわかります。
これを静かに観察していた国は、従来の宥和的対応を止めることに決めたのです。
いままで法を犯しまくっていたので当然です。
暴行傷害、器物破損、強要、道交法違反、そして刑事特別法などなど、逮捕要件は山積みしていました。
意地悪な見方をすれば、国は山城氏が暴走し、反対派を分断し知事を孤立化させる仕事をしてくれることを待っていたのかもしれません。
満を持したように山城氏は逮捕され、留置場で再逮捕されてしまいました。
また過去のシュワブゲート前のブロック積みまで遡及して再逮捕されました。 
平和センター事務所や、いままで聖域のように思われていた辺野古テント2にも家宅捜索の手が延びました。
中谷元防衛相は、今年3月にこう述べています。
「移設作業か遅れれば作業船や資材の制約解除で損害がでる。作業が中断した場合、損害の発生が想定されている」(産経2015年3月27日)
つまり国は暗にこう言っているのです。
「もし来年からの辺野古工事で、また今までと同じような過激な阻止行動が取られれば容赦なく検挙し、そのうえに工事が止まれば損害賠償請求するからな。」
この情勢を見て、翁長氏も決心をしたかに見えます。
さらに、11月から始まる振興予算交渉において、これがどんな影響を及ぼすのか翁長氏が考えないはずがありません。 
実は、翁長氏は政府との「密使」を持っていました。それが安慶田(あげだ  )光男副知事です。 ※あげたではなく、「あげだ」でした。ご指摘ありがとうございます。
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安慶田光男副知事htwebronza.asahi.com/politics/articles/201504...

安慶田氏は自民党時代、新風会という那覇自民党市議団のボスでした。
そして翁長氏のクーデターに参加して飛び出しましたが、今でも自民党中枢とパイプを持ち、「密使」として東京とひんぱんに往復しているのは知られた事実です。
その安慶田氏の指南役と目されているのが、元県会議長・自民党県連会長だった外間盛善氏です。

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外間盛善氏

外間氏は二階俊博幹事長の沖縄後援会顧問です。
先日の和やかな沖縄そばの背景に、安慶田-外間-二階ラインが動いたと見るほうが自然です。
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さてその外間氏の移設問題についての持論はこうです。
外間氏は琉球新報2014年8月25日のインタビューでこのように述べています。
「(辺野古埋め立てには反対だが)基地反対ということではない。強いて言えば、内陸部の基地内に移すということであればいいとは思っている」
http://ryukyushimpo.jp/news/prentry-230580.html
「内陸部の基地内なら容認する」、それはシュワブ・ハンセン陸上案のことです。
ならば、翁長氏の意見も、あんがい似た所にあるのではないかと思います。
そして二階氏はよく言えば清濁併せ呑む、融通無下、クリアにいえば得になるならなんだってオーケーのお人です。
翁長氏に沖縄すば食いながら、「おいタケシちゃん、戻ってこねぇか。オレが幹事長の間だぜ。いつまでつっぱってんだよ」くらいいいそうです(笑)。
ただしこれも、流血沙汰の暴力闘争が止み、穏やかに解決してほしいと願う私の希望的観測だとお断りしておきます。
※追記はまとめて記事にしますので、今日は削除しました。

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[ 2016年12月 5日 ]

 

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