三越伊勢丹 第一四半期 営業利益5割減
三越伊勢丹ホールディングスの2016年4~6月期の連結業績は、営業利益が前年同期比5割減の60億円前後になったようだと日経が報じている。
(第一四半期決算は7月29日に同社から公表される予定)
円高などで訪日外国人消費がピークを越え、高級時計などがさっぱり売れなくなっている。
消費不況から夏季セール前に買い控えが生じ、婦人服などの販売が減少、郊外や地方店舗の苦戦も目立っている。
売上高は▲5%減の2950億円前後だったとみられる。
訪日客向けは、中国の関税引き上げと帰国の際の中国入管の徴税厳密化、および円高により、高額品の爆買いが大幅に減っている。
円高は7月で見れば、中国元については21.6%も円高に進んでいる。米ドルに対しては同月間で14.6%の円高(123.907円⇒105.859円・・・月末数値と25日の数値による)になっている。その違いは、一方で元安も進んでいることによる。
これでは、百貨店のインバウンド効果の減少どころか、中国からの訪日客の減少さえ危惧される水準となっている。
それもこれも、安倍首相のアベノミクスにより、企業が大増益を果たした上に法人税の減税までしてもらったものの、国民消費に直結する労働者への還元をしなかったことにより、GDPの6割を占める消費は伸びず、日本経済が低迷したままとなっている。
こうした日本経済に、為替市場は円に見切りを付け、円高にシフトさせた。英EU離脱ではリスクが少ない円が買われ、一時100円割れまで買い進められた。
日 銀は2月マイナス金利導入表明で、もうそれしか手の内はないのかと見切られ、対ドル円は買い進められ、空振りどころか急速に円高にシフトさせてしまった。 もう黒田丸は円安誘導の信任は薄れ、何を吼えてもやっても小規模の円安シフトしか実現できない状況に追い込まれている。
それもこれ も、大手企業が大儲けした利益を、内部留保や投資家ばかりに還元し、労働者に還元していないことによるもの。失業率が減っても低賃金の非正規雇用者ばかり が増加し、一方で高給取りの高齢者は退職し続けており、全勤労者の収入が増加していないことによるもの。大手企業では、安倍首相の音頭で、若干収入が増加 したものの、円安物価高で相殺され、税や社会保険料、地方税、介護の自己負担増、水道料金など公的サービス価格の上昇など、実質可処分所得は減少し続けて いる。
アベノミクスを失敗に終わらせているのは、安倍首相の政策ミスでもあるが、企業にその責任がある。今年に入り急速に円高にシフトし、アベノ ミクスで為替利益と競争力が付き一番儲けた輸出企業の業績悪化は避けられず、国内景気やインバウンド効果の低迷で、内需企業も総じて冴えない業績が予想さ れ、内需拡大=経済成長は今や至難の業となってしまった。
対中国元・円の為替相場月別推移(月中平均値)
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2014年
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2015年
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2016年
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16年前年比
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1月
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17.353
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19.224
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18.266
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-5.0%
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2月
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16.869
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18.577
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18.365
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-1.1%
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3月
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16.546
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18.933
|
17.173
|
-9.3%
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4月
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16.586
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19.344
|
17.383
|
-10.1%
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5月
|
15.789
|
19.203
|
16.356
|
-14.8%
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6月
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16.263
|
19.984
|
16.782
|
-16.0%
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7月
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16.308
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19.705
|
15.440
|
-21.6%
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8月
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16.610
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19.890
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マイナスが円高分
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9月
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16.907
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18.794
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10月
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17.719
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18.803
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11月
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18.360
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19.000
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12月
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19.248
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19.138
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