2006年、
BMWは『Hydrogen7』の量産モデルを発表した。この水素自動車は、『7シリーズ』をベースに水素とガソリンのどちらでも走れる。水素を燃やしても出るのは水蒸気だけで、エコ(環境)カーとしての一つのアプローチを提案している。
Hydrogen7が搭載する5972ccV型12気筒エンジンの最高出力は260馬力(水素燃料)で、水素とガソリンの切り替えは、スイッチ一つで操作することができる。燃料に高圧の水素を使うことから、ガソリンに切り替えた場合にもディーゼルエンジンと同じコモンレール式を採用する。両方のタンクで680km(水素だけの場合は200km)走れる。水素ステーションが近くになくても、ガソリンで走れるためドライバーの不安も少ない。
BMWとTOTALは、水素供給ステーションなどのインフラ整備を共同して進めることを発表している。
BMWの技術の粋を尽くした水素自動車BMW Hydrogen 7 (E68) 1/18燃料電池車と水素自動車は、燃料に水素を使う点では同じだが、前者は水素と酸素を反応させて発電した電気でモーター駆動するのに対し、後者は、ガソリンの代わりに燃料として水素を燃やす点が違う。
BMWはレシプロエンジンをベースに液体水素で、
マツダはロータリーエンジンをベースに圧縮水素で開発を進めている。
フジミ 1/24 自動車シリーズ SPOT 64 マツダ RX-8 ハイドロジェンRE【税込】 マツダRX8 ハイ...マツダの方式も、
BMWと同様、スイッチ操作でモードを切り替え(ただし、車両停止時のみ)、デュアルフューエル(
マツダはこう呼ぶ)として水素とガソリンの双方が使用可能。RENESISロータリーエンジンがベースで、電子制御ガスインジェクターで水素を直接噴射する。ガソリンの場合は、通常のガソリンインジェクターから噴射される。最高出力はガソリンで210馬力、水素で109馬力。航続距離は、ガソリンで549kmと水素で100km。
水素は燃料としてはクリーンだが、ガソリンに比べ熱エネルギーが少ないことと衝突時に水素燃料タンクが爆発しないよう安全性を確保することが課題の一つ。BMW、
マツダのシステムは、エンジンや車両の変更がわずかで変更のコストが少なく済むことと、水素とガソリンが併用できるため高い利便性があることが特徴。