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殿下執務室2.0 β1

  : 

有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

障害競馬と斤量 

竹本騎手の事故死について、ちょっとばかり。
障害で若い騎手の事故が起きる要因としては、経験が少ない(平たく言えば飛越の技巧が期待できない)騎手が能力の低い(スピード面もさりながら、飛越能力が低いためと推測できる)障害馬に乗るから、というのは確かにありますが、それに加えられる要素として個人的に疑ってるのは、
「減量による斤量減」
ではなかろうかと。件の競走では斤量は60kgで、竹本騎手は▲3kg減の57kgでの騎乗。斤量が軽ければ当然スピードは出しやすいが、スピードが出やすいということは、飛越が難しくなる、ということと表裏一体ではないでしょうか。当然ながら、スピードがあって飛ぶのが巧ければ、そんな馬はアンちゃんには回らないんですし。
にしても、日本の障害は全体的に斤量が軽い。
恐らくハンデ戦以外で障害馬が最も重い斤量を背負うのは中山グランドジャンプの63.5kgだと思いますが、それをポンド系に換算すれば140ポンド=10ストーン。イギリスなんかではこの辺が逆に「一番軽い斤量」ですよね。ハンデ戦とかだと70kgを越すくらいの斤量がしょっちゅうで。そういう中で、日本の障害はどうしても「スピード重視」ですが、個人的には現在の仕組みで「スピード重視の障害競馬」を運営する危険性は認識されるべきかな、と思います。そもそも、障害なんて騎手は65kgくらいで天神乗りで、でも障害は綺麗に飛ぶ、というのがより良い姿なんじゃないのかな、と。元々馬場は軽いのだから、それでも最終的にはスピードがものを言うという点は揺るがない訳ですし。逆に障害を現行のスピードでやるならば、馬術でライセンス持ってるようなアマチュアからスピード競馬に対応できるような人材を育てて障害レースで起用するような制度なりを作って、障害騎手の層を厚くするとかそういう対応を考えなければいけないのかなとか思います。
ただそれはおいといても、折角中山グラジャンとか作って障害を振興してるんだから、
「美しく飛ぶ」
という、障害ならではの良さを引き立てるのがあるべき姿なんじゃないかな。正直、競馬自体が死と隣り合わせであり、どう策を立てたところでいずれまた誰かの悲報を聞くことはあると思うのですが、ちょっと障害のあり方を含めて色々考えることが、故人の遺志に適うと思い。
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