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『MarkeZine』(雑誌)

第108号(2024年12月号)
特集「2025年・広告の出し先」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine BOOKS(マーケジン・ブックス)は、激動の時代を生き抜くビジネスパーソンに向けた、マーケティング分野の新しい定番書シリーズです。

書評

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『ザ・アドテクノロジー』刊行記念スペシャルコンテンツ

マーケター・広告人必読の定番書、もう読んだ?
『ザ・アドテクノロジー』4人の著者がすすめる書籍はこちら!


 先日2月13日(木)、『ザ・アドテクノロジー~データマーケティングの基礎からアトリビューションの概念まで~』が刊行となりました。刊行記念スペシャルコンテンツの第4弾は、菅原健一氏、有園雄一氏、岡田吉弘氏、杉原剛氏ら4人の著者陣によるブックガイドのカットアップ版を公開いたします。著者陣のコメントとともに、MarkeZine編集部からのおすすめの書籍も合わせて紹介いたします。(刊行記念特設ページはこちら)

テクノロジー編:定番の3冊、もう読んだ?

『DMP入門』
(インプレスR&D/2013年)

 テクノロジー編としておすすめするのは、昨今注目が集まっているDMPについての書籍『顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門』(横山隆治、菅原健一、草野隆史:著/インプレスR&D/2013年)です。

 刊行時に、本書の著者である横山隆治氏と菅原健一氏で行った対談記事「DMPは、広告だけでなく、マーケティングコミュニケーションの構造を根幹から変える」も合わせて読むと、広告配信に限らず、企業のマーケティング活動全般を変革させる可能性を秘めるDMPについての理解が深まります。

自著ながらデータマーケティングの道しるべとしてご活用いただければ嬉しいです。DMPという仕組みのみならず、データマーケティングの本質についても書いてあります。米国最先端の話にも触れていますので、今だけではなく将来を予測する際にも役立つと思います。ここで予言したいくつかのことが既に実現しつつあるのも興味深いです。(菅原氏)
(左)『DSP/RTBオーディエンスターゲティング入門』(インプレスR&D/2012年)
(右)『アトリビューション』(インプレスジャパン/2012年)

 また『ザ・アドテクノロジー』ではアドテクノロジー全般の概要を説明していますが、さらに各分野の詳細を知りたい方には『DSP/RTBオーディエンスターゲティング入門』(横山隆治、菅原 健一、楳田良輝:著/インプレスR&D/2012年)、『アトリビューション』(田中弦、佐藤康夫、杉原剛、有園雄一:著/インプレスジャパン/2012年)の2冊がおすすめです。

ビジネス編:広告に頼らずにモノが売れるしくみをつくる/善良な正しい思考に結果は付いてくる

 ビジネス編としておすすめする1冊目は、『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦――「4+1の力」で価値を生み出す知と実践』(大元隆志:著/翔泳社/2013年)です。選書した杉原氏は、自身のブログ「Quantum Leap」においても、本書について「マーケティングとIT融合の本質を掴むためのヒントを得たいマーケティング従事者は読んでみるべき」と述べています。また、「アドに頼らなくてもモノが売れるしくみをつくる、それがこれからのマーケティング」と語る本書の著者である大元隆氏に行ったインタビュー記事はこちらです。

今まさにITとマーケティングが融合しようとしている中、ITの側からとても冷静に状況を分析して先を予測しています。本書の目的にあるように、「個々の技術要素にとらわれず、ビジネスに活かし、新たな価値を創造する」という点は全体に網羅され、要所要所のインサイトはきちんと本質をついています。事例も適度に深掘りしてあり、参考になります。(杉原氏)
(左)『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』(翔泳社/2013年)
(右)『「原因」と「結果」の法則』(サンマーク出版/2003年)

 2冊目に紹介するのは、有園氏が勧める『「原因」と「結果」の法則』(ジェームズ・アレン:著/坂本貢一:訳/サンマーク出版/2003年)です。1世紀以上も前に、英国の作家が執筆した本書は、すでに読んだことのある読者も多いかもしれませんが、今一度読み返してみてはいかがでしょうか。自分自身が今置かれている状況によって、読むたびに新たな気づきがある、そんな1冊です。

いわゆる啓発書です。全ての「結果」は「原因」があり、その「原因」は、自分の思い、考え方にあると説いています。その意味では、自分次第で「結果」は変えられるものだとも言えます。自らの力で道は開けると信じることができる人には相性の良い本だと思います。「原因」を自分に求めるわけなので、厳しい面もあるかもしれません。しかし、善良な正しい思考に「結果」はついてくると私は感じています。(有園氏)

番外編:2人の村上氏の著書をご紹介

 番外編として、少し趣を変えた2冊をご紹介します。1冊目は村上隆氏の『芸術起業論』(村上隆:著/幻冬舎/2006年)です。六本木ヒルズのキャラクターや、ルイ・ヴィトンとのコラボレーション作品などを手掛けた実績を持つ村上氏を、菅原氏は優秀なマーケターと語っています。

ルイ・ヴィトンとも作品を作っている村上隆さんの本です。アーティストとしての好き嫌いは人それぞれでしょうが、僕は村上さんをとても優秀なマーケターとして見ています。なぜ日本のアーティストが世界のアートマーケットで評価されないのか。独自の解釈とそれを実際に世界のアートマーケットで証明している彼の活動は、マーケターの皆さんには刺激になるのではないでしょうか。(菅原氏)
(左)『芸術起業論』(幻冬舎/2006年)
(右)『五分後の世界』[幻冬舎文庫](幻冬舎/1997年)

 そして、最後は村上龍氏の『五分後の世界』[幻冬舎文庫](村上龍:著/幻冬舎/1997年)です。ハードカバーが刊行されたのはすでに20年前のことですが、逆境に陥った時にどう行動すべきか、人間としての普遍的なテーマについて考えさせられる小説です。仕事に疲れてしまった時にでも、気分転換に読んでみると良いかもしれません。

デジタルマーケティングとはまったく関係のない小説ですが、元気が出ないときに定期的にページをめくる本です。ビジネスの現場では、ときに理不尽なことや辛い逆境に直面することがありますが、逆境において意志を貫くことの難しさと、状況を真正面から受け止めて科学的な努力を怠らないことの必要性が、登場人物の一挙手一投足の描写からにじみ出ています。現在は文庫で気軽に読めるので、ビジネス書に疲れた時にでもぜひ手にとってみて下さい。(岡田氏)

 本書『ザ・アドテクノロジー』では、著者4人にそれぞれ5冊ほど選書していただき、合計20冊の書籍を紹介しています。書店で見かけた際は、他にどのような本が紹介されているのか、ぜひ手にとってみてください。

著者:菅原健一氏、有園雄一氏、岡田吉弘氏、杉原剛氏
『ザ・アドテクノロジー~データマーケティングの基礎からアトリビューションの概念まで』

[目次]
1. 広告革命
2. ネット広告概論
3. アドテクノロジー
4. データドリブン
5. アトリビューション
6. 賢人に聞く
●横山隆治氏「広告人は変われるか」
●塚本陽一氏「デジタルの知見を武器に、自らのスキルを変革せよ」
COLUMN:テレビCMに検索キーワードが入るまで
付録:著者陣によるブックガイド、用語集

DSP、RTB、SSP、DMP、第三者配信、カオスマップの読み方、データフィード、商品リスト広告(PLA)、アトリビューションまで、各キーワードと概念を包括的に理解するために役立つ1冊です。加えて、デジタル時代のマーケター・広告人のキャリア構築を指南する特別取材記事を収録し、著者陣によるブックガイドや用語集、COLUMNも盛り込まれています。購入はこちら!→Amazon.co.jp/SEshop

 

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/02/24 12:38 https://markezine.jp/article/detail/19315
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