光と風のなかへ＆追憶の鉄路

函館夜景

箱館の夜景といえば　なんといってもこの景色

函館夜景

神戸・長崎とともに日本三大夜景と言われるだけあって

眼下で煌めく街の灯りはとても美しい

どうせ撮るなら市電も画面に入れようと思ったが

どこに市電がいるのかもわからない

そのまえに展望広場はたいへんな混雑で

いつまでも一番前を占拠するわけにもいかない

そこで何度もシャッターを切って大画面で確認したところ

数枚に十字街あたりにいる市電がしっかり写っていた

ただ小さいサイズだとどこにいるのかわからないかな

画面の下に写るのは元町の教会群

函館夜景

ただこの美しい夜景もいずれ見られなくなるだろう

函館は人口の減少が急速に進んでいるからだ

実はむかし見た夜景はもっと綺麗だった

いろいろな色が煌めいて

まるで宝石箱をひっくり返したような美しさがあった

それがいまは街灯などで使われるオレンジの色味が強く

赤や緑が少なくなって色が単色化してしまったのだ

その原因は昔のようなネオン街が少なくなったからだろう

しかしもっと大きい原因は函館の人口が減り続けていることだ

函館夜景

函館の人口のピーク時は1984年の32万2530人

しかしその後は減り続け　今年１月の人口は23万9813人

ついに24万人を下回ることになった

これは1973年の人口とほぼ同じと言うから

50年前に戻ったということだろう

少子高齢化や若者の流出で人口減少に歯止めがかからないのは

函館に限らないことだが　それでも減少のスピードが早い

今年10月末の人口は23万6944人だったから

わずか10ヶ月の間に2869人も減少したことになる

先月28日に市が発表した内容によると

このまま減少が進むと2070年の人口は8万人になるという

いまの1/3だ

そうなっては夜景の美しさは過去のものになろう

ふりかえって見れば　もはや戦後ではないという時代に生まれ

高度経済成長を遂げていく日本とともに成長してきた我々世代は

一番良い時代をすごしてきたのかもしれない

函館夜景